ブランデー入りの紅茶なのか!?はたまた紅茶入りのブランデーなのか!?はたまた・・・。
果たして帝国存亡の危機とは!?
さてまだ宴には時間があるな。
久しぶりにのんびりしようと思っていた時期が俺にもありました・・・。
例によってルイーゼの通信魔導具からのエマージェンシーコールだ。
俺はてっきり皇妃の意を受けてルイーゼが通信してきたとばかり思って通信を受けたんだが、聞こえてきたのはシブいバリトンの男性の声であった。
「・・・リオン王でございますね?私は皇妃エリザベート様専属執事のセバスチャンにございます。急なご連絡誠に恐悦至極に存じます。実は一大異変が勃発致しまして、まさしく帝国存亡の危機なのでございます!何卒早急に帝国迄御足労頂きたく曲げてお願い申し上げます!」
・・・どうやら詳細は不明ながら、事は一刻を争うようだ。
ならばと早速転移門にてルイーゼの部屋へとGo!
部屋では完璧執事のセバスチャンが今や遅しと俺を待ち構えておられました。
「お待ち申しておりました。リオン王。」
この完璧執事のセバスチャンが取り乱すくらいだからな。事態は相当切迫していると見るべきだろう。
「一体何があった?帝国存亡の危機とはどういう事だ!?皇妃とルイーゼに何かあったのか!?」
矢継ぎ早に詰問する。
セバスチャンは平身低頭しつつ、
「・・・午後に予定しておりました妃殿下主催のお茶会ですが、リオン王の献上されたチョコレートなる甘美なお茶請けのお陰もあり、大変好評でございました。妃殿下も例の真珠のネックレスを自慢しまくって、まずは妃殿下の思惑通りに事が進みましてございます。」
ん?セバスチャンの話を聞いていると、何も問題は無い様に聞こえるんだが・・・。
「・・・それの何処が帝国存亡の危機なんだ?何の問題も無いだろうが。」
気の抜けた様子の俺にセバスチャンは、
「いえいえ・・・。悲劇はその後に起こったのでございます・・・。お茶会が首尾よく終わった事で、妃殿下とルイーゼ様はお2人で打ち上げと称して紅茶を飲み出したのです。ですが・・・。そのうちに2人共紅茶にブランデーを混ぜて呑み始めたのでございます!・・・私が気が付いた時には2人共既にへべれけ状態でございました・・・。お願い申し上げます!何卒リオン王のお力でお2人を回復して頂きたいのです!お望みならこのセバスチャンの首を差し出します!」
_(┐「ε:)_ズコー!帝国存亡の危機だと言うから何かと思えば・・・・。
またしてもルイーゼ母娘のヤラカシじゃねえか!
セバスチャンもそんな事くらいで軽々に首を差し出すなんて言うな〜!
全く慌てて参上して損したぞぅ!
・・・まぁ気を取り直してまずは現場検証だ。
2人がお茶会(という名の酒盛り)していた部屋で、俺は2人の使っていたティーカップの中の残留物を鑑定した。
まずはルイーゼのティーカップは・・・
『紅茶40%、ブランデー60%』・・・。
紅茶よりもブランデーの分量の方が多いじゃねえか!
コレでは『ブランデー入りの紅茶』ではなく、『紅茶入りのブランデー』だぞ!
ルイーゼのティーカップがコレでは、皇妃のティーカップの中身はどうなのか・・・。
恐る恐る皇妃のティーカップの中身を鑑定すると・・・
『紅茶10%、ブランデー90%』・・・・・・。
もはや『紅茶入りブランデー』ですらねえじゃねえか!強いて言うなら、『紅茶ちょっぴりのほとんどブランデー』だぞ全く!
・・・ふうっ。呆れ果ててモノも言えない・・・。
だが完璧執事にして帝国随一の忠義の臣であるセバスチャンを死なせる訳にはいかない。
俺は断腸の思いで2人に治癒魔法をかけた。
ピロピロリーン♡
はい2人共復活〜♡
・・・勿論その後2人共俺とセバスチャンの重厚なるお説教でたっぷり油を絞られましたとさ♡
めでたしめでたし。
さてもうすぐ日暮れだな。
ではフォーチュンに戻って宴といきますか。
・・・と思ったら・・・。
ガシッと何者かに肩を掴まれた!犯人は・・・。
「フッフッフ〜♡逃がしませんわよ〜♡リオン王〜♡」
出た〜〜〜!恐怖の大王こと皇妃じゃあ!
態々泥酔状態を助けてやったのにこの仕打ち!
皇妃は右手で俺の肩をギリギリ締め上げながら、左手で扇で口元を隠して、
「・・・リオン王。先程は本当にありがとうございましたわ♡ですけども!たった今私の頭の中にまたまたビュイーンと稲妻が走りましたのよ〜♡それによると、今晩リオン王の城ではさながら桃源郷の様な宴が開かれるから、是非とも相伴する様にという神託があったのですわ〜♡」
横からルイーゼが、
「申し訳ありません申し訳ありませんリオン様!我が母ながらこうなったら母は梃子でも動きません!何卒宴にご相伴させてあげてください!だっ代償にわっ私のかっ身体を差し上げます!」
顔を真っ赤にしてのたまうルイーゼ。
それを見た皇妃は、
「あらあら〜♡奥手だと思っていたルイーゼが中々言う様になったわね〜♡コレは明日にでも御赤飯かしら〜♡」
益々顔を赤くして腰をくねくねしまくるルイーゼ♡
まぁ気を取り直して宴じゃあ!
予告通り飲茶と焼肉パーティーじゃあ!
飲茶は前回同様、餃子と焼売と春巻きと小籠包の定番メニューじゃあ!
焼肉はやはり定番のカルビ、ロース、牛タン、ハラミ等豊富に取り揃えておりまする♡
勿論エルフ達の為にピーマンとかタマネギ等野菜もたっぷり用意しました♡
あとシルフィー達の為に野菜オンリーの生春巻きを用意仕りました(*^^*)
酒と共に宴の開幕じゃあ!
「リオンよやはり焼肉美味いのじゃぁぁ♡肉も美味いのじゃがこのタレが絶品なのじゃあ!松尾純米大吟醸お代わりなのじゃあ♡」
「リオンさん♡相変わらずこの春巻き美味しいですぅ♡今回は旨味たっぷりの牛肉と、シャキシャキのタケノコが最高ですぅ♡松尾純米大吟醸お代わりですぅ♡」
「リオン様やはり餃子美味しいです♡醤油と酢と辣油の組み合わせがたまりません♡松尾純米大吟醸お代わりです♡」
「・・・焼肉最高♡・・・ハラミとロースお代わり♡・・・焼売お代わり♡・・・松尾純米大吟醸お代わり♡・・・。」
「グフフフフッ!リオン様の愛の力を持って♡再びの肉祭りなのだぁぁぁ♡敵は吉良上野介の首ただ1つ!いざ討ち入りぞぅ!!リオン様ぁぁ♡殿中でござる!殿中でござるぞぅ♡いざ!カルビもロースもハラミも牛タンもぉぉぉぉぉ!全て食べつくしてくれるわぁぁぁぁ♡」
・・・肉祭りで忠臣蔵しているのはロゼッタくらいだと思うぞ・・・。
「リオン神様♡この焼肉のタレ美味しいです♡ピーマンやタマネギ等の野菜もこのタレでまさに神の味です♡野菜たっぷりの生春巻きもとても美味しいです♡松尾純米大吟醸お代わりです♡」
「やっぱり焼肉美味しいよぉ♡悠里とてもとても幸せだよぅ♡松尾純米大吟醸お代わりだよぅ♡」
「リオンちゃん♡やっぱりリクエストして正解なの♡やはりミオのハイパーイヤーは間違いないの!美味しすぎるの!餃子は相変わらずの美味しさなの♡焼売もポン酢に凄く合うの!小籠包に至ってはも〜最高なの♡松尾純米大吟醸お代わりなの♡」
「ハラホロヒレハレ〜なのです♡もはや無限軌道なのです♡焼肉はどれも美味しいのです♡特にタレが秀逸なのです♡餃子は日本書紀なのです♡焼売は出雲大社なのです♡春巻きは伊勢神宮なのです♡小籠包に至っては爽健美茶なのです♡中のスープがタプタプなのです!コレは1口で食べなければ中のスープがもったいないのです!アクア猫舌なのですが、我慢して小籠包を1口で食べるのです!ハフッハフッ美味しいのです♡焼肉もまた美味しいのです♡カルビは森羅万象なのです♡ハラミもまた声東撃西なのです!ロースは駆虎呑狼なのです♡牛タンはまさしく諸行無常なのです!松尾純米大吟醸どんどんお代わりなのです♡」
「リオン王♡やはり私の直感は正義ですわね〜♡お酒も餃子も焼売も春巻きも!何よりこの小籠包もとても美味しいですわよ〜♡松尾純米大吟醸お代わりですわよ〜♡」
「・・・リオン様ありがとうございました!お陰で母の機嫌が直りました!・・・モグモグッ・・・この小籠包とても美味しいですね♡焼肉もまた美味しいです♡松尾純米大吟醸お代わりです♡」
・・・まぁ何はともあれミオからのミッション無事にコンプリートでござる!
肉祭りには皇妃は欠かせませんな♡




