久しぶりに会ったのはバカ兄貴
う〜む・・・やはりシリアスは難しい(*’ー’)
さて意気揚々と出陣した俺達は、(一応)ルイーゼと事前の打ち合わせをした。
「・・・ルイーゼは騎士と兵士達を引き連れて、馬車で港まで来て欲しい。港の近くまで俺が馬車を転移させる。凡そ1000人程引き連れて来て欲しい。」
ルイーゼは(普段のクネクネ振りは何処へやら)まさしく姫将軍の威厳を持って、
「畏まりましたリオン様。因みに港に到着後は如何したら宜しいでしょうか?」
「・・・一応港に到着次第、相手方と交渉を試みて欲しい。ルイーゼの皇女としての立場を最大限活用するのだ。交渉の成否は問わない。此方は人質達の身代金を支払うから撤退して欲しいと言ってやれ。受け入れるならそれで良し。受け入れなければ出来うる限り時間を稼いでくれれば御の字だ。」
「・・・分かりました。リオン様の指示通りに行動致します!」
早速俺は、(敢えて旧式の)馬車をアイテムボックスから大量に出して、ルイーゼ以下騎士と兵士達に乗り込ませた。
勿論馬は皇妃に掛け合って必要量を確保しておいたよ。
コレで一応フォーチュンは帝国に対して借りを作った事になった訳だからね(*^^*)
他の嫁達とも打ち合わせが完了して、いよいよ作戦開始じゃあ!
俺は千里眼の魔法でルイーゼ達の進捗を見守る。
「ソコの馬車共!止まれ〜〜い!止まらなければ攻撃するぞ!」
港の出入口にて、お約束の誰何を受ける馬車。
対するルイーゼは、予め用意しておいた言葉を発する。
「私はダンバス帝国皇帝、ノワール・ダンバスが娘、ルイーゼ・ダンバスである!皇帝ノワールの命を受け、そちらの指揮官との交渉をする為に馳せ参じた次第!何卒指揮官にお取次ぎ願いたい!」
慇懃無礼だった兵士達だが、ルイーゼの肩書きを聞いて慌てて港の中に1人走って行った。
ここ迄は事前の計画通りだな。
数分後、やたら偉そうな男が1人、出入口に姿を現した。
その男を見た瞬間、俺は愕然とした!
男は偉そうな態度で、
「・・・お前が帝国の皇女かぁ?残念だがお前らは交渉なんざ出来る立場じゃねえんだよ!お前らは俺らにに大人しくこの港と入江を割譲すりゃ良いんだよ!四の五の言ってんじゃねえぞコラァ!!」
流石にルイーゼもカチンッときたのか、
「貴公、自分の名も名乗らずに随分と囀るではないか。まずは名を名乗るのが礼儀であろう。名を名乗れぃ!」
・・・いやルイーゼよ・・・。俺はソイツの名前を良く知っている・・・。
何故ならば・・・。
「ハンッ!小娘がイキがるなよっ!ならば聞いて驚けっ!俺様はトリマ王国が誇る!新進気鋭の有望株の!アルド様だぁ!」
・・・やはりヤツだったか・・・。
いや解説すると、アイツは恥ずかしながら俺の兄なのよね・・・。
3年前に村から離脱する時に、散々難癖つけてきたアノ男だ!
まさかこんなところで再会するなんて・・・。
ルイーゼは尚も打ち合わせ通りに、
「・・・此方はそちらが確保している人質に対して身代金を支払う用意がある。その代わりに、そちらは入江から撤退して頂きたい。どうかこの条件で双方手打ちとして貰いたい。」
するとアルドは(まさしく悪役の鑑の様な)ニヤリと笑って、
「ぶわ〜〜〜か!!んな条件飲める訳ねえだろうがよ〜〜〜!!!俺らの目的はぁ!この入江そのものだっつ〜の!人質殺されたくなかったら、さっさと入江を明け渡せよあぁんっ!!?」
・・・もう見て居られない。
俺はルイーゼの元に転移して、
「もういい。アルド。貴様も落ちるとこまで堕ちたな。」
いきなり現れた俺に、吃驚仰天のアルド。
「な!!?何だお前は!?何者だぁ!?」
「・・・アルド・・・。欲に目が眩んで、余の顔も見忘れたか!俺は天下の風来坊、徳田新之助だ!(嘘)」
唖然と俺の顔を凝視していたアルドは、ハッ!と我に帰り、
「・・・・・なぁっ!!??きっ貴様まさかリオン!!??」
「アルド。今までのお前の所業、天地共に許し難い!お前に恥があるのなら、潔く腹を切れい!」
そう、アルド達陸戦隊はまさしく悪逆非道の限りを尽くしていたんだよ!
殺し!犯し!奪う!の三拍子をしまくっていたのはヒルダ諜報部長のスパイメカからの報告で把握していた。
幾ら兄弟と言えども、もう容赦出来ない!
「・・・クククッ、バカめ!コレで勝ったつもりか!愚か者めがぁ!!」
一体バカ兄貴の秘策とは!?
またしても続く!
書きにくいから筆の進みが遅い・・・。




