うまいもの自慢をしなかったシルフィー
リオンの辞書にはお昼寝の文字は無い様です♡
翌朝、俺は何時ものルーティーン、朝食作りに勤しんでいた。
今朝は陳腐だがフレンチトーストにソーセージ、目玉焼き、採れたてのトウモロコシをたっぷり投入したコーンポタージュスープだ。
・・・あっさり全て食べ尽くされました(*^^*)
大量のビールと共に・・・。lll_ _ )
・・・で、何時ものお昼寝中の嫁達を尻目に俺は何時もの集落巡りだ。
と、シルフィーの村にてとある騒動が起きていた。
1人のエルフがシルフィーに詰め寄っている。
「ですからシルフィー様!貴女方から漂う甘くて美味しそうな香りの正体は何なのですか!?」
大声でシルフィーに詰問している。シルフィーはアワアワしながら、
「そっ其れはそのぅ〜リオン神様からの命で、余人には明かせぬ事なのです。リオン神様の許しなくば、決して話す事が出来ないのです・・・。」
俺は察した。
恐らく甘くて美味しそうな香りの正体は先日シルフィーに下賜したメープルシロップだな。
しかし先日のシルフィーの準備運動の件もそうだが、エルフ達の嗅覚は凄まじいな。
現にあのエルフもシルフィーの身体に着いた残り香を嗅ぎ分けるんだから大したものだ。
それにしてもシルフィーは律儀に俺との約束を堅守してる様で安心したよ。
何だかんだでベッドの上だと可愛い嫁だからな。(お胸も勿論ポイント高い)
なら、愛する嫁の為に助け舟を出すとするかな。
「シルフィー。話は聞かせてもらった。俺が下した命の所為で、愛しい妻のシルフィーが板挟みで苦しむのは俺にとっても不本意だ。」
言いながら俺はシルフィーを抱き寄せて、濃厚なキスをした♡ブチューッ!
周りのエルフ達は大盛り上がり!
「王たま〜♡だいたんでち〜♡」
「王様♡羨ましいです♡」
「リオン神様!シルフィー様を幸せにしてあげて下さい!」
「シルフィー様♡どうか御幸せに〜♡」
シルフィーはというと・・・。
『ボンッ!!』という擬音と共に顔を真っ赤にして只今絶賛フリーズ中である♡
そして再起動するなり、
「リッリリリリオン神様!?いっいきなりの口付けは不意打ちなのです♡わっ私にもココロの準備というモノが♡でもでもぅ♡あまりに幸せ過ぎて私は胸が破裂してしまいそうですぅ♡」
やめろ!勿体ない!どうせなら俺が充分に堪能してから破裂してくれ♡
・・・と、冗談(?)はさておき、俺はシルフィーに命じて、例の空飛ぶ馬車でフォーチュン中の集落にメープルシロップを下賜して回る様に指示した。
同時に村の広場に先日下賜したのと同じ、2ℓの徳用メープルシロップを山と積んだ。
シルフィーが其れを全てマイ・マジックバッグに収納していく。
「リオン神様♡再びの大いなるお慈悲に感謝致します♡このシルフィー!責任を持って全集落にメープルシロップを配送して参ります!」
やれやれ、一悶着あったが何とかミッションコンプリートだな。
そうこうしてるうちに昼前の時間だよ。
嫁達の餌付けタイムだ!
今日のランチはコレだ!
暑い夏にピッタリのメニュー!
ありきたりな料理2つを組み合わせた新たな定番料理!
その名も、カツカレーだ!
・・・いや、日本では既に定番料理なんだけどね♡
福神漬けとラッキョウとビールを用意してランチじゃあ!
「!?!?なんと・・・!カレーの上にトンカツが鎮座しているだと!?リオンよ凄いのじゃぁ♡モグモグッこの味!もはや異次元なのじゃあ!ビールお代わりなのじゃあ♡」
「カツカレー美味しいですぅ♡ずっと食べたかったんですぅ!福神漬けも最高ですぅ♡ビールお代わりですぅ♡」
「カツカレー美味しいです♡ラッキョウも美味しいです♡ビールお代わりです!」
「カレーと福神漬けの組み合わせ・・・美味しい♡・・・トンカツと中濃ソースの組み合わせも美味しい♡・・・ビールお代わり・・・。」
「リオン様!お腹の子供はカツカレーが大層お気に召した様ですぞぅ♡カツカレーとビールどんどんお代わりだぁ〜♡」
だから一々お腹の子供をダシにするなと言うのに!
「リオン神様♡カツカレー美味しいです♡私とお付達にラッキョウとビールお代わりです♡」
「カツカレーだぁぁぁ〜♡1度食べてみたかったんだよぅぅ♡ガツガツッ相変わらずトンカツと中濃ソースの組み合わせ最高だよぅ♡それにカレーが組み合わさるともう天国だよぅ♡ビールお代わりだよぅ!」
「リオンちゃんあんまりなの!またまた隠匿罪なの!この分だとリオンちゃんはまだまだ美味しい料理を隠し持っていると見たの!とんでもない悪党なの!極悪人なの!〇ンポなの!〇ーケーなの!人間のクズなの!改心するなの!」
・・・最後の方はタダの罵詈雑言だぞ・・・。
相変わらずミオは口が悪いな。
勿論ルイーゼは例によって(華麗に)カツカレーをマジックバッグに(大量に)詰め込んでましたm(_ _)m
まあ予想通り嫁達によって全て食べ尽くされた訳だが。
これでランチ終了ではなーい!
カレーのスパイスでヒートアップした身体を、クールダウンするべく俺はデザートを用意した!
アイスクリームだぁ〜!
その事を嫁達に伝えると、全員目の色が変わった!
だがしかーし!アイスクリームとは言ったが、同じ味とは言ってない。
何もアイスクリームがバニラ味だと決まった訳では無いのだよ。
考えてもみろ?前世の地球で人類が繰り返した試行錯誤の量を!
クックック!リオンはあと10年は戦える!
俺は伊達に前世の日本で、31のような名前のアイスクリームチェーン店の常連客だった訳ではなーい!
定番のチョコアイスに、好みが分かれるチョコミント、個人的に俺の好物のラムレーズン等々取り揃えた。
前世で全メニュー1日全制覇に挑戦してお腹を壊したのは良い思い出だ。
ランチ第2ラウンドスタート!
「うむうむ、昨日のバニラ味も美味かったが、このチョコ味も美味いのじゃぁ♡」
「リオンさん♡ラムレーズン味美味しいですぅ♡お代わりですぅ♡」
「リオン様♡チョコミント味美味しいです!お代わりです♡」
「チョコ味美味しい♡・・・ラムレーズン味美味しい♡・・・お代わり・・・。」
「リオン様♡お腹の子供はまだまだクールダウンが足りない様です♡故にもっと大量のアイスクリームを所望致す!アイスクリーム全種類お代わりだぁ♡」
鉄の胃袋のロゼッタ・・・。
「リオン神様♡私とお付達にアイスクリーム全種類お代わりです♡」
「ふぇぇぇぇ〜ん!色んな種類のアイスクリームだよぅ♡どれも美味しいよぅ♡地球でも〇ー〇ィー〇ン入りたかったよぅ!」
「リオンちゃんは本当にスケコマシなの!これだけ立て続けに美味しいモノで餌付けされたら、ミオもうメロメロなの♡今晩はたっぷりサービスするの♡大地の精霊の閨房術をとくと御覧じろ!なの♡」
俺?心配ご無用!
予め山盛りご飯に海苔の佃煮で腹を満たしておいたのさ。
備えあれば憂いなし!
暑いからアイスクリームが美味しいですよね♡




