ドワーフ達の悲しいサガ・・・。
お酒とドワーフの関係性
午後、嫁達は(予告通り)揃ってお昼寝モードに入りやがったよ。
非常に羨ましいが、俺には仕事がある。
其れはドワーフの集落チェックだ。
昨日大量にビールを補充した筈だが、何やら嫌な予感がする。
なんといってもドワーフだからな!
下手したら集落の冷蔵魔導具の中身は既にスッカラカンという可能性もある。
転移してみると・・・どうやら嫌な予感程的中してしまう物らしい・・・。
11個の冷蔵魔導具は、全て綺麗さっぱりカラになっていやがりました!周囲にはビールの空き缶がこれでもかってくらいに山になっておりました。
俺は(例によって)横にいたギムにジト目で、
「・・・どうしてあれだけのビールが1日で飲み尽くされるんだ?」
ギムは一瞬で(見事な)土下座ポーズを決めて、
「誠に面目ない!じゃがのう、元々ワシらドワーフというのは、元来酒はあればあっただけ呑む!宵越しの酒は持たねえ!という種族なのじゃ。ドワーフに酒を呑むなというのは、エルフに野菜や果物を食べるなというのと同じくらい惨い事なのじゃあ!」
・・・咎めるつもりが、逆に熱弁されてしまった( ̄▽ ̄;)
まぁ俺の前世のラノベの知識も、ギムの言葉を裏付けているからな・・・。
確かにこいつらの行動は、まさしく俺の知るラノベのドワーフそのものだからな。
ん!?待てよ?
「・・・ギム。昨日お前に預けておいたマジックバッグの中のビールはどうした?魔導具の中身がカラになったらそれで補充する様に申し付けた筈だが?」
するとギムは肩をビクッとさせて、『ギクゥ!』という擬音と共に、
「いっいやそのぅ・・・。実は魔導具の中身が飲み尽くされた後、隠れてこっそりマジックバッグのビールをチビチビと呑んでおったのじゃが・・・其れが他のドワーフ達にバレてしもうてのぅ。哀れ全て供出させられてしもうたのじゃあ!」
ヤレヤレ、やはりギムの奴マジックバッグのビールを隠匿していたか・・・。
しかも1人でこっそり呑んでいたのが露見して、ドワーフ達全員から吊し上げを食らったと。
情状酌量の余地は無いな。
だがまぁ俺にも責任の一端はあるな。
正直ドワーフ達の酒に対する執念を見誤っていたよ。
仕方ない。こうなったら、抜本的な解決策を模索しなければなるまい。
思案の末に、俺の転送魔法を活用(悪用?)する事にした。
我らがフォーチュンの城に半径10m、高さ20mの円筒型のタンクを2つ(俺の魔力ゴリ押しで)作り出して、冷却の魔法を付与して、中にビールを注ぎ込む。
そこから転送魔法でドワーフ達の集落に予め備え付けた魔導具の蛇口にビールを転送する事で、幾らでもドワーフ達にキンキンに冷えたビールが供給されるという寸法だ!
しかも片方のタンクが空になると自動でもう片方のタンクに切り替わるという親切設計♡
空になったタンクには、これまた自動的にビールが補充される様に魔法を付与しておいた。
これでドワーフ達が浴びる程呑んでも飲み尽くされる心配は無用ナリ♡
・・・という事を、ギムに伝えると、またしても俺にとってのトラウマ案件が・・・。
そう!ドワーフ達の大挙しての抱き着き案件だ!
またまた夢に出てきそうだよ・・・。トホホ><
時刻は夕方だ。
再び宴の時間だ。
今回は焼き鳥祭りだ!
鶏皮、ネギマ、カシラ等の定番以外にも、レバー等の所謂モツも取り揃えた。
酒を用意して宴開始!
「リオン!我は内臓なぞ初めて食べたのじゃが、物凄く美味いのじゃぁぁ!レバーとハツをどちらも塩で!松尾純米大吟醸お代わりなのじゃあ♡」
「リオンさん♡鶏皮タレでお代わりですぅ♡松尾純米大吟醸もお代わりですぅ♡」
「リオン様♡ネギマ塩でお代わりです(*^^*)松尾純米大吟醸もお代わりです♡」
「・・・カシラ美味しい♡・・・ネギマも美味しい♡・・・松尾純米大吟醸お代わり・・。」
「ハッハッハ!再びの肉祭りですぞぅ♡もはや四の五の言わぬ!大人しく全ての焼き鳥を私の元へと差し出すのだ〜♡松尾純米大吟醸も持って来るのだ〜!」
「リオン神様♡私とお付達にシイタケとアスパラの串と松尾純米大吟醸をお代わりです♡」
「うわぁぁぁぁん♡焼き鳥だよぅ♡しかも食べ放題だよぅ♡リオン様凄く優しいよぅ♡松尾純米大吟醸お代わりだよぅ♡」
「リオンちゃん♡またしてもしてやられたの!ミオ足を掬われたの♡ミオ兜を脱ぐなの♡どれも凄く美味しいの♡ご褒美に後でミオの爆乳を好きに揉んでもいいの♡特別にミオが許すの♡」
・・・食べ尽くされた俺には同情は無用ナリ・・・。
何時ものことさ・・・。
もはやリオンは食べられないのか!?




