2つに増えました!?
胃の痛い皇帝陛下・・・・・。
◇◇◇◇◇ダンバス帝国皇帝視点◇◇◇◇◇◇◇
実の所、私ノワール・ダンバスは気が気ではなかった。
発端は娘ルイーゼがリオン王に嫁ぎたいと言い出した事にある。
我が帝国においては、男系男子にのみ帝位継承権がある。
従って、女系男子及び女子には他家の養子になるか、他国もしくは臣下へと降嫁するしかない。
実際ルイーゼの2人の姉は1人は隣国へ嫁ぎ、もう1人は臣下の公爵家へ降嫁した。
それを思えばルイーゼの願いは不自然では無い。
・・・しかし父親の私には分かる。(・・・ルイーゼよ。お前餌付けされたな?)
ルイーゼの家族しか知らない事だが、実はルイーゼは食い意地が張っている。
使節団を率いてフォーチュンへ赴いた際、胃袋を掴まれたと見るべきだ。
だがこちらとしてもルイーゼの願いは渡りに船なのも事実。
ルイーゼは色仕掛けをすると言っていた。
ううむ・・。大丈夫だろうか・・・。
下手をするとリオン王の機嫌を損ねるのでは無いだろうか?
一日千秋の思いで待機していると、ようやくルイーゼが現れた。
「ルッルイーゼよ!?首尾は如何であった?」
私の言葉に娘は笑みを浮かべて、意味深に、
「・・・父上。良い話と悪い話がありますが、どちらからお聞きになりますか?」
何!?良い話と悪い話だと!?
・・・やむを得ない、とりあえず良い話から聞くとしよう。
「・・・先ずは良い話から頼む。」
「・・・畏まりました。」そう言うと娘は左手を私に見せる。
左手の薬指には大きな指輪が煌めいている。其れの意味する所を理解した私は、
「上手く行ったのか!?それは重畳!」
どうやら娘とリオン王は無事婚約したらしい。
これで我が帝国も安泰というものだ。
「父上。話はこれで終わりではありません。是非とも悪い話もお聞き下さい。」
いつの間にか笑顔が消えているルイーゼ。
訳が分からず私は口を開く。
「・・・分かった。次は悪い話を聞こう。」
ルイーゼはわざとらしくゴホンッと咳払いすると、
「申し訳ございません!!またしてもリオン陛下から特大の厄介なモノを献上されてしまいました!!」
いきなり土下座して絶叫するルイーゼ。
何をいうかと思えば・・・。厄介なモノ等、先日のマジックバッグ程のモノでは有るまい。
「ルイーゼよ。リオン王の献上品は何時も規格外だ。まさか先日のマジックバッグ程では有るまい。落ち着いて報告せよ。」
娘はクワッと目を見開き!
「そのマジックバッグを献上されました!!もう1つ!これで2つ目です!我が帝国のマジックバッグが2つに増えました!!」
私は玉座からズリ落ちる!「なっ!?なにぃぃぃぃぃ!!」
・・・リオン王は私を胃潰瘍にするつもりか?
今日は短かった・・・。すまぬm(_ _)m




