エルフ達、稲荷大明神を信仰する
いきなり神社が出現したら驚きますよね♡
・・・自分でフラグを立てた何て言うなよ!
結論から言うと、やはり俺は昼寝出来なかった・・・。
その元凶は・・・。シルフィー達エルフだ!
シルフィーと愉快なお付達が俺のところに押しかけて来たんだ!
曰く、
「リオン神様!何故世界樹の根元にあのような立派な神殿が突如として出現したのですか!?」
言いたい事は分かる・・・。
まぁ異世界の人間(厳密にはシルフィー達は人間じゃないけど)からしたら、神社も神殿にしか見えないわな。
そこで俺は経緯を説明した。
シルフィー達は納得して、
「・・・するとリオン神様の偉大なるお力で、異世界の神様が我々の村を鎮護して下さるのですね!?ありがたい事です!すぐさま村の皆にこの事を伝えます!」
言ったシルフィーは脱兎の如く走り去って行った。
・・・俺は自分で更なるフラグを立てた事をまだ知らない・・・。
俺がそのフラグを回収したのは翌日の事だ。
例によってシルフィーの村に赴いたんだが・・・。
何故かタマモの社にエルフ達が群がっていた。
そこには九尾の狐モードのタマモが、大勢のエルフ達にまとわりつかれていた。
「お狐様〜♡」
「お狐様〜尻尾モフモフでち〜♡」
「お狐様♡我々が作ったオカラの稲荷寿司です♡どうかお納めください♡」
・・・何があった!?
とそこに背後よりの不意打ち!
ムニュゥゥゥ〜♡
またこのパターンかい!
・・・いや気持ち良いけど!
振り返ると、案の定俺の嫁にして巨乳エルフのシルフィーがいた。
シルフィーは(やはりとても大きな)胸を張って、
「御安心くださいリオン神様♡我が村の全てのエルフ達に、偉大なるお狐様の事を周知させておきました!幸い村の皆さんにもお狐様は好評の様です♡」
・・・いやまぁ確かに好意的に受け入れてくれるに越したことはないんだけどね・・・。
何やら好意的過ぎないか!?
そのうちに、エルフ達が俺に気付いた。
「あ〜♡王たま〜♡」
「王様〜♡」
「リオン神様〜♡」
まとわりつかれる俺。
タマモもまとわりついてくる。
「リオンよ感謝するのじゃ♡妾の境内にこれほどの者達が集うとは・・・!感激なのじゃ♡しかも皆がこぞってお供え物を捧げてくれる♡これほど嬉しい事があろうか!リオンよ妾は今幸せなのじゃあ!」
まぁそういう事なら、俺としても後押ししてやるか。
「みんなこの狐は紛うことなき神様だ!信仰とかお供え物をすると必ずご利益があるぞ!皆もこぞってお願いをしたりお供物を捧げるといい!」
するとエルフ達は総出で、
「リオン神様万歳!お狐様万歳♡」
「リオン神様の下僕のお狐様万歳♡」
「王たま〜万歳でち〜♡お狐さまも万歳でち〜♡」
・・・些か釈然としないが、まあ結果オーライかな。
その、『御利益』は早速発現した・・・。
「リオン神様!一大事です!」
朝からシルフィーが乱入して来たんだ!
「リオン神様!とりあえずギュッてします(*^^*)」
ギュ〜〜〜〜ッ♡
ムニュゥゥゥゥゥ〜♡
・・・今のくだり、必要か?
「まぁ細かい事はどうでもいいです!とにかく大変なんです!私達の村が、とにかく大変なんです!」
・・・まぁ大変なのはわかった。
こうしてシルフィーに促されて、俺はシルフィーの村へと向かった。
・・・これは一体どういう事だ!?
見慣れた筈のシルフィー達の村が・・・。
まさしく様変わりしていた!
村全体が神々しい雰囲気に満ち溢れていた・・・!
しかも村中の木という木から何やら甘い香りが・・・。
見ると村の全ての木から真っ赤な果実がたわわに実っていた。
エルフ達が総出でその実をもいで口に運んでいた。
みんな大喜びでした(*^^*)
「この木の実おいちいでち〜♡」
「まさしく神様の果実だぁ〜♡」
・・・エルフ達はありがたやー踊りを踊る余裕もないようだ。
「・・・タマモ。これは一体何とした事だ?」
俺の詰問は当然の事だ。
人化していたタマモはそれを聞いて思い切り胸を張って、
「なに。大した事はしておらぬぞよ。この村全体を神域にしたまでじゃ。その副産物で、神域にしか生えぬ果実がたわわに実ったようじゃのぅ。」
予想外の大事だった!!
「安心せい。瑣末な事じゃ。神域と言うても、何ほどの事もないのじゃ。せいぜいキラキラした光が綺麗じゃのーというくらいの事なのじゃ。そこの木の実にしても、食べて美味しい以外に大した影響は無いのじゃ。」
・・・そうなのか・・・。それなら良かった(*^_^*)
「・・・まぁ食べる度にこの世界で言うところの、魔力とやらが増大するのじゃがのぅ。」
・・・更なる予想外の大事だぁぁぁぁぁ!!!
どうしよう・・・。
まさかのタマモのやらかし!




