皇妃様のタカり、再び！
大陸最強はリオンではなくルイーゼママだった！？
午後。
ランチと巨大ホールケーキをバカ食いして全員もれなくぽっこりお腹の嫁達は、(やっぱり)爆睡中である。
そしてやはり俺は安眠を享受する事が出来なかった(泣)
(恐怖の大王)ルイーゼママから呼ばれてしまった(￣▽￣;)
全く毎日毎日呼びつけないで欲しいよ・・・。
転移門にてルイーゼの部屋に行くと・・・。
ルイーゼ達3人が既に俺を包囲しておりました！
皇帝とルイーゼは非常に申し訳なさそうに、
「リオン王・・・すまないが何も言わずにエリザベートの話を聞いてやって欲しい。私もルイーゼもこの状態のエリザベートはもはや止められないのだ！」
「リオン様。母は先程頂いた巨大ホールケーキによって暴走モードに入っております・・・。決して今の母の言う事に逆らってはなりません。リオン様の命に関わります！」
・・・そのルイーゼママはと言うと、獲物を前にした肉食獣の如き目をして、まさしく舌なめずりをしておられまする・・・。
「・・・リオン王・・・。」
「はっはひっ！」
・・・噛んだ。ぐぬぬ！リオン！痛恨のカミカミ！
皇妃は(見た目だけは)艶然と微笑みながら、
「先程頂いたホールケーキという甘味は大変美味しゅうございましたわ〜♡それでね♡食べてる最中に、またまた私の頭の中にドキューンと稲妻が走りましたのよ〜！リオン王はまだまだ色々な味のケーキを所持していると。すぐさまリオン王を呼んでそれらのケーキを押収しないと後悔すると私の頭の中のナニカが囁きましたの♡」
相変わらず皇妃のニュータイプ能力パねぇ！
もはやラノベのチート級のスペックだよ！
・・・要するに俺の持ってる各種ケーキを要求しているという解釈でいいのかな？
「でっ！こうしてリオン王を呼んで各種ケーキをタカって・・・ゲフンゲフンッ！・・・せっ誠心誠意お願いしてケーキを譲ってもらおうと思い至りましたの♡」
・・・今サラッと皇妃の本音が覗いたぞぅ！
まぁ皇帝とルイーゼの忠告もあるし、俺も命が惜しいからね。
という訳で俺はアイテムボックスから色々なケーキを出した。
チョコレートケーキ、ブランデーケーキ、レアチーズケーキ、ティラミス、アップルパイ、牛肉たっぷりのミートパイ等々大量に出してそのままルイーゼのマジックバッグに収納しまくった。
事ここに至って、漸くルイーゼママは上機嫌になったよ。
「あらあらまあまあ♡感謝致しますわよ〜♡これでしばらくは毎日優雅なティータイムが楽しめますわ〜♡早速これからルイーゼと2人でティータイムを始めますことよ〜！」
と言いながらルイーゼママはパンパンッ！と手を叩いた。
瞬時に(めでたく仮がとれた)執事セバスチャンが現れる。
「御用でございますか。妃殿下。」
相変わらず気配なく登場するなこの人。前世の忍者に近いのかもしれないな。
皇妃はニコニコしながら、
「只今リオン王より大量のお茶請けを献上して頂きましたの♡なのでこれよりルイーゼとティータイムを行いますわ。セバスチャン。すぐさま準備なさい。あっそうそう、皇帝陛下はこれからまたまた地獄の公務があるので残念ながら不参加ですわ〜♡」
「かしこまりました。妃殿下。」
再び音も気配もなく消え失せる完璧執事。
ルイーゼは(美味しいケーキが食べられる所為で)ニコニコしている反面、(地獄の公務が待っている)皇帝は肩を落として膝から崩れ落ちていた・・・。ご愁傷さま(-∧-)合掌・・・。
しかしよく考えてみたら此奴らついさっきランチと巨大ホールケーキをバカ食いした筈なんだが・・・。
帝国の皇帝一家は化け物か！？
こうして、這う這うの体でようやく俺はフォーチュンへと帰還する事ができた。
城に行く前に、ふとした気まぐれでシルフィーの村(シルフィーが村長ではないが便宜上そうよんでいる)に立ち寄った。
予め(お昼寝から覚醒した)シルフィー達も呼び寄せておいた。
というのも、アノ！シルフィーの事だからどうせまたここの村の連中に例のホールケーキの事を自慢しまくるのは目に見えてるからね(￣▽￣;)
それなら先手を打って先にエルフ達にホールケーキを餌付けした方がまだマシだからな。
・・・という事をシルフィーに伝えると、
「ひっ酷いですリオン神様！このシルフィー！昔から口は固いんですー！」
・・・どの口がそんな事を言うんだ！今まで何度もやらかしたクセに。
まぁ昨夜たっぷりと堪能したシルフィーのお胸様に免じて聞かなかった事にしてやるけどな！
とりあえずフォーチュン中のエルフ全てに行き渡る数のホールケーキをシルフィーのマジックバッグに入れた。
そしてこの村の分を出して餌付け開始！
巨大なホールケーキを見たエルフ達は大興奮！ましてや1人1ホール食べられるとあって村人全員恒例のありがたやー踊りを踊りまくっていたよ♡
子供たちはみんな口の周りを生クリームまみれにしながら口々に、
「王たま〜♡ケーキおいちいでち〜♡なかの生クリームとフルーツさいこうでち〜♡」
「王様♡ケーキ最高ですー♡上のイチゴも美味しいですー♡」
このように大人も子供も大満足♡
シルフィーも、
「リオン神様の更なる大いなるお慈悲に感謝しつつ、このケーキという神の食べ物を食するのですよ！」
と訓示をたれていた。
こうしてエルフ達にホールケーキ餌付け大作戦は無事にミッションコンプリートだ。
後はシルフィー達にエルフ全ての村にホールケーキを配ってもらえば終了〜。
ではそろそろ城に帰るかな。
だがこの続きは次回！御免！
見事にシルフィーの自慢を未然に防いだリオンちゃん♡
