リオンの屋台見聞日記 その1
漸くまったりスローライフ再開・・・・。
さてさて、皇妃が商人達に鶴の一声をあびせている頃。
俺はのんびりと屋台巡りと洒落こんでいた。
勿論屋台の売り子達には面が割れてるから魔法で変装して、何処にでも居る様な平凡な顔立ちの男。
着ている服も極一般的な麻の服に見える様に幻影魔法で偽装した。では、これより屋台ライフをエンジョイじゃあ!
・・・なんだけど・・・。
何故か俺の緻密なる完璧な計画は初手から破綻する事になった・・・。
というのも・・・。
ウロウロしだして数分後・・・。
トテトテトテ〜!という足音の後、
ボフッ♡という音と共に、
「やっぱり王たまでち〜♡」
・・・そう、シルフィーの村で何時も俺にまとわりついてくる子供のエルフだ。
「王たま〜♡ぜひわたちたちのやたいにきてほちいでち〜♡」
と言ってさっさと俺の手を取って俺を連行していく。
やがてエルフ達が出店しているエリアに到着した。
ここでも売り子のエルフ達が、
「わ〜王様だ〜♡いらっしゃいませー♡」
「リオン神様!態々お越し頂きありがとうございます♡」
「リオン神様♡是非とも食べていって下さい♡」
全員がこんな調子だ。
・・・おかしいな?今の俺は『変装』している筈。
何故エルフ達は俺だと分かったんだ!?
「・・・なんで今の俺がリオンだとバレたんだ?」
と聞くと即答で、
「王たまの良い匂いがしたでち〜♡」
「王様の匂いは一発でわかります〜♡」
「我らエルフ一同!リオン神様の匂いを嗅ぎ分けられない様なエルフは存在しません!」
・・・豪語されてしまった・・・。
エルフ達の嗅覚恐るべしだな・・・。
次からは匂いを偽装する魔法を開発しなければなるまい。
「みんな今日の俺はお忍びだ。なのであまり過剰な反応は控えてくれよ。」
一応お願いすると・・・。
「「「「「わかりました!リオン神様♡」」」」」
全員に大声で唱和されてしまった・・・。
・・・それ、却って注目を集めているんだが・・・。
まぁこれだけなら俺がフォーチュンの王とまではバレるまい。
と、ほくそ笑んでいたら・・・。
「あーーーー!!!リオンちゃんなの!抜け駆けして1人で甘い物食べに来てたの!ズルいの!コスいの!小悪党なの!」
・・・ミオ参上・・・。
どうやら『人外』の嫁達にも俺の変装は通用しないらしい。
その事を話すと、ミオは(やはり大きい)胸を張って、
「当然なの!リオンちゃんのチンケな変装なんていいとこ人間風情にしか通用しないの!ミオ達精霊やマーフちゃん、ムーちゃんなんかにはバレバレなの!あとユーリちゃん達リオンちゃんの眷属にも通用しないの!結果的にはリオンちゃんの変装はダメダメなの!」
・・・盛大に駄目出しされてしまった・・・。クスン・・・。
まぁ気を取り直してエルフ達の屋台を見ると、
俺が指導したあんまんやあんぱん、どら焼きにきんつば、落雁なんかが売られてる。隣の屋台では各種ドーナツが売られていた。
エルフ達はもれなくプーさんエルフだから、甘い物に絞って指導したんだよな。
エルフ達が(子供含めて)試作品をバクバク食べまくったのは内緒だ!
さてお昼時に差し掛かったせいか、各屋台もだいぶ混んできたな。
ミオには駄目出しされてしまったが、裏を返せばエルフ達と人外以外には俺の変装は完璧だと言う事だ!
引き続き各屋台の視察を続行致す!
次は人間達のエリアだな。
まずはハンバーグの屋台か・・・。
前世でもそうだったけど、やはりハンバーグは老若男女問わず人気だな。
今も長蛇の列が出来ている。
因みに一番人気は、ハンバーグにデミグラスソースをかけて上に目玉焼きをトッピングした料理だ。
今も親子連れが、屋台の前に設置したテーブルと椅子、所謂イートインスペースでハンバーグを美味しく食べております♡
「お母さ〜ん♡このハンバーグというのは美味しいよぉ♡」
「そうね〜♡私もこの味大好きだわ〜♡」
「お前達あまり飛ばし過ぎるなよ。まだまだ沢山の屋台があるんだからな。」
なんとなく前世の祭りやイベントを思い出すなぁ。
続いて視察したのはコレまた定番メニューの、豚の生姜焼きだ!
案の定屋台の前には行列が出来ていた。
イートインスペースにはまたしても親子連れ。
「母ちゃん!豚の生姜焼きって美味いな!俺この味大好きだ!後でお代わりしていいか?」
「他にも色々な屋台があるんだから、程々にしときなさいよ!」
うーん。眺めているだけで心が和むのぅ♡
更には屋台と言えば定番中の定番!
そう!ラーメンの屋台だ!
塩、味噌、醤油の三大ラーメンの他に、身体を酷使している職人達向けに、冷たい冷やし中華も用意した。
やはりというか、屋台は大繁盛♡
またもイートインスペースでは、
「お母さん♡このラーメンていう物とても美味しい〜♡麺もスープも最高だよぅ〜♡」
「そうね♡私は味噌ラーメンにしたけど、味噌と油が凄く良く合うわ〜♡また上に乗っかってるチャーシューというのもまた絶品よね〜♡」
うむうむ、思惑通り♡
これにて前半終了!
続きは次回!
御免!
リオンちゃんはお客さんが美味しそうに料理を食べているのを見るのが大好きなのです♡




