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皇妃からの感謝

皇妃からの招集は怖いのです

翌日。

恒例の(朝食という名の)朝の餌付けを済ませた俺は、またまた帝国によって招集されてしまった( ̄▽ ̄;)

ガクブル状態でルイーゼの部屋へと赴くと、問答無用でルイーゼによって皇帝夫妻の元へと護送された(´;ω;`)

相変わらず威風堂々とした(実は皇妃に頭が上がらない)皇帝と、清楚な佇まいの(実は帝国最強の)皇妃が手ぐすね引いて待ち構えていやがりました!

・・・今度はどんな無茶振りカマされる事やら・・・((((;゜Д゜))))ガクガクブルブル・・・。

皇妃は優雅に扇を閉じながら微笑んで、

「リオン王。昨日は大変お手数をおかけしてしまいましたわね〜♡お陰で陳情してきた貴族達に充分な量のシルクを提供する事が出来ましたわよ〜♡」

あれは悲惨だったよ・・・。

出せども出せども、もっともっと出せと皇妃(の皮を被った大魔神)にせっつかれて(肉体的にも精神的にも)ヘロヘロになったよ・・・。

「・・・事はリオン王が考えているより重大ですの。今も昔も家で権力を握っているのは女!それは皇帝だろうが貴族だろうが市井の平民と何ら変わりありませんわ。帝国の貴婦人達が垂涎して止まないシルクという魔法の布地!それをフォーチュンから入手出来るのは我が夫である皇帝陛下のみ!それがどれ程の政治的効果をもたらすか、想像出来まして?有り体に申さば、帝国の貴族達は今後、皇帝に対して頭が上がらなくなるという事ですのよ。夫ノワールもこれで帝国の統治がやりやすくなる、国内もさらに安定するだろうと喜んでおりますわよ〜♡私達親子3人、今回の事でリオン王に大きな借りができてしまいましたわね〜♡」

・・・いやまぁアレだけ必死こいて大量のシルクと生糸召喚させられたからね( ̄▽ ̄;)効果てきめんなら万々歳だよ。

と、昨日の強制労働を思い出していると・・・

「・・・で、リオン王。昨日アレだけこき使って・・・ゲフンゲフンッ!・・・じっ尽力して頂いた事に対して、私達なにかお返しをしたいと思いますの。我が帝国にできる事でなにか望みはありませんこと?」

・・・そういう事か。たしかに俺もタダ働きは御免だしな。

ならば帝国より、アレを輸出してもらうとしようかな。

「皇妃。それならば是非とも帝国より輸入したき物がございます。」

俺の申し出に、皇妃の夫である皇帝が怪訝な顔をする。

「リオン王よ。こう言ってはなんだが、我が帝国にリオン王が欲しがる様な産物があったかな?先日より輸出している木材も、帝国の相場より高く買い付けてもらっているお陰で、森の木こり達は大喜び。しかもリオン王はすぐさま植林して魔法で森を元通りにしてもらっているから、森林資源も枯渇せずに済んでいる。帝国は外貨が稼げるし、景気も良くなった。リオン王には感謝の言葉しかない。だが他にフォーチュンに売れるものとなると・・・。」

俺は皇帝に、

「あります。我がフォーチュンにとって、喉から手が出る程に欲している物、それは・・・大豆です!」

それを聞いた3人は、揃って首を傾げた。中でも皇妃は、

「・・・確かに貧しい一部の平民の中には、肉や野菜と煮込んでスープとして食べる者もおりますけれども、あんなモノほとんどが家畜の飼料としてしか利用価値がありませんわよ。リオン王。差し支えなければ大豆をどのように活用なさるおつもりなのかお教え頂けませんこと?」

うーむ。帝国のニュータイプである皇妃ですらこういう認識なんだからな。

大豆は油を絞って大豆油も取れるし、絞りカスは家畜の好物だ。他にもエルフ達の好物、豆腐類に味噌、醤油の原料と、まさに万能作物なのだ。

それを家畜の餌にしか活用しないのは、まさしくもったいないお化けが出てくるくらいの愚行だ!

・・・という事を俺はかいつまんで3人に説明した。

やはり3人の顔がハニワになった(笑)

「・・・という訳で、先日食べて頂いた豆腐や厚揚げも、全て大豆由来の食べ物なのです。豆腐類は特にエルフ達からの需要が高いので、フォーチュン内で慢性的に大豆が不足気味なのです。無論帝国内の相場より高く輸入させて頂きます。」

3人は(ハニワ顔のまま)口々に、

「なんと・・・先日食べたあの美味しい豆腐類が、まさか大豆から作られた物であったとは・・・。」

「リオン王!是非ともその豆腐類の作り方と油の絞り方を教えて頂けませんこと!?いえルイーゼの婿殿ですもの!勿論快く教えて下さいますわよね〜♡」

「リオン様♡さすリオです!」

・・・まぁ帝国が豊かになるのは俺としても望むところだからね。無論快く教えてあげますともさ。

余談だがこの世界では油は照明としては使われていない。

理由は簡単。油に火を灯すよりもっと便利なモノが存在するからだ。

それは『光る石』と呼ばれてる、文字通り光を放つ石だ。

それがこの大陸のあちこちで(大量に)産出する為、庶民でも手軽に入手出来るので、態々油を明かりにする必要性無いという訳だ。

まぁヒルダ諜報部長曰く、『アレは古代文明の遺物ですので、何れは枯渇します』という事らしいけどね。

閑話休題。

俺は要望通り帝国に対して油の絞り方、絞りカスの活用方法、豆腐、オカラ、ガンモドキ、厚揚げ、薄揚げの作り方を伝授したでござる。

かくして、無事帝国より大豆の大量輸入を確約して、意気揚々とフォーチュンに凱旋するのであった♡

もうすぐランチでござるな。

だがしかーし!

ソレは次回だ!

ぐぬぬ・・・。無念・・・。

大変だ!ランチが遅れた嫁達が暴動を起こしたでござる!

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