リオン、屋台で娘(?)と狐を餌付けする
やはり稲荷大明神は屋台に興味がある様です♡
ランチの後、嫁達はこぞって屋台へと戻って行った。
ミオ曰く、
「ランチ凄く美味しかったの♡でもミオまだ腹八分目なの!ミオこれから屋台のスイーツゾーンでスイーツ食べまくるの♡ゴートゥー屋台なの♡」
さて嫁達が出て行った後、タマモが俺に対して、
「リオンよ屋台とは日本の、アノ、屋台の事かの?昔江戸辺りで寿司とか夜鳴き蕎麦とかの屋台が出ていたものじゃ。リオンよそなたこの異世界で屋台を出したのかえ?」
あっそうか。考えてみればタマモは元々日本の神様だから、屋台の事を知っていても不思議じゃないよな。
タマモは自慢の九つの尻尾をブンブンと振りながら、
「妾も異世界の屋台に興味があるのじゃ。ちょうど良い。後学の為に妾も屋台へ行くぞえ。リオン、早速案内してたもれ♡」
・・・まぁいいか。
という訳で、俺達もフォーバスの屋台へと向かう事になった。
・・・なのだが・・・。
何故か後ろからトコトコとユーノが追尾してくるんだが・・・。
「ママは既に屋台というところで楽しんでる。パパもこれから屋台で楽しむ。二人だけでズルい。私も行く。ダメと言われてもついて行く。」
まぁ別にいいけどね。
タマモは、
「リオンよあの小娘は世界樹の化身であろ?あの身に纏う神気が全く同じなのじゃ。世界樹の化身であるならば、あの者を怒らせるのは得策では無いぞえ。連れて行ってやるのじゃ。」
ふむ。流石に神様は神様を知る、か。
俺には神気なんて見えないから、その辺はさっぱり分からないんだよな。
するとユーノは俺の隣に来ると、右手を出してきた。
「パパは私と手を繋ぐ。親子なら当然。」
・・・一応今のユーノの外見は俺と同年代にしか見えないんだが・・・。
これでは『親子』じゃなくて『恋人』にしか見えないぞぅ!
仕方なく(ささやかな抵抗として)普通に手を繋ごうとするも、ユーノは素早く俺の左手と恋人繋ぎをしてしまいました・・・。
「♪〜」
かくしてルンルン気分(死語)のユーノとタマモを引き連れて、意気揚々と屋台に転移するのであった。
相変わらず各種屋台の周りは賑やかだなぁ。
「ほうほう!コレはまた様々な屋台があるのじゃ。なんじゃ?見ればエルフ達も屋台を出しておるんじゃのぅ。クンクンッ。エルフ達の屋台から漂って来る匂いは・・・まさしく甘味なのじゃあ!リオンよ妾はここから別行動なのじゃ。気が済んだら社に戻る故、心配無用なのじゃ〜♡」
と言ってそそくさと屋台に消えるタマモ。
取り残された俺達だが、すぐにユーノが俺の手を引く。
「パパ。こっち。」
ユーノに引っ張られて行くと、そこは何と各種飲み物の蛇口の場所だった。
その中でユーノはトマトジュースの蛇口のところへ行く。
備え付けの木製のコップに早速トマトジュースを注ぎ込んで飲み始める。
「ゴクッゴクッゴクッ!プハァッ!美味しい。もう1杯。」
再びトマトジュースを注ぎ込んで飲み始める。
俺は勿論キンキンに冷えたビールだ。
2杯目、3杯目と飲んで漸く満足したのかユーノは、
「パパ特製のトマトジュース凄く美味しい♡トマトの酸味と甘味、塩の塩味のバランスが絶妙。流石はパパ♡いい仕事してる。」
・・・何やら何処ぞの鑑定団みたいなコメントしてるな!
因みに飲み終わったコップとか料理のお皿は、使用済み専用の箱に入れる決まりだ。中にはまたまた俺特製の食洗機(に限りなくそっくりな)洗浄・浄化の魔導具が内蔵されている。入れた傍から綺麗に洗浄されて再利用されている。
次にユーノに連れて行かれたのは唐揚げの屋台だ。
「ここからいい匂いがしてる。パパと二人で食べたい。」
そういう訳で俺達は二人で山盛りの唐揚げを食べております♡
と、徐にフォークに刺した唐揚げをユーノが・・・
「パパ。アーン。」
俺に差し出してきおった!
・・・コレは食べていいモノなのか!?
「大丈夫。パパと私は親子。親子でアーンは何も問題ない。」無表情で(大きな)胸を張るユーノ。
そこまで言われては断れない。
大人しく口に入れて咀嚼した。
モグモグ。
だがしかしこのタイミングで!
「あーーーーーーーっ!リオンちゃんが世界樹ちゃんとイチャイチャしているの!屋台デートなの!しかもリオンちゃんたら世界樹ちゃんからアーンされてるの!ミオですらまだやった事無いのに世界樹ちゃんたらも〜抜け駆けなの!酷いの!ズルいの!とんでもないの!呪ってやるなの!」
・・・何やら非常にマズイ場面を見られてしまいました・・・。
ユーノは無表情のままで、
「お姉ちゃんもアーンするといい。パパは基本来る者拒まず。なので問題ない。」
だがミオはそれよりもとあるキーワードに食い付いた!
「!?!?おっお姉ちゃん!?どういう事なの!?ミオには妹なんていないなの!」
「ミオお姉ちゃんは大地の精霊。アクアお姉ちゃんは海の精霊。そして私は世界樹の精霊。だから二人とも私にとってはお姉ちゃん。」
するとミオは納得したのか、
「な〜る!そういう事だったなの!ミオ納得したの!それなら確かにミオの妹なの!因みに世界樹ちゃんの名前はなんて言うなの?」
「ユーノ。パパが名付けてくれた。」
「ふーん、ユーノちゃんて名前なの。いい名前なの!これからよろしくなの♡」
二人して意気投合しだした・・・。
それから二人は俺を残して二人で屋台巡りに出かけて行きましたとさ・・・。
めでたしめでたし・・・。
残された俺は一人寂しく飛空艇へと帰還しました(*^^*)
リオンちゃんの哀愁日記♡




