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酒は呑んでも呑まれるな

最近リオンにとって皇妃は鬼門(*’ー’)

朝。

毎度おなじみの嫁達への餌付けを済ませた俺は一路、(行きたくないけど)鬼より怖い皇妃の元へと向かったのである。

・・・要件はなんだろうな?今から背筋に悪寒が走るぞぅ!


・・・で・・・。

例の如く到着そうそうルイーゼによって皇妃のところに連行されましたとさ・・・。

相変わらず皇妃は扇で口元を隠しながら嫣然と微笑んでいらっしゃる。

「・・・リオン王。態々早朝からお呼び立てして大変恐縮ですわ〜♡」

・・・ちっとも恐縮していない表情で言われてもなぁ(´・ω・`)

「そうそう、昨夜の握り寿司という料理はとんでもなく美味しかったですわ〜!私も夫もルイーゼもあっという間に完食してしまいましたわよ〜♡特にルイーゼなんて、父親である皇帝の分までつまみ食いした程ですわ♡」

その当の本人は、羞恥心で顔を真っ赤にしながら、

「ちっちちちち違うのですリオン様!握り寿司があまりにも美味しかったもので!いつしか自分の分を食べ尽くしていた事に気が付かずに、いつの間にか隣の父の握り寿司を手につかみ、気が付いたら醤油をつけて口の中に入れて咀嚼していたのです!無意識だったのです!わっ私は無実です!」

うーむ。まるで前世の2時間サスペンスドラマで、気が付いたら目の前に血塗れの死体があった、みたいな感じかな。

皇妃はニヤニヤしながら、

「いえいえ別に咎めてはいませんよルイーゼ。ただまぁ、欲望に忠実なのはやはり父親である皇帝陛下にそっくりですわね♡血は争えませんわね〜♡オホホホ♡」

ひでぇ!皇妃は華麗に鮮やかにルイーゼの食い意地の責任を父親の皇帝に押し付けやがったwww!

俺が2時間サスペンスドラマの主人公なら崖の上で皇妃を指さしながら、『犯人はあなたですね!』と叫んでるところだぞ全く。

・・・実際には言わないよ!俺も命は惜しいからね( ̄▽ ̄;)

そうこうしていると、皇妃は扇をパチンッ!と閉じると、

「まぁ前置きはここまでにしておきましょう。態々リオン王をお呼び立てしたのは他でもありませんわ。実はまたまたリオン王に無茶振り・・・ゲフンゲフンッ!・・・お願いしたい事が2つほどございますの♡」

で、でた~wwwwwwww!皇妃(の皮を被った大魔神)の無茶振りじゃあ!あな恐ろしや(泣)

((((;゜Д゜))))ガクガクブルブル

皇妃は(肉食獣の)目で俺をばっちりロックオンしている。

この状況ではもはや撤退は不可能だ。

俺に残された選択肢は全面降伏のみ。

謹んで皇妃の『お願い』を拝聴致しまする。

「・・・それでは瑣末な方のお願いから片付けますわね。リオン王、先日頂いた幾多のケーキの中に、ブランデーケーキというモノがありましたわね?素晴らしい香りと風味で私もルイーゼもとても美味しく味わいましたの♡で・す・が!リオン王!この私の直感を甘くみてもらっては困りますわよ!食べてるうちにまたまた頭にバキューンッ!と稲妻が走ったんですの♡このケーキにはお酒が使われていると。そのお酒はまさしく極上の甘露の如きお酒であると。速やかにリオン王を呼び出してお酒を没収・・・ゲフンゲフンッ!・・・お譲り頂くようにという啓示を受けたのですわ〜♡」

おのれまたしてもルイーゼママのニュータイプ能力かー!

まさかここまで堂々と酒を要求されるとは・・・ムムム・・・

まぁ酒豪の皇帝一家にとっては、この世界で一般的な所謂醸造酒だと、酒精が低すぎて物足りないんだろうな。

しかしルイーゼママのニュータイプ能力は無駄に鋭いな。

致し方ない。泣く子とルイーゼママには勝てない。

大人しくウイスキーやブランデーを召喚するとしますか。

ついでにブランデーグラスとタンブラーも召喚する。

それらを見た2人はやはり顔がハニワになったよ。

よしよし(^_^)ノ漸く一矢報いてやったぞぅ(*^^*)コレで多少は意趣返しできたかな。

まぁ皇妃の無茶振りに応えたんだからこのくらいは大目にみてもらおうかな♡

皇妃はハニワの顔のまま、

「・・・リオン王・・・たしかに自分でも無茶振りした自覚はありますけれども・・・相変わらずリオン王は予想の斜め上を行く方ですわね・・・まさか要求したお酒の器も、呑む為の器も国宝級で固めてくるとは・・・。流石の私も感服致しましたわよ♡ルイーゼの婿だけの事はありますわね〜!」

これまたついでに俺はルイーゼの冷凍庫(くどいようだがモドキの魔道具)にロック用の丸い氷を収納した。試しにタンブラーに1つ丸い氷を入れてウイスキーを注ぐ。

スッと皇妃の前に滑らせて、

「試飲してみませんか?」さりげなく勧める。

皇妃はさながらブリキの玩具の様にぎこちなくタンブラーを手に取って一口呑む。

するとすぐさま皇妃は目をクワッ!と見開いて!

「なっ何ですの〜!?氷が入っているから、冷たいお酒だと思っていたのに、喉を通り過ぎたらお腹の中からカ〜〜〜ッと熱いモノがこみ上げてくるんですの〜!こんな感触、生まれて初めてですわよ!」

どうやら皇妃の口にあった様で何よりだな。

と、思いにふけっているうちに皇妃のタンブラーは既にカラになっておった(笑)

いつの間にか皇妃の目が据わっておりますm(*_ _)m

「・・・リオン王!このウイスキーというお酒どんどんお代わりですわよ!私このお酒大いに気に入りましたわよ♡・・・そうそう、ついでにリオン王に何かこのお酒のアテを要求致しますわ♡」

やべぇ(⌒-⌒; )一応コレ蒸留酒だから酔いやすいんだった〜!

見れば皇妃はかなり泥酔状態だ!Oh!デ〜ンジャラ〜ス!

俺はルイーゼに相談する。

「ルイーゼ、どうしたらいい?」

ルイーゼは静かに首を振って、

「・・・もうこうなったら母は誰にも止められません・・・。後は浴びる程呑ませて酔いつぶれるのを待つしかありません・・・。」

ぐぬぬ・・・。ただでさえ危険人物のルイーゼママがへべれけで更に無敵モードになっただと・・・!テロリストに核ミサイル持たせるより遥かにタチが悪いじゃねえか!!

皇妃は完全に据わった目で、

「オラァー!リオンー!さっさとタンブラーにウイスキーを注ぎなさいよー!わらしの言う事が聞けないんですの〜!・・・エヘヘー♡このお酒美味しいれすわね〜♡オラリオンッ!は〜や〜く〜!ツマミだしなさい〜!」

こっこれは興奮させたらアカンヤツだ!

とりあえずツマミとして生ハムメロンとスモークチーズを出してルイーゼママに捧げた。

「もぐもぐっあ〜〜〜♡美味しいですわ〜♡ルイーゼ!この生ハムメロンとスモークチーズを大量にマジックバッグに入れてもらいなさい!四の五の言う様なら色仕掛けでも何でもしなさい!」

・・・アカン!コレは全ての要求を受け入れないと帝国全土に血の雨が降る事になる!

慌てて俺はルイーゼのマジックバッグに生ハムメロンとスモークチーズを大量に収納した。


・・・そんなこんなでルイーゼママが漸く酔いつぶれるまで、俺とルイーゼはとことん振り回されてしまいましたとさ・・・。

という訳で、ルイーゼママの暴走モードの所為で続きは次回!スマンな!それもこれもルイーゼママが悪いのでござる♡

然らば御免!


素面で酔っ払いを介抱するのは大変ですよね♡

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