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助けてーっ!リオえもーん!

皇妃は人遣いが荒い><


さて午後の麗らかなひととき。

(やはり)嫁達はお昼寝モードに入ったよ。

そしてやはり俺はお昼寝が出来ない(泣)

理由はまたしても帝国(というより皇妃)からの呼び出しだ。

今度はどんな無茶振りをされることやら・・・。

戦々恐々としてルイーゼの部屋へと向かう。

ルイーゼの部屋には、既に皇帝以下3人が勢揃いしておりました。

俺が到着するなり皇妃が口元の扇をパチンッ!と閉じて、

「まあまあ!リオン王。相変わらずお忙しい中お呼び立てして申し訳ありませんわね〜♡」

・・・ちっとも申し訳なさそうに見えないんだが・・・ソレを口に出すと俺が生きてフォーチュンに帰れなくなるので、俺は話を合わせる事にした。大陸最凶は皇妃ナリ・・・。

「いえ、お気遣いなく。して、火急のお呼び出しとは、いったい何事でしょうか?」

何しろルイーゼ曰く、大至急自分の部屋に来て欲しいと切迫した声で通信してきたから、何事かと思ったよ。

すると皇妃は、ニンマリしながら再び扇を広げて口元を隠して、

「オホホホ♡いえね〜♡例のシルクという画期的な布地で私早速ドレスを仕立てましたの。それですぐに夫に指図・・・ゲフンゲフンッ!・・・お願いして皇帝主催の園遊会を開催して頂き、娘ルイーゼ共々その夢のドレスをお披露目させて頂きましたの♡」

見ればルイーゼも興奮して皇妃の話を引き継ぐ。

「もう大変な騒ぎで、あっという間に母と私の周りに人だかりが出来ました!皆口々にこのドレスはなんだ!?見た事も無い布地だ!?皇妃様この様な美しい生地をどうやって入手されたのですか!?・・・とまぁ、母と私に矢継ぎ早に質問が殺到しまして、母がここぞとばかりにフォーチュンより献上されたシルクという名前の布地であると自慢しまくったのです。」

皇帝が恐縮しながら、

「・・・問題はその翌日におきたのだ。」

皇帝曰く、園遊会での皇妃とルイーゼの身に付けたドレスのインパクトは凄まじく、その日の夜園遊会に参加していた貴族の奥方や令嬢は夫や父親に、是非とも自分達もシルクという夢の布地でドレスを誂えたい!聞けばフォーチュンからの献上品という話なのでなんとか皇帝陛下に頼んでシルクを入手して欲しいと、(掴みかかる程の勢いで)お願いしたらしく、お願い(実質強制)された貴族達が、皇帝に泣きついてきて、困り果てた皇帝が皇妃に相談して、結果俺が呼びつけられて今に至るという事らしい。

しかも園遊会に参加しなかった貴族の奥方や令嬢達にも、口コミで現在進行形でシルクの話が広まっており、皇帝の城は泣きついてくる貴族達で引きも切らない有様だとか。

・・・で、その騒動の元凶である皇妃は、優雅に扇を扇ぎながら、

「いえね〜♡陛下より相談されたので、私申し上げましたの。こういう時の為にリオえもん・・・ゲフンゲフンッ!・・・たっ頼りになるリオン王がいるのではありませんの♡って進言致しましたのよ〜♡リオン王ならチョチョイノチョイで大量のシルクを調達してくれますわよね〜♡」

誰がリオえもんだ!!俺は青いネコ型ロボットじゃ無いぞ!

しかし参ったな。皇妃の無茶振りは毎度の事なんだけど、今回は今世紀最大級、メガトンクラスの無茶振りだなオイ!

ただね、エルフ達の養蚕はまだ稼働したばかり。大量生産なんて夢のまた夢だ。

必然的に俺の魔力ゴリ押しで地球から大量召喚するしか無いんだけどね。

・・・やるよ。やりますよ!

先程から皇妃の圧がもの凄いのよ( ̄▽ ̄;)

『四の五の言わずにさっさとシルク出せ(゜Д゜)ゴルァ!』

・・・というセリフは、絶対に幻聴では無い・・・と思う。

皇妃(の皮を被った大魔王)に命じられた俺は、言われるがままに大量のシルクを(各色取り揃えて)大量に召喚させられた。そのままルイーゼの手でマジックバッグの中へ。

・・・無茶苦茶くたびれたが・・・皇妃の無茶すぎる無茶振り、辛うじてミッションコンプリートでござる!


疲労困憊では有るが、宴である・・・。

今回はちと志向を変えてみた。

加熱してトロトロになったチーズに様々な具材をくぐらせて熱々のうちに食する、所謂チーズフォンデュじゃあ!

各々好みの食材で食べるがよい!

チーズはこってりしてるから箸休めには紅生姜。

メインも兼ねて具材には1口大に切ったパンもあるよ!

スープは豪快にブツ切りにしたネギを醤油ベースのスープで煮込んだ、特製ネギスープ。

酒を用意して宴開始!

「チーズフォンデュ美味いのじゃぁぁぁ♡分厚いハムにトロトロのチーズが絶品なのじゃあ!松尾純米大吟醸お代わりなのじゃあ♡」

「チーズフォンデュ美味しいですぅ♡鳥の唐揚げにトロトロのチーズが絡んで最高ですぅ!松尾純米大吟醸お代わりですぅ♡」

「リオン様パンとチーズの組み合わせ最高です♡松尾純米大吟醸お代わりです♡」

「チーズフォンデュ・・・美味しい♡・・・ネギスープも美味しい♡・・・松尾純米大吟醸お代わり♡・・・。」

「フッフッフッ!いざッ!ハムよ!ベーコンよ!鳥の唐揚げよぅ!トロトロのチーズと共に我が胃袋に収まるがよい!お腹の子供の血となり!肉となるであろう!推して参る!ぬおぉー!ハムもベーコンも鳥の唐揚げも松尾純米大吟醸もどんどんお代わりを持て〜♡」

・・・やはりの暴走モード・・・既にダミープラグに切り替わっているでござるな。

「チーズフォンデュだあぁぁぁ♡やっぱりテレビでしか見た事なかったよぅ!ハフッハフッ!熱々で美味しいよぅ♡パンもハムもベーコンも美味しいよぅ!松尾純米大吟醸お代わりだよぅ♡」

「リオン神様♡ニンジンもジャガイモもブロッコリーもズッキーニも美味しいです♡野菜に濃厚なチーズが凄く良く合います♡松尾純米大吟醸お代わりです♡」

「リオンちゃん凄いの!アッパレなの♡ミオいくらでも食べれるの!どんどんお代わりするの♡松尾純米大吟醸もお代わりなの♡」

「チーズフォンデュという食べ物は美味しいのです♡やみつきになるのです♡食べる手が止まらないのです♡一撃必殺なのです♡弱肉強食なのです♡全国行脚なのです♡廃品回収なのです♡松尾純米大吟醸お代わりなのです♡」

因みに怪盗ルイーゼの為に用意したトロトロチーズ入りの寸胴及び具材全種類は既に煙の如く消えておりました。

今頃親子3人でチーズフォンデュとネギスープを堪能してる頃だろう。

大団円。

・・・唯一、俺だけがグラノーラのみなのを除けば・・・。

ぴえん。

脅しに滅法弱いリオンちゃん♡

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