口は災いの元
ぐぬぬ・・・あの時宴を豪華にするなんて言わなければ!
さて(陳腐ながら)宴だ!
なんだが・・・。
「うったげ〜なの〜♪うったげ〜なの〜♪ご〜かなご〜かなうったげ〜なの〜♪ミオはは〜やくたべたいの〜♪」
だから空のお皿にナイフとフォークでチンチンと叩いて催促するんじゃない!行儀悪いぞ!
と、思ったらなんと他の嫁達も全員乗っかってきおった!
「リオンさ〜ん♪リオンさ〜ん♪今日はマーフちゃんも創造神モードで仕事してくたびれたんですぅ♪早く豪華な宴を始めるんですぅ♪」
「リオンよ今日は何が食べられるのじゃ?待ち遠しいのう♡ワクワク♡」
「リオン様私の辛い気持ちを忘れる為には豪華な宴が不可欠です!早く始めてください。」
「・・・豪華な宴・・・楽しみ♡・・・早く始めて・・・お腹空いた・・・。」
「リオン様大変です!なんとお腹の子供が死んでしまいました!生き返らせる為には豪華な宴が必要ですぞぅ♡早く開始願いまする!一刻を争いますぞぅ!」
「リオン神様の豪華な宴・・・♡凄く楽しみです〜♡」
「リオン様悠里今からヨダレが止まらないよぅ♡」
「私ももう限界なのです!お腹と背中がくっついてしまったのです!早く始めて欲しいのです!」
うーん。予め豪華と予告したのは失敗だったかな・・・。
まぁ致し方ない。覚悟を決めて始めるかな。
パンパカパーン!
なんと今日の宴は、The!豪華ver.じゃあ!
まずは1品目。
じっくりとダシをとったスープに、銀杏、カマボコ、うずらの卵、細かく刻んだトマトを投入。塩、醤油、みりん、砂糖で味付けして、仕上げにゼラチンを投入して、予め用意しておいた2つに切ったメロンの果肉を取り出した残りの皮に具と共に注ぎ込む。
それを冷蔵魔導具に入れて冷やして固める。
名付けて、冷製固形スープだ。
2品目はアワビのステーキだ。
バターでこんがりと焼いて、仕上げにガーリックソースをかけて、とどめに最高級のキャビアを適量アワビの上に添えれば完成。
メインはズバリ!(▭-▭)✧
フカヒレである!
今回は定番の姿煮。戻したフカヒレを特製のとろみを付けたスープで煮含めた逸品だ。
そしてスープは嫁達の好物、松尾純米大吟醸の酒粕を使った粕汁だ。身体が温まるぞぅ♡
さらにデザートとして例のホールケーキが再びの御降臨じゃあ!
前菜で取り出したメロンの果肉を始め、様々なフルーツをふんだんに使用した自慢のデザートだ。
ではでは、ゴージャスな宴、いざ開始〜♡
「リオン♡フカヒレ美味いのじゃぁぁぁぁ♡このような美味き料理がこの世にあったとは知らなかったのじゃあ!松尾純米大吟醸お代わりなのじゃあ!」
「リオンさん♡アワビのステーキ美味しいですぅ♡濃厚な旨味と芳醇なソースが堪りません♡しかも上に散らしてある魚の卵がまたいいアクセントですぅ♡松尾純米大吟醸お代わりですぅ♡」
「リオン様傷心の私を気遣ってこのような素晴らしい料理をありがとうございます。固形スープ美味しいです♡メロンの甘味、ゼリーの塩味、トマトの酸味が渾然となってまさに美味しさの三重奏です♡松尾純米大吟醸お代わりです♡」
「リオン様の看板に偽りなし・・・アワビのステーキ美味しい♡・・・流石有言実行♡・・・お代わり・・・粕汁もまた捨てがたい♡・・・お代わり・・・松尾純米大吟醸お代わり・・・。」
「リオン様お喜びくだされぃ♡お腹の子供が無事生き返りましたぞぅ♡えーい!子供の蘇生祝いだぁー!アワビのステーキにフカヒレに松尾純米大吟醸どんどん持って参れ〜!!」
・・・頼むから自分のお腹の子供をそうホイホイ殺したり生き返らせたりしないでくれ・・・。一応俺の子供でもあるんだぞぅ!
「リオン神様♡予告通り本当に豪華な宴です♡私とお付達に固形スープとアワビのステーキとフカヒレと粕汁と松尾純米大吟醸お代わりです♡」
「・・・これは本当に現実なのかな?悠里あのボロアパートで空腹の余り夢を見ているんじゃないよね!?地球でテレビや雑誌に載ってる様な超!高級料理ばかりだよぅ♡ムグムグッうわぁー、スープかと思ったらゼリーだったよぅ♡器がメロンの皮だなんて凄くオシャレだよぅ♡アワビのステーキ本当に美味しいよぅ!フカヒレなんて食べられる日が来るなんて想像すらしていなかったよぅ♡ふえぇぇぇん!松尾純米大吟醸お代わりですよぅ♡」
「リオンちゃんは流石に有言実行なの♡ミオ大満足なの♡アワビのステーキなんて始めて食べたの!フカヒレは至高の味なの♡これでミオのモチベーションは限界まで高まったの!この後の仕事バリバリやるなの!ルフラン王国に目に物見せてやるなの!松尾純米大吟醸お代わりなの♡」
「こっこれは私アクアの大ピンチなのです!全て美味しいのです!固形スープはもう味の三位一体なのです♡アワビのステーキはもはや奇襲攻撃なのです!アクア白旗を掲げるしかないのです♡フカヒレに至ってはまさに七転八倒なのです♡粕汁なんても〜呉越同舟なのです♡アクア覚悟を決めたのです!松尾純米大吟醸どんどんお代わりなのです!」
・・・やれやれ・・・。なんとか高級食材で誤魔化せたか・・・。
辛うじて豪華な宴ミッションコンプリートなり(⑉• •⑉)
・・・因みにミオは宣言通り、ルフラン全土の植物全てを枯らして来ましたとさ。
めでたしめでたし。
さて夜も深けたし、予めルイーゼに指示した通りルイーゼ親子は3人共バルバロッサの食堂に集結している頃合だな。
いや流石に皇帝はともかく、アノ!皇妃に豪華な料理を食べさせなかったら、また例によってあの黒いモヤを纏ってここに突撃してくるのは目に見えてるからね( ̄▽ ̄;)
だから予めルイーゼに指示して、夜も深ける時間帯に、(こっそりと)バルバロッサの食堂に集結する様にして貰ったんだ。
「リオン王よ今回はエリザベートとルイーゼに配慮してもらって誠に忝ない。」
「・・・いやお気遣いなく。正直私も自分の命は惜しいですから。」
「あらあらリオン王♡私はそこまでデストロイではありませんわよ〜♡あまりにも酷いルイーゼの食い意地が張っているものですから〜!仕方なく私が付き添いとして付いてきただけですわよ〜♡」
・・・これ程白々しい口上も珍しい・・・。
「はっ母上あんまりです!先程はあれほどウキウキルンルンしていたじゃないですか〜!それに私は食い意地なんて張ってません!」
すると皇妃はまたしても例の黒いモヤを身に纏い、ズゴゴゴゴォォォォ〜!!!という擬音と共に、恐るべきプレッシャーを周囲に撒き散らした!!
「あら〜?あらあら〜?するとルイーゼは、この!私が?まさか食い意地が張っているとでも言いたいのかしら〜?この貞淑にして少食の!この!わ・た・く・しっがぁ?どうなのルイーゼ!ハッキリと答えなさい!!!」
アカン・・・。これは一般人には到底レジストするのは不可能やぁー。
案の定ルイーゼは腰を抜かして、
「はっはひっ!どっどうやらわらひの勘違いでぃやったやうでしゅ!やっやはりわらひが食い意地張ってまひゅた!」
・・・気の毒に・・・。あれほどのプレッシャーをレジスト出来るのはアムロ・レイくらいしかいないぞぅ!
俺?俺はほら、例の結界魔法を常に展開しているから腰を抜かす事はないんだけど・・・。
だけどプレッシャーに当てられるのと、怖いのは別問題だからな!
正直むちゃくちゃ怖いですハイ!
そんなこんなでなんとか皇妃を宥めて、無事皇帝一家に豪華な宴を楽しんで頂けました♡
続きは次回じゃあ!
やはり皇妃は大陸最凶なのです♡




