策略家の皇妃
早く砲艦外交したいのに〜!
ではいよいよバルバロッサ発進じゃあ!
・・・何だが・・・。
例によって皇妃から『お願い』をされてしまった・・・。
曰く、
『現在ここフォーバスは復興作業の真っ最中ですのよ〜!まさしく資金や物資は幾らあっても足りませんのよ〜!た・だ・し!物資の輸送手段が馬車のみの為、現在輸送が滞っておりますの。勿論ルイーゼのマジックバッグを使えば何の問題も無いのですけども、そうなるとマジックバッグの存在が明るみに出てしまいますのよ。ならばリオン王の摩訶不思議な巨大飛空艇で一気に大量の物資をこれ見よがしに輸送して頂ければ!まさしく一石二鳥という訳ですわ〜♡是非とも宜しくお願いしますわね♡』
・・・ぐぬぬ・・・またしてもの無茶振り・・・だがしかし、皇妃の言い分があまりにも正論すぎて、反論出来ぬ・・・。
そもそも俺自身が皇帝とルイーゼにマジックバッグを与えたからなー。
仕方なく飛空艇は一路フォーバスの町へ。
到着したら、ちょっとどころでは無い程の騒ぎになった。
まぁそりゃそうだよね。
いきなり天を覆い尽くす程の巨大な飛行物体が自分たちの町へ飛来した訳だからな。そりゃパニックにもなるよね。
そこでルイーゼと皇妃が、
「皆の者落ち着きなさい!アレなるは、我が帝国の頼もしき同盟国!フォーチュン王国保有の巨大飛空艇です!今回伴侶である娘ルイーゼから願い出て、態々このフォーバスの為に支援物資を届けに来てくださったのです!恐れる必要はありません!アレは紛うことなき味方なのです!」
盛大な演説をやらかした!
町の住民達は拍手喝采!
「すげーぞ!あんな巨大な空飛ぶ船見た事ねぇぞぅ!」
「いやそれよりもすげーのはあんな空飛ぶ船を呼び付けるルイーゼ様だろうがよ〜!」
「なんでもルイーゼ様の旦那様だってよぅ!?どんなヤローなのかな〜?」
・・・ぐぬぬ・・・。こんな事ならパーソナルカラーを赤にするんじゃ無かった・・・!目立ちまくりだよこれじゃあ(*^^*) めちゃくちゃ恥ずかしい・・・!
えーい!旅の恥は掻き捨てじゃあ!
さっさと支援物資を陸揚げ致す!
因みに陸揚げ作業は、バルバロッサのゴーレム(にはとても見えない一見したところ美少女メイド)に任せている。
まぁ傍から見たら、美少女メイドが前世のコンテナくらいの木箱を片手で持ち上げて運んでる訳だから皆さんびっくり仰天状態ですはい♡
陸揚げの間に俺は皇妃とルイーゼとの間で打ち合わせをする。
「リオン王重ね重ねありがとうございますわね♡お陰で政治的効果は抜群ですわよ〜♡」
「・・・前代未聞の空飛ぶ船・・・。そして其れを何時でも呼び付ける事が出来る帝国・・・。確かに抑止力としては比類無いですな・・・フッフッフッ・・・!」
「・・・リオン王は相変わらず察しが良すぎますわね♡ルイーゼの婿殿でなければ、始末していたかもしれませんわね♡」
だから怖い怖い怖い!!
「・・・勿論冗談ですわよ〜♡オホホホホ〜!」
・・・聞こえない!!!絶対に冗談には聞こえない!
「・・・さて冗談はさておき、いよいよ本題に入りますわよ。リオン王にはこの後、帝都ダンバスに行って頂きたいんですの。そしてこの飛空艇を皇城に横付けして夫ノワールと共に飛空艇の上から手を振って頂きたいんですの。」
・・・相変わらず恐ろしい程の策略家だ!オーベルシュタインですら裸足で逃げ出すな全く。
「・・・ここで示した政治的行為を帝都で決定的に為さるおつもりですな・・・。皇妃殿もまた相変わらず抜け目がない・・・。正直ルイーゼの姑殿でなくば、バハムートの業火で焼き尽くしていたところですな・・・フッフッフッ・・・。」
「フッフッフッ・・・。」
「勿論こちらも冗談ですよ♡」
「勿論こちらも冗談ですわよ〜♡」
・・・お互い目に見えないところで、激しい鍔迫り合いが繰り広げられている!
だがしかし!俺は無益な抵抗をするつもりは無い。
「・・・承知しました・・・・ココは皇妃の策に乗ると致しましょう。指示通りに致します。」
ここで漸く皇妃も肩の力を抜いて、
「・・・リオン王。正直無理を言っているのは承知しておりますの。ですけれども、先程申し上げた通り私達はもう余力が無いのですわ・・・。ぶっちゃけ私達はリオン王の力を利用する以外に選択の余地が無いのですわ・・・。だから代わりにルイーゼの事を好きにしていいんですのよ〜♡ローソク垂らしても、縄で縛っても、○○○しても×××しても構いませんわよ〜♡」
皇妃のサラッとした爆弾発言!!
見ればルイーゼはクネクネを通り越して羞恥心で微動だにできない・・・。
致し方ない。
俺は皇妃の思惑通り行動する事にした。
だがしかし!今は正月故に!
続く♡
正月は何かと忙しい><




