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摩訶不思議な世界樹

やはり皇妃の目は誤魔化せない

懇親会という名の食事会も無事終わり亜人達はそれぞれ帰って行った。勿論皆さん大満足だったよ♡

因みにドワーフとホビット達はちゃっかりと大量の酒をおみやとして俺からタカって行きやがった!

そして例によって嫁達はバルバロッサにて午後のお昼寝でござる。

・・・諸君の予想通り、俺はやはりお昼寝する事が出来なかった・・・。

理由はやはり皆さんお察しの通り、皇妃だ!

ぐぬぬ・・・・。またしても呼びつけられた・・・。

やむなく渋々、皇妃のいるフォーバスへと足を運んだ。

相変わらず嫣然と微笑んでおられる皇妃・・・・。

「リオン王。ごきげんよう。」

無表情なのが余計に怖い!

隣のルイーゼも何やらお怒りモードのご様子・・・!

「リオン王。何やら風の噂によれば、フォーチュンにてまさしくおとぎ話にしか出てこない、世界樹を事もあろうにリオン王が種を蒔いて育てたなどという荒唐無稽なる噂が飛び交っておりますの。それで私達は事の真偽を問いただす為にリオン王をお呼びしたのですわよ〜。」

なるほど。そういうことで呼びつけられたのか。

「・・・なら、今から行って見聞するか?」

俺の発言に、二人してハニワになった親子。

しばらくして再起動した皇妃は、

「・・・行ってやりますわよ!是非ともこの目で吟味してやりますわよ〜!!」

ルイーゼも、

「事の真偽を是非とも見聞致します!」

双方ともヤル気満々だな。

では早速二人を連れて転移〜!


・・・。

・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・。

スマン。

あまりにも長時間二人がハニワでフリーズしていたもんで・・・。

で、漸く再起動した二人は・・・。

「リオン王は非常識にも程がありますわ!!!!」

「リオン様あんなモノを育てるなんて規格外です!!!」

うーむ。なんだか理不尽な言われようだな。

「・・・そう言われてもな・・・。自分で言うのもなんだが・・・。この世界の為には必要な事だったんだ。な?マーフ?」

いつの間にか俺の隣にいるマーフ。

「その通りですぅ♡ぶっちゃけこの世界にはぁ!世界樹が必要なんですぅ!もしもそれに異議があるのならぁ!私創造神のマーフちゃんが相手しますぅ!」

・・・かくして、異論ありありの二人はぐうの音も出ない様子で見事退散した。


俺とマーフは改めて世界樹を仰ぎ見る。

「つくづく世界樹というのは不思議な存在だな。あれだけ葉が茂っているのに、日光を全く遮っていないんだからな。どうなっているのかな。」

そう、実に不思議な事に、世界樹の葉っぱは表側から見ると普通の葉っぱの様な緑色をしてるんだが、裏側、つまり下から見るとガラスの様に透き通って見えるんだ。お陰で世界樹の根元は有り得ない程日当たりが良い。

するとマーフは(とても大きな)胸を張って、

「エッヘン<( ¯﹀¯ )>よくぞ聞いてくれましたですぅ!これこそ私マーフちゃん渾身の作品なのですぅ♡つまり葉っぱの表側で光合成をしつつ、そのまま日光を透過させているんですぅ。しかもその際に有害な紫外線を全て吸収するんですぅ!すなわち、世界樹にとっては魔力バッチリ!世界樹の下に生えてる植物達にとってはお日様の恩恵もバッチリ!日光の恩恵のいいとこ取りという訳ですぅ♡どーだ!まいったかー!」

うーむ。流石は異世界・・・。いかにもご都合主義的な設定だな。

「リオンさん。私はこれからムーちゃん達と屋台へオヤツ食べに行きますぅ♡ではバイナラですぅ〜!」

と言い残してマーフは転移して行った。

なら俺は世界樹についてあの2人に補足説明する為にルイーゼ達のところへ行くとしますかね。

因みにルイーゼと皇妃には、俺謹製の転移魔法を付与した腕輪型の魔導具を渡してある。その気になれば皇帝とイチャイチャしつつ、フォーバスで陣頭指揮を取れる様にね。

まぁ皇妃は受け取るときに、

「リオン王からの婚約腕輪ですわ〜♡」

・・・などと豪快なジョークを飛ばしておりました・・・。


ルイーゼの元に到着すると、早速二人から怒涛のお小言を賜りました(*^^*)

曰く、

「リオン王!何でもかんでも創造神様を盾にしないでくださいまし!創造神様がお出ましになられては、如何なる不条理もまかり通ってしまいますわよ〜!!」

「全くですリオン様!はっきり言ってリオン様の常識はこの世界の非常識です!!大体本来なら創造神様がホイホイ降臨される事も異常なら、リオン様のところに四六時中ベッタリとくっついているなんて、極め付きの異常事態なんです!!!」

・・・う〜ん・・・。確かによくよく考えてみるとそうかもしれないな。

普段のポンコツぶりを見慣れてるから、ついついマーフが創造神だという事を忘れがちになるんだよな。

「・・・まぁそれは否定しない。だが俺が餌付けする迄は、神界で一人寂しくこの世界をただひたすらに見守っていたそうだ。本人曰く、死ぬ程退屈だったと言っていた。」

・・・その退屈凌ぎに、地球のラジオやテレビ(主にアニメ)、ラノベやマンガを見まくっていた事は黙っておこう・・・。

「あまりにも退屈すぎてしょっちゅう昼寝していたそうだ。それも人間の時間で数百年から千年もの間だ。その間に人間達が色々とやらかして、目覚めたマーフがそのやらかしに激怒して、幾度となく神罰を下したらしい。何時しかマーフは人間嫌いになった。俺と暮らす様になってからは、美味しい料理と酒があるから昼寝するなんて勿体ないと言い出したんだ。オマケに幾らか人間嫌いも緩和された様だしな。さてそこで質問だ。この世界にとって、創造神が勤勉になって人間達の事を多少は見直したという事は、歓迎すべき事態だと言えるのではないかな?」

ホイホイ降臨するから正教会だって改革されたし、大陸の人間達も『やらかす』前に自重する様になったと思うんだ。

まぁそれでもやらかす奴はやらかすけどね。

二人とも、

「ぐぬぬ・・・まさしくぐうの音も出ませんわよ・・・。でもなんだかとてもモヤモヤしますわね〜。何やらリオン王に上手く言いくるめられた気が致しますわ〜。」

「リオン様の言わんとした事は良く理解致しました。ですけども!母と私の心臓の事も少しは考慮して下さい!」

仕方ない。

ここで俺はマーフから聞いた世界樹にまつわる逸話を二人に話した。

過去に存在していた世界樹の事。

人間のやらかしによって破壊された事。

その事で人間嫌いになったマーフは世界樹を植えるのを止めた事。

俺と出会って一緒に旅をして行く内に徐々に人間嫌いが緩和された事。

最近ムーとミオ、アクアの4人で話し合った結果、満場一致で俺に世界樹の種を託す事に決定した事。

「・・・その後は、見ての通りだ。マーフ達は、世界樹を植えるのに相応しいのは、フォーチュン以外にないと判断したようだ。フォーチュンならば人間達もやらかしようがないからな。オマケに俺はあと5000年程の寿命があるから少なくともあと5000年は世界樹も安泰という訳だ。」

いつの間にか二人ともハニワになっていた。

「・・・かつての世界樹に対して過去の人間達はその様な破廉恥極まる行為をしていたんですのね・・・。それは創造神様もお怒りになる訳ですわね・・・。」

「・・・創造神様は再び世界樹に人間達がやらかさないようにリオン様に世界樹を託したのですね♡流石ですリオン様!」

どうやら二人とも納得してもらえた様だ。

するとここで皇妃が真剣な面持ちで、

「リオン王。コレは些か困った事態になりますわよ。何しろここフォーバスからでもゆうに視認出来る程巨大な木ですもの。事実昼頃から何件か問い合わせが来ておりますの。」

ルイーゼも、

「その全てが突然現れたあの巨大な木はなんだ、という問い合わせでした。」

・・・なるほど。コレは一応何らかの手を打たねばなるまい。

「了解した。それについてはこちらで手を打っておく。」

俺は早速二人の元を辞して、屋台でオヤツを食べているであろうマーフを探した。

程なくマーフを発見した俺は、先程ルイーゼ達から聞いた懸念材料をマーフに話して善後策を協議した。

・・・んだが。話を聞いたマーフは即答で、

「そんなの対処するのは簡単ですぅ。私マーフちゃんが大陸各地の教会に神託出してぇ、昨日の世界樹にまつわる逸話を伝えますぅ。これにて一件落着!ですぅ♡」

な〜る。それはナイスアイデアだ!

俺は早速マーフに神託を出す様に依頼して、とんぼがえりでルイーゼ達のところに戻り、マーフとの話し合いの結果を伝えた。

二人とも、

「・・・相変わらずリオン王は創造神様の権威を乱用していますわね・・・。呆れるくらいの力技ですわよ。しかしまぁ、効果的なのは間違いないですわね。・・・分かりましたわ。各問い合わせには、私達も神託を受けたとして、先程のリオン王からの話をそのまま伝える事に致しますわ。何しろ私達親子は、創造神様の、使徒に任命されたんですものね♡」

そんなこんなで俺は些かくたびれたんで、飛空艇に転移して、夕方まで休憩タイムだ!



世界樹が原因で大騒動になるのはまた後日!

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