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やはり肩を掴まれて痛い思いをするリオン

後半ちょっとだけシリアス要素あり

嫁達は一時バルバロッサに戻って特別展望室にてランチまでお昼寝するそうだ。

因みに嫁達は今日はランチは『ノーサンキュー』だそうだ。

どうやら昼は屋台で済ませるらしい。

「屋台よすぐに戻って来るのじゃあ!それまで暫しの別れなのじゃあ!アイシャルリターンなのじゃあ!」

「屋台さん♡後でまたたっぷりと屋台巡りしますぅ♡それまでバッチリ消化して胃袋を空にしてきますぅ♡」

「私はお昼からは甘いお菓子を中心に巡ろうかと思います(*^^*)」

「・・・私の消化能力なら・・・お昼までに充分消化出来る・・・午後も全開で食べる・・・。」

「屋台共よ!午前中はこのくらいにしておいてやる!だが!!昼からはこんなものでは済まさんぞぅ!食材が足りなくなっても吠え面かくなよ!!」

止めてお願いマジで!食材用意してるの俺ですからあ〜!

これ以上俺の仕事増やさないで〜!

「私達もアリシアさんと一緒に甘い物系を回ります♡」

「悠里頑張ってお昼までに胃袋の中身を消化するよぅ!」

・・・俺の眷属になると、胃袋も強化されるのかな?・・・う〜む・・・。

「リオンちゃん!ミオとアクアは精霊だから本来食べ続ける事も可能なの!みんなに合わせたの!ミオスタンドプレーはしないの!午後は甘い物を巡るつもりなの!」

「午後も楽しみなのです♡気宇壮大なのです!無想天生なのです♡価格破壊なのです♡将来有望なのです♡」

因みに皇妃とルイーゼは、皇妃達用の建物にて只今絶賛胃袋の消化作業中です♡

2人にもランチを拒否されました♡

さて屋台への食材搬入作業も一段落したし、俺も飛空艇で休息しようかな。

と、その時!

何者かが背後から俺の肩を掴んで来た!痛い痛い痛い!

・・・振り返らなくてもイヤでも分かるけどね・・・。

その間も物凄い握力で俺の肩を締め上げてる!だから痛い痛い痛い!

(仕方なく)振り返ると、まさしく鬼の形相の皇妃が、(不気味な)笑みをうかべておりました・・・。

見るとその横でルイーゼが両手を合わせて、

『ごめんなさいごめんなさいごめんなさい』

と、口パクで謝っていた。

皇妃は底冷えする声で、

「・・・フッフッフッ!逃がしませんわよリオン王〜!貴方はルイーゼの婿、云わば私達の家族ですわよね?家族ならば苦しみを分かち合うのもまた家族の努めではありませんこと?そ・う・で・す・わ・よ・ね?」

ぐぬぬ・・・例の黒いモヤとプレッシャー!更には先程からほとばしる肩からの激痛!

皇妃は一体俺に何をさせたいんだ!?

と、そこで漸く俺の肩から手を離した皇妃は、何時もの扇をシュバッと開いて口元を隠すと、

「・・・実はリオン王に折り入って相談がありますの。」

相談!?

肩を掴んで拷問級の激痛を与えて!?

オマケに黒いモヤとプレッシャーで追い込んで!?

ソレを『相談』と称されても説得力がまるで無いぞぅ!

・・・と、内心では思ったけど決して口には出さないでおこう・・・。

俺の頭の中の生存本能が先程から特級のアラームを発し続けている!

『今の皇妃には逆らうな!』と・・・。

「・・・相談というのは他でもありませんの。リオン王にばかり物資の補給を押し付けるのも心苦しいので、帝国の商人達にも物資の供給を依頼しておりましたの。そして先程その商人達がここフォーバスに到着して、物資を搬入しましたの。・・・で、問題はその後に起きましたのよ。」

ふむふむ。

「その商人は、フォーバス中に漂う美味しそうな匂いに気が付きましたの。それで匂いを辿って行って、例の屋台を発見しましたの。その商人は腰を抜かす程驚愕したそうですわ・・・。まぁ無理もありませんわよね。あの屋台で提供される料理は、どれもこれも匂いだけでもこの世の物とも思えないんですもの。・・・ですけれども、話はソレで終わらなかったんですわ・・・。」

皇妃曰く、その商人は大慌てで同行して来た仲間の商人達の元へと赴き、事の次第を話して、全員大挙して皇妃の所に押しかけて来たらしい。

「みんな口々に、あそこで提供されている数々の料理の権利者は誰だ!?是非とも妃殿下から紹介して頂きたい!・・・とまあ、唾を飛ばしながら迫ってくるんですのよ・・・。」

皇妃によると、この世界にも簡易的ながら前世の地球の様な特許制度みたいなモノがあるらしい。

ただ無断でコピーしても罰則は無い。

しかし料理というのはレシピ無しでコピーするのは至難の業だ。

たとえ見てくれがそっくりであっても、味を似せるのは難しい。

そんな事をするくらいなら、『権利者』に手数料というか、パテント料を払ってレシピを教えて貰う方が遥かに手っ取り早く、かつ1から試行錯誤するより低コストだからだ。

「事が権利が絡む案件ですので、リオン王の耳に入れない訳にはいかなかったんですわ。・・・そこでリオン王。権利者はリオン王で宜しいですわね?」

念を押す様に聞いてくる皇妃。

だが話を聞いている内に俺にはある方策がうかんでいた。

「・・・その件なれば、私はあくまでも元、権利者として頂きたい。ルイーゼなり皇妃殿なりに、権利の全てを譲渡した、という事にして頂きたく。」

すると皇妃の顔がハニワになった♡

素早く再起動した皇妃は、

「リオン王!?毎回同じ事言う様だけど貴方正気なの!?あそこのレシピ1つとってもそのパテント料は莫大な額になるのよ!?増してアレ全てのパテント料となったら毎年帝国全土から天文学的な金額が入ってくるんですわよ!態々金のなる木を他人に譲る様なモノですわ!有り得ませんわ!」

盛大に捲し立てる皇妃。

まぁ皇妃の言い分ももっともだと俺も思うよ。

だけど俺にも、つけなきゃならないケジメって物があるんだよ!

「・・・皇妃殿。私は別にお人好しで権利を譲渡する訳ではありませんよ。先日の一件の犠牲者・・・。死者だけで600人強・・・治癒したとはいえ、負傷者、強姦の被害者多数・・・。それらを率先して実行していたばかりか、部下達にも乱暴狼藉をけしかけていた者が我が兄であった事はまさしく痛恨の極み。ですがこの事実は秘中の秘。故にフォーチュンから表立って賠償する訳にも行かず、せめてこういう形で賠償させて頂きたいのです。」

俺の長口上を聞いた皇妃は溜息を1つついて、

「・・・全くリオン王は読めませんわね・・・。時には数万人を眉1つ動かさずに虐殺するかと思えば、600人程の住民を殺した兄の行為を気に病んでる。あくまでも一般論ですけれども、兄が極悪人であってもその弟が気に病む必要なんてありませんのよ?」

俺は更に皇妃に迫る。

「それでも、です!そもそも俺には金などそれこそ腐る程ありますからな。この権利で入ってくるお金で、幾ばくか遺族や被害者に補償や見舞金等で報いて頂ければ幸いです。」

そう!アノ愚兄の所為で罪もない大勢の非戦闘員が殺された!それもほとんどが面白半分でだ!

治癒した負傷者も、やはり面白半分で両目を潰されたとか、腕や足を切り落とされたとか、酷い例では強姦された後で髪の毛を切られてほとんど坊主頭にされた女性すらいたんだ。

勿論殺された死者の遺体の状態も酷いもんだったよ・・・。

誰一人として五体満足な状態の遺体はなかった・・・。

多かれ少なかれ身体の何処かしらの部位が欠損していたし、酷い例では両手両足が無い、所謂『ダルマさん状態』の遺体もあった。

見せしめにしてもあまりにも悪辣だ。

・・・どうやら俺からかなりの『威圧』が漏れていたらしい。

ルイーゼが腰を抜かしている。

皇妃も見た目は平静だが、見れば全身から冷や汗を流している。

皇妃はハンカチで冷や汗を拭うと、

「・・・リオン王。ソレが貴方の本性ですのね・・・?・・・貴方が相手では、流石のセバスチャンでも些か分が悪い様ですわね・・・。良くて相打ち・・・いえ・・・十中八九、セバスチャンが返り討ちにあうでしょうね・・・。」

「・・・まぁ一応、創造神の代理人ですからな。ですが勘違いめさるな。私がもし私利私欲でこの力を使えば、創造神様の神罰が下ります。力があるからといって、好き放題出来る訳では無いのですよ。」

そう言って、俺は踵を返して退室する。

「それでは今言った方向で宜しくお願いいたします。」

やれやれ。こんなところで手間取ったから、もうじき昼ではないか・・・。

今日は嫁達のランチも無いし、せっかくだから変装して俺も屋台を視察するとしますか♡

R15指定しといてよかった(*^_^*)

少し残酷な描写がありましたので

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