ミオ激おこ!リオン宥める
苦労人リオン♡
さてお通夜の如きランチの後。
いつもの様に嫁達はお昼寝・・・したんだが・・・。
1人ミオだけ俺のところに怒鳴り込んで来ておりますm(*_ _)m
「リオンちゃん!もう我慢出来ないの!人非人なの!も〜全く有り得ないの!」
・・・いつもと全く変わらずに主語が抜けてるブレないミオ・・・。
「・・・で?今度は何だ?」
するとミオは更にいきり立って、
「どうもこうもないの!ルフラン王国は許し難いの!あんないい子のアリシアちゃんをあんなに泣かせるなんてギルティどころの騒ぎじゃないの!もう絶対に報復なの!天誅なの!ギタギタにしてやるなの!天罰を下してやるなの!」
うーん。なるほど。さっきの事をまだ根に持ってるんだな。
正直俺も腹に据えかねるんだけど、あくまでも憎むべきはルフランの宰相一派であって、そこに暮らす民草達には何の罪咎は無いんだよ。
その事をやんわりと諭すと、
「このミオを見くびらないで貰いたいの!流石にミオもそこまで頭に血が昇って無いの!だから大地の精霊に相応しいやり方で行くの!」
と言ってミオはプランの説明を始めた。
それによると、今晩ミオが転移でルフラン王国上空に転移して、ルフラン全土から大地の力を根こそぎ奪い取って、1晩でルフラン全土の植物を枯れさせるというものだった。
「これならルフランの人間を1人も傷付けずに済むの!まさしくプロジェクトAなの!」
・・・まるで前世の香港映画のタイトルみたいだな・・・。
だがそうなると、ルフラン王国で飢饉が発生する公算が高いな・・・。
「ミオ。ソレを実行した場合ルフラン王国にて酷い飢饉が発生するぞ。それにはどう対処するつもりだ?」
するとミオは(やはりとても大きな)胸を張って、
「其れはそれこそリオンちゃんの仕事なの!ミオは精霊だから面倒な事はぜ〜んぶリオンちゃんに丸投げするの♡だからリオンちゃん♡後始末をよろしくなの♡」
_(┐「ε:)_ズコー!あとのことは全部丸投げかーい!
清々しい迄の無責任ぶりだなオイ!
・・・だがまぁ悪いプランでは無いな・・・。
後始末でルフランの民達を飢えさせなければまさしく上策と言えるだろう。
ふむ、決行は今夜ならば、今のうちにルイーゼ親子に根回しをしておくとするか。
「ミオ。俺は今夜決行するプランの後始末の為にあちこち根回しをしてくる。ミオのモチベーションを高める為に今晩は豪華な宴だぞ♡」
するとミオは俺に(巨大な)胸を押し付けてきた!ムニュウゥゥゥッ!
「それでこそリオンちゃんなの♡ミオ今晩は気合い入れて頑張るの♡よほほほーよーホホーホーッ!なの♡」
うーむ。相変わらずミオも現金精霊でござるな♡
さてならば善は急げである!
早速転移してまずは皇妃とルイーゼの元へ。
目立たないようにフォーバスの近くに転移したから、フォーバスの出入口で誰何されてしまった( ̄▽ ̄;)
「このフォーバスは現在、復興作業の為に許可なき者の出入りは認めていない。すまないが許可証を提示して頂きたい。」
「私は皇女ルイーゼの婚約者だ。ルイーゼか皇妃殿に取り次いで頂きたい。」
それを聞いた衛兵は態度を一変させて、
「すっすぐに確認して参ります!」
と、こけつまろびつ転がるように中に入って行った。
数分後・・・。
「リオン様!?どうして私共のところに直接転移して来なかったのですか!?」
ルイーゼだった。
「・・・あまり目立ちたくなかったんだ。この復興事業の主役は皇妃であり、ルイーゼであるべきだからな。今回俺は裏方だよ。」
するとルイーゼは何故か『ボンッ!』と顔を真っ赤にしながら、
「もっもうぅぅぅぅ♡そっそういうところですよぅ♡相変わらずリオン様ったら不意打ちが得意ですぅ♡私をそこまで立てるならぁ、ベッドの上でリオン様のアソコを起てて・・・ゲフンゲフンッ!・・・いや衛兵殿。この御方は確かに私の婚約者だ。役目ご苦労である!」
・・・まるで取り繕えていない気がするのは俺だけか?
あとルイーゼ!あまり公衆の面前で卑猥な発言をするな!
さておき、俺はルイーゼの案内で無事皇妃達の天幕に辿り着いた。
「あらあら〜♡もしかして私とルイーゼに陣中見舞いですかしら〜♡私は出来ればブランデーにして欲しいですことよ〜♡」
・・・はあっ・・・。皇妃は相変わらずのテンションである意味安心したよ。
「・・・皇妃。実は由々しき事態が起きた。かくかくしかじか。」
これまでの経緯を説明した。
その上で、ミオの計画を話して、その後の後始末の事を相談すると、皇妃の顔が支配者の顔に変わった!
「・・・凡そ概要は理解致しましたわよリオン王。相変わらずあざとい君主ですわね。少しはルイーゼにも爪の垢を煎じて飲んで貰いたいものですわ・・・。つまり支援物資はリオン王が出すから、表向きはダンバス帝国が飢饉になったルフラン王国に金と物資を支援しろと、そういう事ですわね?」
「・・・まぁそういう事です皇妃殿。流石に交戦状態である我がフォーチュンが表立って支援する訳にもいきますまい。何卒宜しくお願いいたします。」
聞いた皇妃は興奮しながら、
「イイッ!リオン王!貴方本当にイイですわ〜♡まさしく支配者とはなんなのか理解しまくっておりますわね〜♡本当にルイーゼにはもったいないですわ〜♡私が代わりに結婚してしまおうかしら?」
瞬間!ルイーゼが俺に抱き着いて来た!ムニュウゥゥゥッ!
「イヤですぅぅぅぅぅ!母上に渡すぐらいなら〜!私は母上を殺して私も死にますぅぅぅぅ!」
・・・むむむむむっやはりルイーゼのお胸様はえ〜感じや〜♡
「オホホホホ〜ッ!冗談ですわよルイーゼ!私には愛するノワールがおりますもの♡せいぜいリオン王に嫌われない夜に床奉仕するんですわよ〜♡」
またしてもルイーゼは『ボンッ!』と顔を真っ赤にしながら、
「もっもう〜〜〜〜〜!母上は意地悪です〜〜〜!」
と激しくクネクネしておりました♡
・・・という訳で、皇妃から署名入りの紹介状を書いてもらって再び帝国へと転移した。
目印のルイーゼの部屋から皇帝の執務室へは、流石に皇妃の署名入りの紹介状がものを言って、問答無用で皇帝の元に通してもらえた。
執務室で(相変わらずやつれてる)皇帝に皇妃の紹介状を渡す。
一読した皇帝は、
「・・・相変わらずリオン王は規格外だな・・・。いや今回はミオ様の発案だから一概にそうとも言えぬか・・・。ともかく了解した。すぐさま馬車を手配しよう。運ぶ物資は・・・・」
とここで、俺は皇帝を遮って新たなマジックバッグを渡す。
「・・・それについてはこのマジックバッグに全て収納してあります。このマジックバッグは今回の帝国のお骨折りに対する我らフォーチュンからの謝礼として是非ともお納めください。そうそう、中身はこの目録に記されております。どうか後でお改めください。」
渡すと、それまでまさしく沈着冷静であった皇帝が、ステーンッ!とひっくり返った!
「なぁっ!!まっまたしても国宝級のマジックバッグ!?・・・いや・・・もう何も言うまい・・・。かくなる上は私ノワールも創造神様の意志の元!計画を遂行するのみ!然らば早速支援を準備仕る!」
ならここいらでとどめと行こうかな。
『マーフ。そろそろ例の演出を頼む。』
念話でマーフに指示を出す。
『アイアイサーですぅ♡ちゃんと女神モードでしっかりやるですぅ♡』
と!(打ち合わせ通りに)徐に女神モードのマーフがこの場に降臨した!
「・・・よくぞ覚悟してくれました・・・。私創造神マーフは、心より貴方達親子に対して感謝いたします。」
・・・因みにコレは、遠く離れたフォーバスでも同じく皇妃とルイーゼの前でマーフが降臨しているのだ。これも皇帝親子の権威を高める為の布石なのだ。
とはいえ、いきなり現れた創造神に慌てて平伏した皇帝に、(フォーバスでは平伏した皇妃とルイーゼに)
「・・・今回ルフラン王国は大地の精霊ミオを完全に怒らせました。ルフラン王国はその報いを受けねばなりません。ですがそれでも貴方達親子は、そこに住まう罪なき民達を慈しみ、無償で支援物資を支援しようと尽力しました。その大いなる慈悲の心に私創造神マーフは感銘を受けました。よって貴方達親子3人を、創造神の使徒と致します!これからも、この世界の為に尽くしなさい。」
と、そこまで(偉そうに)神託を告げると、(打ち合わせ通りに)創造神マーフは天に昇って帰って行った。
直後、
「リオン王よ酷いぞぅ!あんなサプライズはあんまりだ!正直心臓が止まるかと思ったぞ!」
・・・まぁ仕掛け人の俺もそう思わないでも無い・・・。
「いや許されよ。ノワール殿。今回大地の精霊ミオはそれだけ激怒したという事だ。私も創造神も宥めるのに苦心した故にここまで大事になってしまった訳だ。ああそうそう、ノワール殿達3人は加護の受けているから決して心臓は止まらないらしいぞ。それと使徒というのはあくまでも称号だ。だが他ならぬ創造神様が自ら降臨してその称号を与えた、という事実が重要ではありませんかな?これで貴女方3人は創造神様に選ばれし使徒!それは諸外国とて無視出来ますまい。ダンバス帝国にとっては何よりの後ろ盾となりましょう。」
まさしくぐうの音も出ない皇帝・・・。
よし!
これで(一応)後始末はコンプリートできたな!
・・・後は宴かぁ・・・。
ミオにも豪華にいくと約束したし、マーフにも借りを作ったからなー。
やはりそれなりに豪華にしなければダメか・・・。
えーい!こうなったら次回まで先送りじゃあ!
すまぬが宴は次回じゃ♡




