ヒルダの尋問(拷問)の結果
魔王の引っ付き鬱陶しい(泣)
さてヒルダから報告を受ける前に。
背中に密着したままのリリスを起こす。
「リリス。起きろ。お前をおんぶしたままだと椅子に座れないんだ。一度離れてくれ。」
俺の懇願にもリリスは、
「・・・むにゃむにゃ( ¯꒳¯ )ᐝイヤなのだー・・・。どうしてもというのなら余はリオンの前から抱きつくのだー・・・。」
リリスは半分寝惚けながら(器用にも)俺の首をロックしたまま俺の正面に移動しおった!
こ・・・コレは∑(°∀°)コレハァ!!所謂抱っこポーズでわないかー!
ぐぬぬ・・・。
コレでは絵ヅラ的に大人同士でイケナイ抱っこをしているみたいだぞぅ!
まっまぁ、この場の目撃者はヒルダのみだから、いい事にしておくか(* 'ᵕ' )☆
リリスはやはり秒で爆睡しだしたので、今度こそヒルダから報告を受けるとしようかな。
「・・・ゲホンッ!いや失礼!ヒルダ。では報告を聞こうか。あのAIから如何なる情報を得たのだ?」
俺の質問にヒルダは綺麗な敬礼をしながら、
「ははっ!マスター!執拗なるごうもっ・・・ゲフンゲフンッ!じっ尋問によって、必要とされる情報を得る事が叶いました!いや中々に強情でしたが何とか情報を引き出せました!」
・・・いや拷問って言いかけたよね!?
しかも情報を引き出せたとか何処のゲシュタポなのよ〜!?
・・・まぁここは大人しくヒルダの報告を聞くしかないな・・・。
「・・・当該AIの自白によれば、あの施設はどうやら転移門を管理していた様です。」
ん?
転移門って・・・。
「すると古代文明は、転移門を実用化していたのか?」
それにはヒルダがハニワになって、
「マッマスターッ!大変申し訳ありませんでした!私ヒルダうっかり八兵衛でした!古代文明の事について報告漏れするなどまさしく万死に値する行為です!どうかお許しください!」
いやそこまで咎めているわけじゃないからね。
しかしAIの癖にうっかり八兵衛とか・・・。
流石古代文明というべきか・・・AIが妙に人間臭いんだが・・・。
とはいえ、まずはヒルダを慰めないとね。
「まぁ大した問題じゃない。AIともなれば扱う情報量もまた膨大だ。多少の処理落ちがあったとしても、誤差の範囲だろう。態々謝罪する必要はないぞ。」
これにヒルダはまさしく90度の平身低頭をして、
「マスター。重ね重ね汗顔の至りでございます。どうかこのヒルダをお気の済むまで鞭で叩いて下さいませ!」
待てぇーい!!!
そ・れ・は!間違いなく垢BAN案件だぞぅ!
おのれ卑猥なる嫁達ばかりかヒルダまで俺を垢BANという底なし沼に引きずり込もうというのかーー!!
こうなれば無理やりにでも話題を変えるしかない(´;ω;`)
「ヒルダ。話を戻すぞ。この施設が転移門を管理していたというのは理解した。それでここに設置されている転移門って、何処と繋がってるんだ?」
これにヒルダは(珍しく)戸惑いながら、
「マスター。現在この施設には二つの転移門が存在します。一つは残念ながら一方通行で、向こう側からこの施設に転移して来る事しかできず、そこのボンクラAIも何処と繋がっているのか全く把握しておりませんでした。まぁ所詮C級のポンコツAIですので、重要な機密情報は入力されなかったのでしょう。」
なるほど(´・ω・`)そういうものか。
しかしどうでもいいけど、仮にも同じAIに対してボンクラだのポンコツだの、結構ヒルダも口が悪いなぁ。
「・・・そしてここからが重要なのですが・・・。もう一つの転移門・・・これが問題なのです。こちらは一方通行ではなく、双方向に行き来出来るのですが、やはりそこのゴミAIは行き先の情報を把握しておりませんでした。故にこの転移門に関しては、現状何処と繋がっているのか不明です。以上、ごうも・・・尋問の結果を報告致します。」
うーむ( ¯ᒡ̱¯ )
今のヒルダの報告を聞いて、幾つか腑に落ちない点があったから、其れをヒルダに聞いてみよう。
「ヒルダ。幾つか疑問点があるんだが・・・。まず、先程ヒルダはあのAIは自ら他とのネットワークを遮断したと言っていたな?一体何故そんな事をしたのかがそもそも疑問だ。第一其れをしたとして、転移門はどうなる?」
それに対してヒルダは惚れ惚れする程の笑みを浮かべながら、
「流石はマスターです♡常に物事の要諦を把握していらっしゃいます♡謹んでお答え致します。まず、ネットワーク遮断の件についてですが、ごうも・・・尋問の結果、厳密にはAIの独断ではありませんでした。どうも外部より特定の非常信号を受信した時のみ全てのネットワークを遮断する様にプログラミングされていた様です。次に転移門についての疑問点ですが、どうもあのAIに対して、非常信号によってネットワークの遮断と同時に自らもスリープモードにするべし、と予め入力されていたみたいです。つまりスリープモードになれば、転移門もまた使用不能になる訳です。」
・・・非の打ち所の無い回答をありがとう!(´▽`)
それでは更なる疑問点をヒルダに問いかけるぞぅ!
「・・・ヒルダの報告を聞くと、どうもその、非常信号を出せる者という人物は、古代文明において相当な高位な地位にあるのではないかな?おそらくトップもしくはNo.2くらいの上層部の人間でもなければ軽々しくそのような命令は出せない筈だ。そこのところ、あのAIへの尋問で何かわかったのか?」
俺の疑問に対してヒルダは、
「・・・マスター。残念ながらあのポンコツAIはどうやら意図的に重要な情報を与えられていなかった節がございます。今にして思えばここのAIが何故C級AIなのかが納得できます。普通重要な施設ならばそれなりの・・・そう、少なくともA級以上のAIを据える筈でございます。にもかかわらずC級の、しかもあのようなポンコツAIを設置したという事は、A級以上のAIにはそれなりの情報を与えなければならないのに対し、C級であればまさしく必要最小限度の情報で事足ります。つまりはあのAIから指示役を辿るのは不可能という事です。お役に立てず誠に申し訳ありません。」
ふーむ、まぁそういう事なら致し方ないかな。
とここで!
いきなり俺の膝上の魔王が覚醒しおった!
しかも魔王のお腹から、
『グゥゥゥ〜〜〜!』お腹の虫が鳴り響いた!
「リオンリオーン♡余はお腹が空いたのだー♡おそらくもうすぐ夜ご飯なのだー♡余は早く食べたいのだー♡」
・・・まぁ一応ヒルダからはだいたいの情報は報告された訳だしな・・・。
「ヒルダ。どのみちあのAIが機能回復するのが先決だ。それまでこの件は保留とする。」
俺の指示にヒルダは、
「Yes!マスター!」
華麗に敬礼して踵を鳴らした。
さてさてでは宴の為に飛空艇に帰還致しますよっと!
だがここで!
「続きは次回なのだー♡」
だから俺のナレーションを取るな〜!
チャンチャン♪
魔王様の腹時計は正確無比である♡




