いや俺は前世のドラマをパクっただけですからぁ!
相変わらず序盤はイチャイチャします♡
皇妃から這う這うの体で離脱した俺は、1度バルバロッサに帰還する事にした。
出迎えてくれたのは悠里だ。
「リオン様おかえりなさいですよぅ♡」
目にも留まらぬ速度で抱き締められる!ムニュウゥゥゥ♡
うむ、やはり良き匂いでござるな・・・。
そういえば悠里は何で俺がここに来るのがわかったんだ?
その事を問いただすと、
「う〜ん、なんとなくリオン様が来るのがわかったんだよぅ♡これもリオン様との愛の結晶だよぅ♡リオン様Loveだよぅ♡」
・・・これも俺の眷属になった事による特殊能力なのか!?
こうして俺達は(やはり恋人繋ぎをしながら)特別展望室に向かった。
到着すると、嫁達はポテチを摘みながら目下絶賛ガールズトーク中であった。
と、ここで俺に気づいたミオが、
「あーーーっ!リオンちゃんなの!リオンちゃんだって知りたい筈なの!迷宮入り事件の解明なの!皆んな知りたいの!」
「・・・一体何なんだ?」
するとミオは(相変わらずとても大きな)胸を張って、
「リオンちゃんに与えたMAXの加護の事なの!考えられないの!マーフちゃんてば元来超が付く程の人間嫌いなの!なのにリオンちゃんにだけ超が付く程の加護を与えているの!も〜全く有り得ないの!フォーチュンの七不思議なの!」
・・・そうなのか?今迄の素振りからは、とてもそうは見えなかったんだが。
「・・・マーフって、人間嫌いだったのか?」
マーフは1度溜息をついて、
「・・・今更否定はしないですぅ。昔古代文明の人間達がやらかしたからぁ、ずっと人間の事大嫌いでしたぁ。」
なんだろうσ( ̄^ ̄)?こう言ってはなんですが、実にマーフらしく無いんだが・・・。
「リオンさんは違和感を感じませんでしたかぁ?私がストーカー紛いにリオンさんに付きまとっていた事をぉ。あれは実はストーカーのフリしてぇ、リオンさんを監視してたんですぅ。幾ら私の瑕疵で召喚したとはいえぇ、私が無限の魔力をチートで与えた以上、万が一リオンさんが私利私欲でこの世界を大混乱に陥らせる様ならぁ、創造神の名に於いて処分するつもりでしたぁ。」
なんとそうだったのか・・・。
と、マーフは(普段のポンコツ振りを知っている俺から見ても)パァッと見惚れる程の笑顔を見せて、
「でもでもぅ♡私マーフちゃんの目に狂いはなかったですぅ♡例えばぁ♡」
と言って、マーフが話し始めたのは、とある国のとある町。
「・・・話し自体はよくある話しですぅ。ある貴族が平民の女性を孕ませたんですぅ。だけど貴族にはちゃんとした正妻がいたんですぅ。正妻に睨まれる事を恐れた貴族はぁ、その平民の娘を追放したんですぅ。10年後、正妻が亡くなってぇ、貴族はその子を返せと行方を突き止めて迫ったんですぅ。でもぅ、平民の母親はそれを拒否しましたぁ。だから貴族は正式に訴訟を起こしたんですぅ。この世界では裁判は教会で行われますぅ。噂を聞き付けたリオンさんは本物の司祭さんを眠らせて幻影魔法で司祭さんに成りすまして裁判に臨んだですぅ。」
そう。司祭のフリして裁判を始めた俺は、ある裁定を下した。
「そこでリオンさんはぁ、子供の両手をそれぞれ引っ張り合え!勝った方が親として認める、と宣言したんですぅ。で引っ張り合っていると、直に平民の母親は手を離して顔を俯かせたんですぅ。貴族は勝った勝ったと大喜びでしたぁ。」
そこで司祭(に化けた)俺が、
『この騙りものめ!先程よりその子は、痛い痛いと泣き叫んでいたではないか!子供が泣き叫んでおれば、咄嗟に手を離すのが真の親ぞ!その方は欲に目が眩み、子供がどんなに泣き叫んでも手を離そうとはしなかった!その方に親である資格は無い!』
・・・いや済まん。・・・コレは前世で大好きだった某名奉行の定番ネタなのよ・・・。
いや1度はやりたかったもんでつい・・・。やっちゃいました♡
「・・・あの裁定を見た瞬間、涙が止まらなかったですぅ♡未だに王とか貴族は大嫌いですけどぅ、大多数の人間達は悪い人達じゃなかったんですぅ。私マーフちゃんはあの時ハートが震えたんですぅ♡」
「うむ、やはり我のマブダチなのじゃ!弱きを助け強きを挫く、まさしく正義の味方なのじゃぁぁぁぁ!」
「リオン様かっこいいです♡」
「・・・リオン様素敵♡・・・惚れ直した♡・・・。」
「ぬおおお!リオン様私は今猛烈に感動しておりますぞぅ♡」
「リオン神様〜♡♡このシルフィー!感動しました(*^^*)」
「うわ〜ん!良い話だよぅ!孤児だった私には気持ち良く解るよぅ♡」
「・・・納得なの!だからマーフちゃんは人間嫌いが治ったの。リオンちゃん凄いの。」
「今の話は良い話なのです!まさしく勧善懲悪なのです♡正義は勝つなのです♡悪は滅びるなのです♡」
世の中何が幸いするかわからん




