リオンのハローワーク
異世界なので失業保険はありません。
亜人達を保護した翌日。
それぞれの種族との面談を開始した。
リオンによる亜人の為のハローワークだ。
ドワーフ族代表、ギム・アスベルとの面談。
「ドワーフ達は、鍛治が得意なんだよな?」俺の認識。
「うむ、勿論鍛治なら他のどの種族にも引けは取らんが、ワシらドワーフは他にも鉱石の採掘や精錬、宝石の加工に細工物の制作迄ドーンと来いじゃ!」立派な髭を揺らして力説する。
ふむ、すると地下資源の近くに集落を作って採掘から鍛治、加工、制作迄をスムーズに行なう様にするのがいいか。
「なら俺が地下資源の近くに集落を作ってやるから、そこで採掘した鉱石を精錬してインゴットにして武器防具を作るなり、宝石や希少金属を加工して細工物を作るなりして貰うけど、それでいいかな?」
ギムは瞑目したまま腕を組んでいる。と、いきなり立ち上がり平伏した。
「・・・ワシらドワーフ族にそこまでして頂けるとは・・・ワシらドワーフ一同リオン様に忠誠を誓いまする!」
うん。ミッションコンプリートだな。
エルフ族代表、シルフィーとの面談。
「エルフ族達は、やはり森で暮らしたいのかな?」
「はい。それ以外の場所でも暮らすことは出来ますが、やはり出来れば森の中で暮らしたいです。」
「エルフ達は、何か作れる物とか、栽培出来る物とかあるのかな?」何か特産品みたいな感じのがあればいいんだが。
シルフィーはしばし熟考した後、
「・・・弓や家具などの木工細工や、毛皮や革などのなめし作業に、それ等を加工して服や防具に出来ます。栽培は野菜や果物、各種薬草は一通り出来ますね。」マジかよ。スーパーエルフ達だな。なら城の近くにある森に住んでもらうかな。
「それならこの城の近くにある森に充分な数の家を建ててやる。すぐ近くに広い畑も造成するから、安心して暮らして欲しい。」前世での憧れ、エルフだしな!良くしておこう。
シルフィーはしばらくフリーズしていたが、再起動した途端
超スピードで抱き着いてきた!ムギュウ。
「貴方様は我々エルフ族の救世主です!メシアです!このご恩はこの世界が滅ぶまで忘れません!」
思いが重いなあ。・・いやそれよりも!俺の体に押し付けられた柔らかな感触と、何とも言えぬ甘くかぐわしい香りは・・・
とても幸せな気分のまま、ミッションコンプリート。
ホビット族は、ほぼエルフ族と同じ感じになった。森だけでは無く草原でも生活したいとのことだったくらいだな。
彼等は専ら素早さを活かしてエルフ達の必要とする革や毛皮等の他に、弓の弦となる各種素材を調達して貰うことにした。
そして人族達には元商人として城、ドワーフの鉱山村、エルフ達の集落、ホビット達の集落をそれぞれに物資を運んでもらうことにした。各亜人の集落に食糧等を運び、各集落同士でも物資や資材等をやり取りして貰う。
人族達の村は城のすぐ近くに作った。
・・・余談だが、前世のラノベの知識をフル動員して、亜人の皆さんに差し入れをした。
ドワーフ達には陳腐だが大量の蒸留酒を。
エルフ達にはやはり大量の各種野菜と果物(地球で品種改良済み)、地球産のドライフルーツを。
ホビット達には同じく野菜と果物、バターやチーズ等の発酵食品を送った。
・・・・死ぬほど喜ばれた。
ドワーフには心の友と呼ばれた。何処ぞのガキ大将か。
ホビット達は何やら謎の歌と踊りを俺の周りでクルクルひたすら回っていた。
エルフに至っては・・・・
「リオン様!リオン神様!」
大勢のエルフ達(何故か全員女性)に抱き着かれて、またもや俺を中心におしくらまんじゅうが始まった。
皆さん凄く柔らかくて、いい匂いでした。まる。
紆余曲折はあったものの、これでようやく今回の亜人騒動は一先ず落ち着きをみせたのであった。
この世界はエルフはツルペタでは無く、(もれなく)巨乳です。作者の特権なので異論は認めない!(`・ω・´)キリッ




