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稲荷大明神への餌付け

流石に稲荷大明神相手の餌付けはリオンちゃんも些か勝手が違うようで・・・。


さてランチなんだけど・・・。

その前に(マーフと悠里以外の)嫁達とタマモを引き合わせないとね。

そもそも嫁達がここでランチを取らずに屋台に行く可能性もある訳だしね。


・・・で、顔合わせの結果・・・。

「妾は稲荷大明神。名は玉藻の前じゃ。気安くタマモと呼んでたもれ♡因みに妾は悠里のいた地球で神様をしておったのじゃ。そこなマーフとかいう神に呼び付けられてしまったのじゃ。とにかくよろしくなのじゃ。」

「・・・・・・・・。」

「悠里さんの世界の神様なのですね。よろしくお願い致します。」

「・・・見た目は唯のキツネ・・・でも凄い威圧感・・・只者じゃない・・・神様という話も納得・・・。」

「中々に見事な毛並みですぞぅ!こちらこそよろしくお願い致す!」

「何と神々しいのでしょうか・・・!?ハイエルフである私には分かります!この御方は紛うことなき神様です!」

「全くもうなの!やらかすのはリオンちゃんだけで充分なの!マーフちゃんまでやらかしてどうするの!月に代わってお仕置きなの!」

「精霊である私には分かるのです!凄まじい神力を感じるのです!間違いなくこの御方は神様なのです!天孫降臨なのです!天の岩戸なのです!天叢雲剣なのです!」

どうやら無事に顔合わせは済んだみたいだな。

「それでみんなはどうする?何時ものように屋台巡りをするのか?」

聞くと、タマモ以外全員屋台巡りをする意向らしい。

なら、ランチは俺とタマモの二人という訳だな。

あとは・・・。

「因みにタマモは人化って出来るのか?」

タマモは胸を反らして(どうやら胸を張ってるつもりらしい)

「その程度容易い事じゃ。なるほど確かにこの風体では食事には不向きじゃな。さすれば刮目して見よ!妾の偉大なる人化の術を!」

ボワーン!

その瞬間、キツネの姿が掻き消えて・・・・

人間・・・?が現れた。だがしかし・・・。

だが俺が言葉を発する前に悠里が目をキラキラさせて、

「わぁー♡ケモミミだぁ〜♡しかもモフモフの尻尾だよぅ〜♡どちらもラノベの定番だよぅ〜♡感無量だよぅ〜♡」

そう、人化したタマモは、頭にキツネの耳、お尻からはモフモフの尻尾を生やしていたのだ。

しかも何故か着ている服が巫女服!

タマモは(まぁそこそこの)胸を張って、

「ふふ〜ん♡じゃじゃーんっ!なのじゃあ!どうじゃ?驚いて言葉もないかのぅ?帝すら誑かした超絶美少女のタマモなのじゃあ!」

わざとらしくクルクルと回りだすタマモ。

とここで!

今まで(珍しく)無言を貫いていたムーから殺気が!!

「・・・リオン!!今すぐこのクソギツネをどこか遠くに捨ててくるのじゃあぁぁぁぁ!!」

何だ!?一体何がムーの逆鱗に触れたんだ!?

「ムー?一体何がどうした?説明してくれ。」

ムーは目を三角にして、

「どうもこうもないのじゃぁぁぁぁっ!アレでは我とキャラが完全にカブるのじゃぁぁぁぁ!キャラカブりは重罪なのじゃあ!!!キツネ姿であればまだ見逃してやったものを、人化までされてはキャラ丸かぶりなのじゃあ!!我のアイデンティティに関わる死活問題なのじゃあ!よって島流しの刑なのじゃあ!」

_(┐「ε:)_ズコー!またしてもキャラカブり戦争の勃発かよ!

するとタマモは目を(まさしくキツネの様に)細めて、

「・・・何やら面白き戯れをほざくトカゲじゃのぅ。戯言も大概にせぬと早死にする事になるぞえ。」

だからタマモも無用な挑発をするなと言うのに!

ムーは(恐ろしいプレッシャーと共に)

「言うに事欠いてトカゲとはなんじゃあ!トカゲとは!もう勘弁ならぬ!勝負じゃぁぁぁぁ!」

「ふっムーとやら。そなたに格の違いを思い知らせてやるぞよ。稲荷大明神たる妾がトカゲ風情に遅れをとる事など万に一つも有り得ぬからのう♡」

・・・この時俺は飛空艇が轟沈するのをマジで覚悟した・・・



「今度こそ我の勝ちなのじゃあ!フルハウスなのじゃあ!」

「・・・相変わらず浅はかじゃのぅ。ほれ、ストレートフラッシュじゃ。またまた妾の勝ちじゃのぅ♡いい加減諦めたらどうじゃ?」

・・・勝負ってコレかよ!!!

散々危機感を煽っておいて、オチがコレかよ!!!

今更だけど_(┐「ε:)_ズコー!

そう、二人はトランプで勝負していた。

所謂『ポーカー』だ。

・・・だがこの勝負、ムーには甚だ不利だ。

何故なら、ムーはすぐに顔に出るからだ!

このゲームは、『ポーカーフェイス』の語源となった事からも分かる通り、決して表情に出してはならないんだ。

さっきから見てるとムーはいいカードがきているのがバレバレだ。

一方そんな時はタマモは冷静に勝負を降りている。

そのうちにあまりにも一方的にコテンパンにやられたムーはとうとう泣き出してしまった・・・。

「うぐっひぐっ何で一度も勝てないのじゃあ〜。これでは我は再び引きこもるしかないのじゃあ〜。」

そしてあろうことかムーは何故か俺に抱きついてきおった!

「リオン〜我をナデナデして欲しいのじゃあ〜♡傷付いた我を優しく癒して欲しいのじゃ〜♡」

まさかムーの奴、この状況を奇貨として、俺とイチャイチャするつもりか!?

・・・まぁナデナデくらい別にいいけどね。

ナデナデナデナデナデナデッヾ(・ω・`*)

ムーは猫のように気持ち良さそうにしている。

「・・・えへへー♡幸せなのじゃあ〜♡相変わらずリオンはいい匂いなのじゃ〜♡ずっとこうしていたいのじゃ〜♡」

一方俺達のイチャつきをジト目で見つめるタマモ。

「・・・ムーの奴め・・・。転んでもただでは起きない奴なのじゃ。妾はまさしく試合に勝って勝負に負けたのじゃあ。ムーの起死回生の捨て身技に足を掬われたのじゃあ!よってこの勝負、引き分けなのじゃあ!」

・・・まぁこれでとりあえずバルバロッサの破壊は回避できた♡


その後。

嫁達は屋台巡りに出発した。

俺はタマモの餌付けだ。

「タマモはやはり油揚げを使った料理が好きなのか?」

一応念の為に聞いておかないとね。

巫女服が良く似合うタマモは首を傾げながら、

「・・・確かに妾は油揚げが大好物じゃ。じゃがのぅ。地球では平成以降、油揚げをそのままお供えする不心得者が増えて難儀しておったのじゃ。幾ら大好物とはいえ、調理してない油揚げを食べろとは何と無体かと憤っていたのじゃ。なので実は今日のランチは非常に楽しみなのじゃ♡どのような油揚げ料理を賞味させてくれるか、期待しておるぞえ♡」

・・・ならば行かせて頂く!

このリオン渾身の!油揚げ尽くしじゃあ!

1品目。まずは小手調べ。

中にオカラを詰めたオカラ稲荷。

2品目は煮付け。

たっぷりと昆布と鰹節にてダシをとって、醤油、みりん、砂糖で味を整えて、薄揚げ、厚揚げ、がんもどき、高野豆腐、餅巾着に俺特製の大豆の袋巾着を入れて煮込んだ名付けて大豆尽くし!

主食はお馴染みの、具材たっぷりの五目稲荷寿司!

スープも油揚げたっぷりの豆腐尽くしの味噌汁!

さあ!お上がりよ!


・・・タマモは食べながら泣いていた。

「リオンよかような美味しき食べ物は久しぶりじゃあ・・・。人間達がまだ月代を結っておった時代ならいざ知らず、まさか今このようなご馳走を口に出来るとは・・・。信仰の失われた地球におるよりこちらの世界の方が断然過ごしやすいのじゃ。またこのオカラ入りの稲荷寿司が心憎いのじゃ♡平成以降の人間達はオカラを貧乏臭いと言って馬鹿にしておったのじゃ。とんでもない勘違いなのじゃ。オカラを油揚げに詰める。これこそ妾に対するお供え物の本来あるべき姿なのじゃ。モグモグッうむっ実に美味いのじゃ♡ハフッハフッ!この煮込みがまた絶品なのじゃ♡油揚げもさることながら、がんもどきも高野豆腐も秀逸なのじゃ♡時間が経つのも忘れるのじゃ♡パクパクッ!ふむ。この五目稲荷寿司を食べておると、かつての在りし日を思い出すのじゃ・・・。あの当時は皆が率先してお供え物を捧げてくれたモノだったんじゃがのぅ・・・。昭和から見ておるとな・・・人間達は暮らしは豊かになったかもしれんが、代わりに心は随分と貧しくなってしもうた様じゃのぅ・・・。ズズズッ・・・やはり油揚げの入った味噌汁はいい物だのぅ♡いやーありがたい事じゃ。」

・・・何だろうσ( ̄^ ̄)?嫁達と違ってあまりテンションが上がらないのに、何故かその言葉に深みがある・・・。

これが年季の違いという事なのか!?

一通り食べつくしたタマモは、

「・・・いや馳走になったのじゃ♡久しぶりに堪能したのじゃ。ついでに腹ごなしにどこかに連れて行ってくれんかのう?」

・・・まぁいいか。ならアソコがいいかな。

と、いうわけで俺達二人は転移して来た。

場所は勿論・・・世界樹だ!

タマモは、ケモミミと尻尾をピーンと立てたまま、ハニワになっていた。

数分後、漸く再起動したタマモは一気にハイテンション!

俺に詰め寄って来た!

「リオンよどういうことなのじゃあ!?アレはまさしく妾がかつていた高天原に鎮座せしむる!妾達八百万の神々を生み出した神樹によく似ておるのじゃあ!クンクンッ!信じられぬ!?匂いまでそっくりなのじゃ!」

何やらテンションが上がりまくっておりまする。

「リオンよ妾は決めたのじゃ!妾はこの神樹の根元に住むのじゃ!ここはすこぶる居心地がいいのじゃ♡リオンよすぐさまここに妾の社を建立するのじゃ!」

・・・俺の意向は無視かーい!

・・・まぁ仕方ないか・・・。仮にもモノホンの神様なんだし。

タマモの要望通り、何時もの魔力ゴリ押しで大きな社を建立しました(*^^*)

そしてタマモはいきなり建てたばかりの本殿に雑魚寝した。

「リオンよ妾は些か眠いのじゃ。夕方に腹が減ったら転移してあの空飛ぶ船に行くのじゃ。・・・むにゃむにゃ・・・久しぶりにお腹いっぱい食べれたのじゃぁ・・・。」

・・・まぁ考えてみれば、タマモも気の毒っちゃあ気の毒だよな・・・。

信仰されなくなった神様なんて惨め極まりないからね( ̄▽ ̄;)

では俺も一度飛空艇に戻って昼寝しよう♡


異世界に神社まで建立してしまったリオンちゃん♡

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