錆びない鉄
ささやかな異世界チート
今日はドワーフの集落に来ている。
ドワーフの長のギム・アスベルに相談があったからだ。
「リオン様。今日はどのようなご用件ですかな？」
「ギム殿。決して錆びない鉄に、興味は有りませんか？」
いきなり爆弾発言をぶちかます俺。
案の定あんぐりとするギム。
「なんじゃと！？そんなものは我々ドワーフの永遠の至上命題では無いか！？そのような事が可能なのか！？」
うん。普通ならそう思うよね。
しかし！俺の異世界チートを舐めるなよ！
「俺の配合で錆びない鉄は作れる筈だ。なので試しに作って欲しいんだ。」
「・・・・・・・・」無言で瞑目したままのギム。
無理も無い。古来より錆びない鉄何てものは、鍛冶師達の夢であり、ある意味果たせぬ事でもあったからだ。
「・・・試してくれるだけでいい。何とか俺の言う配合で作ってみてくれないかな？」
「・・・リオン様を、儂らは信頼しております。とりあえず作ってみましょう。」
1週間後。
俺は髭のドワーフ達に抱き着かれていた＞＜
「リオン様！！凄いですぞ！教えて頂いた配合で作成した合金は全く錆びません！まさに夢の金属です！」
・・・美少女なら兎に角、髭のドワーフ達に抱き着かれても嬉しくない・・・。
一応種明かしをすると、ぶっちゃけステンレスの配合を教えたのよ。
鉄74％、ニッケル8％、クロム18％の配合で合金を作ると錆びない合金のステンレスが出来上がる訳だ。
まさしく異世界ズルチートだな。
伊達に前世で50年近く生きてた訳では無いのだよ！
〇グザム一機より〇ク百機だ！
戦いは数だよ兄貴！！
この製法もまたフォーチュンの特産品になるだろう。
ギムに量産の指示を出して城に帰還致す！
皆さんお待ちかねの宴の時間だぁぁ！
今日は主食にけつねうろん、いやもといきつねうどんだ！
オカズにはコレまた和食の王道の、湯葉と揚げだし豆腐に、豚肉たっぷりの豚汁だ！
付け合せには日本人の郷愁を唆る、沢庵漬けだぁぁ！
扶養家族達並びに悠里よ！刮目して見よ！
・・
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・・・・・・
「リオン！このうどんは美味いのじゃぁぁ！日本酒が進むのじゃ！」
「リオンさん。うどんて凄く美味しいですぅぅぅ♡うどんと焼酎お代わりですぅぅぅ！」
「リオン様。この湯葉がとても美味しいです。ワインが進む美味しさです。」
「・・・・・うどんと湯葉とても美味しい・・・焼酎共々お代わり・・・・」
「私はリオン様の婚約者だぁぁ！まだまだ食べ足りないぞぅ！お代わりを持てぇー！」
「・・・うっうどんだぁ〜♡懐かしのうどんだよ〜♡しかも揚げだし豆腐だぁ〜♡私もうリオン様から離れられないよぅ♡」
相変わらず俺の元日本人のハートを震わせる悠里。
・・・期待を裏切って悪いな？
今回はちゃんと食べたよ！
・・・密かに用意していたサンドイッチのお陰でな！！！
・・・・備えあれば憂いなし・・・
・・・俺もうどん食べたかった・・・
やはりリオンは食べられない
