パールショック!!
朝から賑やかです♡
朝だ。
毎度おなじみの嫁達への餌付けだ。
今朝は主食にクロワッサンをチョイスしたよ。
フワフワのクロワッサンに新作のアプリコットジャムを塗りたくったらもうエクスタシー以外の何物でもない!
付け合わせにハムたっぷりのポテトサラダ。
ソーセージと目玉焼き。
スープはフォーチュン特産のトマトをふんだんに使用したミネストローネ。
ブレックファストじゃあ!
「リオンよ相変わらずソーセージと目玉焼き美味いのじゃぁぁ♡朝からビールが進むのじゃぁぁ!」
「リオンさんリオンさん♡相変わらずポテトサラダ美味しいですぅ♡ビールお代わりですぅ♡」
「リオン様このクロワッサンフワフワです♡アプリコットジャム甘くてとても美味しいです♡ビールお代わりです♡」
「・・・ソーセージ美味しい♡・・・お代わり♡・・・ミネストローネ♡・・・お代わり♡・・・ビールお代わり・・・。」
「リオン様ぁぁぁぁ♡子供が朝からお腹の中で大暴れしておりまするぞぅ!特にソーセージと目玉焼きとポテトサラダを要求しておりまする♡ビールとともにジャンジャンお代わりを申し渡す〜!」
・・・ロゼッタは朝から平常運転・・・。
「リオン神様♡フワフワのクロワッサン美味しいです♡ミネストローネも最高です♡ビールお代わりです♡」
「クロワッサン美味しいよぅ!地球でパン屋さんの前を通った時のあの美味しそうな匂いが忘れられないよぅ♡あの時は高くて食べられなかったけどぅ、ここで食べられるなんて〜♡アプリコットジャム甘くてとても美味しいよぅ♡」
・・・ええんやで( ̄▽ ̄)お代わり自由なんやから、好きなだけ食べてええんやで・・・。
「リオンちゃん!何度同じ事言わせるの!新作のジャムはまず最初にこのミオに献上するなの!酷いの!悪逆非道なの!罰として大量のアプリコットジャムを今すぐミオに献上するなの!異論や反論は例によって一切認めないの!」
「アクアは朝から幸せなのです♡フワフワのクロワッサンにアプリコットジャムの組み合わせはまさしく只管打坐なのです♡ハムたっぷりのポテトサラダなんても〜極楽浄土なのです♡魂が抜けるのです♡ミネストローネに至ってはもはや4回転アクセルなのです!前人未到なのです!桃源郷なのです♡シャングリラなのです♡赤い彗星なのです!青い巨星なのです!朝から恐縮なのですがビールお代わりなのです!」
・・・まぁ満足( ¯﹀¯ )している様だな(-"-)
因みに快盗ルイーゼはと言うと・・・。
『母がまたまたリオン様に用事があるそうなのでお手数ですが朝食持参でお越しください♡』
と連絡があったのよ・・・。
ぐぬぬ・・・遂に堂々とデリバリーを要求する様になったか・・・!
だが一応愛するルイーゼの姑殿の要望とあらば断れぬ・・・
『相手の断れない要求』をするとは、何処ぞのイタリアンマフィアのドンかよ!!
こうなったら再び皇妃の顔をハニワにするしか無いな!
丁度以前から手がけていた俺の極秘事業が漸く形になってきたので、その成果を引っさげて帝国へと足を伸ばす。
・・・例によって待ち構えていたルイーゼに身柄を確保されて、皇帝夫妻の元へと連行された(´;ω;`)
既に皇帝と皇妃は食堂にて準備万端で待ち構えておられました(笑)
「おお!よくぞ参られたリオン王!早速だがお主に復活の呪文を授けよう。 くわたきよ はらしのず かなかはた はらいしい・・・・・ッゲフンゲフンッ!スマン・・・今のは忘れて欲しい・・・。」
何故だろう・・・。妙に前世の記憶を呼び起こす様な聞き覚えのある呪文だ・・・。まぁネタが古すぎて恐らく誰からもクレームはくるまい!
「ごきげんようリオン王♡では私からも復活の呪文を授けますわ〜♡ いのきばば つるたちよ うしゆうり きふじなみ ・・・ゲフンゲフンッ!わっ私も今の言葉は忘れて頂けるとありがたいですわよ!」
・・・コレまた懐かしい呪文だなぁ。てかどちらも昭和世代にしか通じないネタだぞ!
なろうの読者に通じるんかいな?
詳細は言えないけど、今や有野課長の番組でしかお目にかかれない超レトロな某国民的RPGの記念すべき1作目のコンティニューコマンド(当時はROMカートリッジで、フラッシュメモリなんて無いからコマンドを手書きでメモして次回はメモを見ながらコマンド入力して続きをプレイした・・・。)
因みにコマンドを書き損じる事も度々あって、例えば、『ぬ』と『め』を間違えてメモしたなんて日常茶飯事だったよ。
コマンド入力後に、『じゅもんが ちがいます』と表示された日にはもう泣きたくなったなぁ。
閑話休題。
皇帝夫妻の(意味不明な)ボケの洗礼を受け、耐え忍んだ俺は、とりあえず朝食を3人に出した。
早速3人共ブラックホールの如く食べまくった!
「やはりリオン王の食事は美味いのう♡ソーセージはプリプリだ!実に美味だ!目玉焼きは中の黄身がトロトロでコレまた至高の味だ♡ビール・・・は呑めないからニセのビールお代わりだ!」
「あらあら♡このクロワッサンというパンはフワフワですのね〜♡このアプリコットジャムを塗るとエクスタシーですわ〜♡ハムたっぷりのポテトサラダもまた絶品ですわね〜♡ビールお代わりですわ〜♡」
「リオン様美味しいです♡ミネストローネというスープ最高です♡私もビールお代わりです♡」
例によって綺麗さっぱり食べ尽くされた・・・。
まぁそれは良い。
朝食の餌付けはあくまでもついでだ!
本命はココからだ。
「・・・で?朝から火急のお呼び出しとは、一体全体何事ですかな?」
言外に、詰まらん用事だったらシバくぞ(゜Д゜)ゴルァ!
というニュアンスを(皇妃が怖いからあくまでもこっそりと)込めた。
満腹そうな皇妃は徐に(華麗に)扇をシュパッと開くと口元を隠して、
「オホホホホッ!いえね♡昨日のリオン王の功績に対して是非とも御礼がしたかったんですのよ〜♡リオン王がもたらしてくださった新しい計算方法と、そろばんという画期的な計算道具!アレらのお陰で帝国の書類仕事が飛躍的に向上致しましたの。その甲斐あって私とルイーゼだけではなく、夫ノワールも久方ぶりに休みが取れたんですのよ〜♡まぁ未だに飲酒は宰相から固く禁じられておりますけどね〜♡」
・・・心なしか肩を落としている皇帝・・・。がんばりや〜!
「それは重畳。お役に立てた様で何よりです。」
まぁといっても精々前世の中学生レベルの数学なんだけどね〜
と、ココで再び皇妃の目がギロリッと光った!
「・・・本当はここでリオン王にいい話を持ちかけるつもりでしたの。ですけども、リオン王がここに顔を出す直前に、またまた私の頭の中にキュイーンッ!と稲妻が走ったんですの!それと同時に頭の中に、リオン王が何やら私に対して希少な贈り物をしてくださる腹積もりであると囁いてきましたのよ〜♡」
おのれまたしても皇妃のチートニュータイプ能力かーい!
全く勘がいいにも程があるぞ!
こんなニュータイプと四六時中一緒に暮らしてる皇帝とルイーゼには同情するよ。
何しろ浮気や隠し事を一切無効化しやがるんだからな( ̄▽ ̄;)
やむを得ない。まぁ元々皇妃にプレゼントするつもりで態々試作品を持参した訳だしね。
それでは満を持して開陳いたそう!
俺はアイテムボックスから1つの箱を取り出した。
「・・・皇妃。コレはフォーチュンに於いて以前から手がけているとある事業の試作品です。最近漸く軌道に乗ったので、試作品をお持ち致しました。どうかお納めください。」
箱を皇妃に渡す。
受け取った皇妃は何気に箱を開けると・・・!
俺の予想通り!皇妃はハニワになってフリーズした!!
皇妃はフリーズしながらうわ言のように、
「・・・コレは夢ですわ私は夢を見ているんですわこんなモノがここにあって良い筈がありませんわ!!!」
箱を持ってる両腕がワナワナと震えている。
致し方ない。ここは強制的に再起動してやるかな。
まぁハニワもフリーズも状態異常の一種だから恐らく俺の治癒魔法で治るだろう。
ピロピロ〜ン!よし再起動完了♡
再起動した皇妃はしばらく茫然自失していたが、ふと我に返った途端、突然左手で箱を持ち、右手で俺の肩を掴んできた!結構痛い。
「リオン王!こっコレは本物なんですの!!?勿論偽物なんですわよね!?こんなにも大粒で!真球の様なコレが存在するなんて有り得ない事ですわ!!お願いだからイミテーションだと言って〜〜〜〜!!!!」
みんな予想がついていると思うけど、俺が皇妃に進呈したのは、パール、所謂真珠だ。
実は前々から俺はフォーチュンの海岸で真珠の養殖事業に着手していたんだよ。
地球でもこの世界でも、天然真珠というのは超がつく程希少であり、当然ながら目が飛び出るくらい高価だ。
何しろ真珠を作る貝の種類が限られている上に、ある意味偶然の産物で、たまたま砂粒とかがその貝の中に入ってはじめて真珠が生成される。
前世の地球のデータだと、凡そ貝の千〜一万個の内の一つという確率でしか真珠が採れない。
しかも真珠の形は内部に入った『異物』の形に準拠するから、採取できた天然真珠はほとんどが歪な形をしているんだ。
それでも真珠自体希少な存在だから、真珠が養殖される迄は時の権力者はこぞって歪な真珠を買い漁った訳だ。
実は俺は前世で三重県の真珠の養殖場を見学した事があって、その時に一通りレクチャーされたんだよね。
まぁかなり怪しい知識なんだけど、そこはソレ、俺の無限の魔力ゴリ押しで補った。
貝を大量に確保して、魔法で1mm〜5mm程の真球を貝の中に入れる。
因みに材質は、色々試行錯誤した結果、ミスリルが一番貝と和合性が高い事が判明した為、ミスリルで大量に真球を作っては貝の中に入れまくった。
後は養殖場近辺の海に例によって魔力ゴリ押しで栄養を撒き散らして、貝の餌のプランクトンを増やしつつ、貝自体にも超成長促進魔法で真珠生成の時間を大幅短縮したという訳だ。
因みに結構な量が採れたから、幾つかはギム達ドワーフに下賜して、宝飾品に加工する様に依頼した。
まぁお約束通りドワーフ達は全員ハニワになっていたよ。
まー確かに真珠なんてドワーフでも滅多にお目にかかれない代物だからね。
さておき。
皇妃に贈った真珠のネックレスは、令和でよく見かける、真珠を数珠繋ぎにして首の後ろの金具で留める型式の物だ。
しかもネックレスの中央部には一際目立つ特大の真珠(凡そ3cm程)が鎮座しております♡
で、漸く興奮状態が収まった皇妃が、
「・・・リオン王。コレはもはや単なる国宝級どころの騒ぎではありませんわよ!コレはまさしく伝説級!!レジェンダリーですわ!こんなモノ!この世界に1つしかないといっても過言ではありませんわ!どうしましょう!?私またまた手が震えてきましたわよ・・・」
・・・一応皇妃を安心させる為に補足しておくかな。
「皇妃。それは俺が養殖した真珠だ。ぶっちゃけ定期的に幾らでも採取できる。だから今後は今程の貴重品では無くなるだろう。俺のアイテムボックスにも未だ大量に入っているしな。それにどうせ皇妃の事だから、またぞろ貴族の奥方や令嬢達に真珠を自慢しまくって、皇帝の権威を高める腹積もりだろうから、今のうちにルイーゼのマジックバッグに真珠を収納しておくぞ。」
言いながらルイーゼのマジックバッグに大量の真珠をポイポイと収納する。
「・・・にわかには信じがたい話ですけれども・・・この真珠が本物だとしたら、リオン王が真珠の養殖に成功したという事の方がまだしも信憑性がありますわね・・・。実際目の前で大量の真珠をルイーゼのマジックバッグに収納して頂きましたものね・・・。わかりましたわリオン王!かくなる上はこの皇妃エリザベート!頂いたこのネックレスと大量の真珠を帝国の為に最大限活用させて頂きますわね〜♡」
漸く平常運転に戻った皇妃は両手をパンッパンッと鳴らすと・・・。
「・・・お呼びでございますか。妃殿下。」
気配も無く現れる忍者執事のセバスチャン。
「セバスチャン。またいつものように懇意にしている貴族の奥方や令嬢達とのお茶会の手配を宜しくお願いするわね。」
恭しく一礼しながら、
「かしこまりました。妃殿下。」
再び音もなく消え去るセバスチャン。
「・・・では私の要件は済みました。これにて失礼仕ります。」
かくして颯爽と俺はフォーチュンに帰還するのであった♡
まる。
急げリオンちゃん!腹を空かせた嫁達がしびれを切らしておる!




