魔王大激怒!(原因は実にしょーもない理由です)
ピクニックは良いですねぇ
辛うじて飴玉を餌付けして嫁達を宥める事に成功したリオンです。
ちなみに嫁達は満足したのか、ランチまでお昼寝を再開致しました(*^^*)
で、リリスはというと・・・。
相変わらず俺の背中に引っ付いておりますm(*_ _)m
しかも、
「リオンリオーン!ピクニックに行くのだー!この空飛ぶ船の下にある原っぱで美味しいお菓子を食べるのだー♡」
・・・魔王には満腹という概念がないのか!?
まさしく底無しの胃袋のリリス・・・。
まぁ中身子供の魔王の要望では断れない。
早速俺は(ひっつき虫を背中にくっつけたまま)飛行魔法で飛空艇から降下して地上に降り立った。
リオン!大地に立つ!・・・ッゲフンゲフン!
すぐさまレジャーシートを敷いて、とりあえず大皿に山盛りのリオン特製クッキーを出して、
「リリス。とりあえずクッキーを出したから食べるといい。ついでに飲み物も用意したぞ。」
聞いたリリスは光の速さで大皿の前に座るとバクバクとクッキーを食べだした!
その間に俺はアイテムボックスから予め作成しておいたレモネード(世界樹の蜂蜜入り)をリリスに出す。
「サクサクッ♪〜リオンリオーン♡クッキー美味いのだー♡ゴクゴクッ♪この飲み物も美味いのだー♡クッキーと飲み物もっともっと欲しいのだー♡」
どうやら魔王は大満足の様だな。
さて・・・。
当然の事ながら俺は無警戒にここでピクニックしている訳じゃないよ?
既に広範囲サーチ魔法を展開して、周囲100kmは偵察済みである。
すると俺達から凡そ数百メートルの地点に怪しい集団を探知した。
念の為千里眼で確認したところ、如何にもな服装の指揮官らしき男が一名。
ローブを着て杖を持った見るからに魔導師でございという男達が約五十人程。
あとはプレートメイルを身にまとい、剣と盾で武装した騎士や兵士とおぼしき集団が凡そ百人程。
ソイツらがジリジリと慎重に俺達との距離を詰めて来ている。
まぁ俺の鑑定魔法でコイツらの正体はバレバレなんだけどね。
ズバリコイツらは、今現在バルバロッサがホバリングしている国、つまりネフ王国の連中って事だ。
おそらく正体不明の空飛ぶナニカが自国の領地上空で静止していたら、まぁ普通は偵察隊を派遣して様子を伺うわな。
で、多分コイツらがその偵察隊って訳だ。
まぁ例の飛行物体からまんま降下してきた俺達が飛行物体の関係者だと判断するのはアホでも分かる事だろうなー。
さてどうするかな。
とりあえず警告してやるか。
「お前達は何者だ?」
魔法で奴らの元へ音声を届ける。
同時にアイツらの言葉もこちらに届くという寸法だ。
案の定アイツらの指揮官らしき男が、
「!?!?なっなんだ今の声は!?そっ空耳か!?」
それに対して近くにいた部下が、
「いえ私にもたしかに聞こえました!間違いございません!おそらくですが、何らかの魔法であると思慮致しまする!如何致しますか?」
考え込む指揮官。
それに対して俺は、
「そちらの発言はこちらでも聞こえる様にしている。我々に対して敵対行動をとっているのは如何なる理由かを速やかに説明せよ。理由の如何によっては只では済まさんぞ。」
それを聞いた指揮官はまさしくハニワになった!
まぁそりゃそうだよね(´;ω;`)
隠密行動をとってた筈の部隊行動が、まさか全部バレバレだったって事なんだからね。
だがやはり流石に部隊の指揮を任される人物だけあって速やかに再起動した指揮官は、
「・・・誰何するのは此方の方だ!お前達こそ何者だ?我々はネフ王国の騎士団及び魔導師団の者だ!お前達は我が領国に対して不当に侵犯している!速やかに退去せよ!」
・・・いやはや。
この期に及んで『建前』を表に出すなんてね。
なら『本音』を暴いてやるかな。
「・・・お前が国王から受けた密命は、そうではあるまい?謎の空飛ぶ船を調査し、あわよくば奪取せよ!・・・とっ命じられた筈だろう?そこへノコノコと我らが降下してきたから、これ幸いと我らを捕縛する腹積もりであった。そうであろう?」
まさしく図星を指された指揮官は歯噛みした。
そして致命的な指示を出してしまったんだ。
「ぐぬぬ・・・!えーい!総員戦闘配置!魔導師隊は炎魔法発動準備!騎士隊は突入準備!急げっ!」
指揮官の指示を受け、まず魔導師達は(聞いてて恥ずかしい)魔法詠唱を始めた。
「「「「我が魔力よ!炎となりて我が敵を討ち滅ぼさん!!ファイアボール!!!」」」」
・・・相変わらずこの世界の詠唱は厨二病全開の詠唱だな・・・。
さておき、(しょぼい)火の玉が凡そ五十発程俺達の元に飛んできた。
まぁ俺もリリスも充分な結界魔法があるから無問題だろう。
「ドグァーーーーン!!!」
うむうむ。やはり二人とも無傷だったな。
だがリリスの様子がおかしい・・・
リリスは何故か膝から崩れ落ちて、何やらブツブツと・・・
「くっきー・・・。」
見れば俺達二人は無傷なんだけど・・・。
山盛りのクッキーは・・・哀れ(しょぼい火の玉で)見事に消し炭になっておられました・・・。
まさしくリリスは茫然自失です。
「余の・・・クッキーが・・・燃やされたのだー・・・。炭になってしまったのだー・・・。クックックッ・・・フッフッフッ・・・。」
!?!?
何だ!?今俺の中に物凄くヤバい悪寒が走ったぞぅ!!
見るとリリスの体から宛ら皇妃以上の真っ黒なモヤが立ち上っていた!
しかもリリスの瞳からは、禍々しい深紅の光が揺らめいている!
コレはもしや暴走モード!?
「クッキー・・・。クッキィィィィィィィィィィィィィィィィィィィーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」
リリスは光の速さで接近中の騎士達を蹂躙した。
「オラオラオラオラオラオラーーーー!!!おのれ下等生物共めー!!!余が楽しみにしていたクッキーを!よりによって燃やすとは許しがたいのだー!!その罪万死に値するのだー!!皆殺しなのだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
一方リリスが魔法をバンバン放っているのを見た指揮官は、
「なっ!?まっ魔法だと!?くっえーい!魔導師達よ!防御魔法展開!急げっ!」
まぁありきたりの指示を出した。
それを受けて魔導師達はまた例によって厨二病全開の詠唱をする訳だ( ♡´³`)σ
「「「「我が魔力よ!障壁となって我を護らん!マジックシールド!!」」」」
だが暴走モードの魔王には通用しない!
「人間風情のシールド魔法なぞまさしく紙装甲なのだ!喰らえ!!ダークネスフレイムなのだーー!!」
瞬間!漆黒の炎が魔導師達を蹂躙する!!!
「「「「ぎゃあああああああああああああ!!!」」」」
魔導師達は消し炭どころか消滅した・・・。
ちなみに指揮官は、防御魔法を指示するや自らの馬に跨っていち早く逃げ出していた。
リリスは指揮官も始末しようとしたんだけど、俺が止めたんだよね。
まぁぶっちゃけ王都に報告してもらわないといけなかったしね。
それよりも・・・。
リリスに対する後始末が大変だったのよ( ̄▽ ̄;)
「ビェェェェェェェーン!余の・・・クッキーが・・・クッキーが・・・フェェェェェェェーン!」
そう!泣き腫らした子供であるリリスを宥めなければならなかったのだ。
やむなく俺はリリスをなでなでしながら、
「クッキーくらい幾らでも出してやるから、いい加減泣き止んでくれ。」
言いながら対リリスの最終兵器!飴玉をリリスの口に放り込む。
「!?モガッ!・・・えへへー♡甘くて美味しいのだー♡今日のところはコレで誤魔化されておくのだー♡」
相変わらずチョロインのリリス。
さて次回は!
なんとかネフ王国にケジメつけさせんとイカンですばい!
続く。
子供を宥めるのは大変です




