リオンの特産品買い付け ホビット編
果たしてホビットのところで何が起きるのか!
さて引き続き亜人達からの特産品買い付けを続行致す。
早速転移で今度はホビットのゲル(所謂遊牧民達のテント)へと向かう。
転移後、すぐさまマールの元へ行く。
・・・結構時間がかかった・・・。
いやホビット達って、みんな人間でいったら小学生位の身長だから、近づかないと誰が誰だか判別出来ないのよ。
まぁそれでもマールの所在を聞き込みしつつ、なんとかマールの元に辿り着く事が出来た。
「あー!リオン様♡先程ぶりだねぇー!」
マールは(身長だけでなく仕草も)小学生みたいに手を振っているよ。
「さっきはごめんねー。リオン様には悪いと思ったんだけど、些かこちらにも事情があったんだよ。実は最近僕達に合流したホビットの新参者達が、リーダーである僕の言う事を聞かなくて困っていたんだ。で、ギムに相談したら『それならいっそ酒で釣るというのはどうじゃ?ワシもドワーフの中の跳ねっ返りどもをなだめにゃならなくてのう。ちょうどいい事に、リオン様が至高の酒を秘蔵しておると、ワシのドワーフのリーダーとしてのカンがそう言っておるのじゃ。どうじゃ?ここはひとつワシらで共同戦線と行かぬか?2人でリオン様の元へ押し掛けて、秘蔵の酒をぶんどって・・・ゲフンゲフンッ!・・・下賜してもらって、ワシらの共通の懸案事項を解決しようではないか!』・・・って提案されたんだよ。それでこっちも困っていたから、その提案に乗っかったって訳なんだ。申し訳なかったけど、こっちも背に腹はかえられなかったんだ。だからなんとかこちらの事情を汲んで許して貰えないかなー?」
・・・元凶はギムであったか・・・おのれ・・・!
あのドワーフ!後で絶対にシメる!
まぁとはいえ、マールの事情は理解した。
私利私欲が40%程あったとはいえ、やむにやまれぬ事情もあった訳だし、ここは許してやるとするか。
「わかった。事情が事情だったという事で、許そう。ときにマール。俺がここへ足を運んだのは酒の事じゃなくて、ホビットの特産品を買い付けに来たんだ。」
するとマールは心底安堵して、
「なんだー!ビックリさせないでよー!僕はてっきりリオン様が腹に据えかねてここへ殴り込みに来たとばかり思ってたよー!」
・・・マールの中で俺はどんだけバイオレンスでデンジャラスなんだ!!!
全く失礼な!俺はこれでも穏健な平和主義者だぞ!
まぁ良いか。気を取り直して取引取引。
因みにホビットの特産品は、バター、チーズ等の発酵食品に、各種家畜から採れる新鮮なミルクが主要品目だ。
それらをアイテムボックスに収納しながら、俺はふとマールに尋ねた。
「なぁマール。各種チーズ何だが、増産する事は可能か?」
するとマールは暫し考え込んで、
「うーん・・・正直厳しいかなー。リオン様のお陰で牧草の力がマシマシになったから、ミルクは毎日大量に絞れているんだけど、バターやチーズは発酵させるのに手間隙がかかるから、難しいと思うよ。もっとホビットの数が増えればもう少しなんとかなるんだけどねー。現状は明らかにミルクの供給過多なんだ。」
やはりか。前世の地球の知識から、何となくそうじゃないかとは思っていたよ。
だが案ずるなかれ!こんな事もあろうかと俺は(例によって魔力ゴリ押しで)チーズを量産する魔導具を制作済みなのじゃあ!
ふっふっふっ!このリオンに不可能はなーい!
「マール。この魔導具を使ってみてくれ。上からミルクを流し込むと、中で加熱魔法と冷却魔法で一定の温度を維持しつつ、時空魔法で発酵時間を大幅に短縮出来るスグレモノだ!コレを使えば今以上にチーズを増産出来る筈だ。」
聞いたマールは(予想通りに)ハニワになった。
見た目小学生のハニワ顔は想像以上に絵面的にシュールだな・・・。
試しに俺のアイテムボックスから牛のミルクを魔導具に投入して、魔導具を作動させると・・・。
5秒程でチーズが完成した!
其れを見たマールはと言うと・・・。
「リオン様!?こっこれって一体何なの!?幾ら何でも5秒でチーズが出来上がる何て有り得ないよ!え?このツマミで発酵する温度調節が出来る?こっちのツマミで発酵時間を設定出来る?全くもう!リオン様ってばもう本当に何でもありなんだねー♡」
マールが激しく抱き着いてきた!
その後、何故増産が必要なのか説明する為に、ホビット達にチーズフォンデュを振舞った。
「どうだ?人間も亜人達もこの味にやみつきになる事請け合いだ!必然的に将来チーズ不足になるのは確実という訳だ。よって今の内にチーズ増産の目処をつける必要があったんだ・・・って誰も聞いてねぇー!」
ホビット達はさながら修行僧の無言の行の如く、唯ひたすらにチーズフォンデュを貪り食っております♡
チーズを潜らせる具材はご存知ホビット達の好物のラム肉に黒パンだ!
みんな口々に、
「リオン様!凄く美味しいよー♡ラム肉が熱々トロトロのチーズに包まれてエクスタシーだよー♡」
「リオン様この黒パンもチーズと凄く合うよー!」
勿論呑んべぇさんのホビット達は当然の如く下賜したウイスキーをがぶ飲みしておりました♡
ついでに俺はマールのマジックバッグに大量のバーボンも下賜して入れておいた。
まぁコレでホビット達のモチベーションが向上するのなら安いものだからね(*^^*)
で、買い付けた特産品の対価に、何時もの様にフォーチュン金貨1万枚をマールに渡して、ホビットのミッションコンプリートじゃあ!
そろそろ昼だな。
嫁達の餌付けの為、城に帰還致す!
次回はランチとエルフ編です♡お楽しみに!




