リオンの仮設住宅騒動!
リオンの手が空くと、アノ人から呼びつけられる(笑)
漸くエルフ達とフェアリー達をぽっこりお腹にした俺は、休む間もなく帝国へと向かった。
というのも、ルイーゼに持たせた通信魔道具から、大魔神皇妃の声で、
『リオン王!先程ルイーゼが持ち帰ったきつねうどんと大学イモは美味しかったですわ〜♪それはそうと、大学イモがあまりに美味し過ぎるから、私もルイーゼもついつい食べ過ぎてしまいましたの。お陰で手元に大学イモが無くなってしまったんですわ。という訳で!今すぐ大学イモを持って来なさい!』
という(実質強制的な)無茶振りをされてしまった・・・。
相変わらず理不尽大王な皇妃・・・。
全く俺は○ーバー○ーツじゃ無いんだぞぅ!!
だがしかし相手が悪い(泣)
仕方なくなく転移門にてルイーゼの元へ。
例によって待ち構えていたルイーゼに身柄を確保されて皇妃の元へ・・・。
皇妃は椅子に座って(それはそれは優雅に)紅茶を飲んでおられました。
そして俺を連行して来たルイーゼも、当たり前の様に皇妃の向かいの椅子に腰を下ろした。
皇妃は何時もの様に扇で口元を隠しながら、
「ごきげんようリオン王。早速ですけれども単刀直入に申しますわよ!見ての通りせっかくのお茶会なのにまたしてもお茶漬けが無いんですの。さあ!ココ迄言えば聡明なるリオン王ならお分かりですわよね?さっさと大学イモを寄越しなさい!!」
・・・うわぁー。清々しいくらい堂々と恐喝してきたよ・・・。
「・・・既にルイーゼのアイテムボックスから幾らでも出せるようにしている。ルイーゼ。好きなだけ出してやれ。」
言われたルイーゼが大学イモをじゃんじゃん出した。
すぐさま皇妃は大学イモをバクバクと食べ始めました(*^^*)
「モグモグッ!やはり大学イモは美味しいですわね〜♪まさしくお茶漬けに最適ですわよ〜♡セバスチャン!私とルイーゼに紅茶お代わりですわよ〜!」
例によって音も無く現れて二人に紅茶を注ぐ忍者執事。
ヤレヤレ・・・。
つくづくはた迷惑で手のかかる親子だな全く・・・。
とココで、バクバクと大学イモを食べていた皇妃が、
「リオン王。実は大学イモの件はついでなんですわ。本当はリオン王に無茶振り・・・ゲフンゲフンッ!そっ相談があったんですの。」
今無茶振りって言ったよね!嫌な予感しかしない・・・。
此処で漸く皇妃は大学イモを食べる手を止めて、またまた御自慢の扇をシュバッと広げて(優雅に)口元を隠しつつ、椅子から立ち上がり俺に顔を近付けて来た!
近い近い近い!!
「リオン王。実は例のフォーバスの事で些か問題が発生しておりますの。」
???
フォーバスといったら、つい最近やっと復興が終わった街の名前だぞぅ!
また何か起こったのかな?
俺の?マークをうかべた顔に対して皇妃はジト目と共にため息をつきながら、
「・・・その様子ですと、全く心当たりが無いよ〜ん!という顔付きですわね・・・。相変わらずリオン王は究極の無自覚帝王なんですのね・・・。いいですか?以前リオン王が建てたフォーバスの仮設住宅が今回の騒動の発端なんですのよ!」
あ〜アノ仮設住宅かー。そういやそんな物建てたっけなー。
なんて事をのほほんと考えていたら、その間にどうやら皇妃の堪忍袋の緒が切れてしまったらしく、またしても皇妃が俺の肩を掴んできやがった!痛い痛い痛い!!!
「・・・この私がコレほど胃の痛い思いをしているというのに・・・!貴方は!のほほんと!まさしく極楽とんぼ面でのんびりしているなんて!許し難いですわよ〜!」
まずい!一先ず皇妃を落ち着けなければ!
「皇妃!おちケツ!・・・じゃなかった!落ち着け!まずはフォーバスの詳しい経緯を聞かせてくれ!ソレが分からないと話にならない!」
俺の必死の説得に、次第に皇妃も落ち着いてきたらしく、漸く掴んでいた肩を放してくれたよ・・・。
「・・・そもそも事の発端は、リオン王の建てた仮設住宅そのものだったんですの。」
そう言うと、皇妃はさらにズズズィッ!と更に顔を近付けてきおった!だから近い近い近い!!
「リオン王が建てた仮設住宅!!!アレはまさしく非常識の塊ですわ!!有り得ませんわよ!!!キッチンは薪も竈も不要の魔導コンロ!シンクは幾らでも水が出てくる魔道具付き!オマケに水汲み不要のお風呂に水洗トイレ迄完備していて、広さはなんと4LDK!!一家四人が悠々暮らせる広さなんですわよ!!最早平民の暮らしでは有り得ませんわ!?リオン王!貴方なんて物を建ててくれたんですの!!」
激しく捲し立てる皇妃。
・・・だがしかし、今現在俺は皇妃の非難に対して一切リアクションが出来ないでいる。
理由は先程より膝から崩れ落ちているからだ。
今の俺の心境は、
『やべぇやらかした_| ̄|○ il||li』
はっきり言って皇妃から指摘される迄うっかり八兵衛でござったぞぅ!
そういやアノ仮設住宅って、例の東日本大震災で国が建てた仮設住宅を参考にして俺が魔力ゴリ押しで建てまくったんだよな。
考えてみたらアレはあくまでも『平成』レベルの生活環境だった訳で・・・。
平成ならたとえ仮設住宅と言えども、電気ガス水道、シャワー付きお風呂に水洗トイレ完備は当たり前、広さも4LDK当たり前だったから、深く考えずに同等の設備をイメージして建ててしまったのよ/(-_-)\
しかしこの世界では文字通りの魔法の豪邸となってしまった訳だ。
うわぁー!どうしよう・・・。
一応(無駄だと思うけど)ささやかな抵抗を試みる。
「・・・一応お伺い致しますが、今から仮設住宅を全て撤去して、最初から何も無かったという訳には・・・?」
「出来る訳無いですわよ!!!はっきり言ってそんな事したらすぐさま暴動が起きますわよ!!!寝言は寝てから言いなさい!!!」
零コンマ2秒で即答されてしまいました(>_<)
「・・・デスヨネ〜(泣)」
「・・・それでもフォーバスの住民が全員仮設住宅に住めるなら何も問題ない話、だったんですけれども、現状仮設住宅に住む住民とそれ以外の住民達との間で、当然の事ながら深刻な軋轢が生じてしまっていますの。で!私達親子の元には仮設住宅に住んでいない住民達から毎日大量の陳情が寄せられていますの。お陰で私達親子三人!心労の余り食事も喉を通らない有様なのですわ〜♡」
・・・嘘つき・・・。
バクバクと大学イモを食べながら、ぐびぐびと紅茶を飲みながら言われても説得力無さすぎだぞぅ!
「・・・という訳でリオン王!さっさとフォーバスへ行って不足分の仮設住宅を建てなさい!あとどうせなら何か他のお茶漬けも置いて行きなさい!」
ひでぇ!厄介な問題は全て俺に丸投げしやがった!しかもさりげなく別のお茶漬けまで催促してきやがったぞぅ!
そこへ更なる追い討ちが!!
ムニュゥゥゥゥゥ♡ルイーゼからの無情なるお胸様攻撃♡
「申し訳ありません申し訳ありませんリオン様!お腹立ちはごもっともなれど!どうかこのルイーゼのお胸様に免じて御怒りをお鎮め下さい♡」
ぐぬぬ・・・ルイーゼ・・・この策士めぇ・・・。コレでは断るに断れん・・・
見れば皇妃は勝ち誇った様にドヤ顔で、
「オ〜ホッホッホ〜♡リオン王!敗れたり〜っ!ですわよ〜!リオン王がルイーゼのお胸様に滅法弱いのは先刻承知ですわよ〜!コレからもリオン王に無理難題を押し付ける時にはルイーゼのお胸様を最大限活用致しますわね〜♪」
おのれ皇妃!よりにもよってルイーゼのお胸様を盾にするとは卑怯なり〜!!!無念・・・。
抵抗虚しく俺は白旗を掲げざるを得なかった・・・クスン。
結局すぐさまフォーバスへ転移した俺は、住民達から聞き取り調査をして、魔力ゴリ押ししまくって不足分の仮設住宅を建てまくった。
・・・はっきり言ってめちゃくちゃくたびれたぞぅ!
相変わらずアノ鬼皇妃は人使いが荒い・・・。
心身共に疲労困憊した俺は、(本当は休みたいけど)時間的にもうすぐ宴なので渋々飛空艇に帰還するのであった・・・。
イヤまじでくたびれたんで、続きは次回!
リオンにとって、皇妃は鬼じゃあ!悪魔じゃあ!




