フルーツタルトの呪い!
暑い日にはさっぱりと♡
やはりというか、戻るなり飢えた嫁達からの昼メシの催促を受けて、早速料理を出す。
今日も今日とて暑いから、さっぱりといきます。
まずはサラダ。
但し何時もと違う変わり種のサラダだ。
ズッキーニ、アボカド、パプリカに、レモンとキウイフルーツを混ぜる。更にタコの薄切りを投入して、オリーブオイルベースのドレッシングをバジルとともに投入したら所謂カルパッチョの完成だ!
続いては主食の冷やしうどん。
予め茹でて冷やしておいたうどんを器に入れて、同じく冷やしておいた特製のツユを注いだ、いわば冷製かけうどんだ。
これだけだと味気無いから、上にお好みでオクラ、ナス、レンコン等の各種天ぷらをのせて召し上がれ♡
呑み助の嫁達の為にビールとチューハイを用意してランチ開始!
「おおお!冷やしうどん美味いのじゃぁぁ♡上に天ぷらのせると更に美味いのじゃぁ!ビールお代わりなのじゃぁ♡」
「リオンさん♡冷やしうどん美味しいですぅ♡レンコンの天ぷらも美味しいですぅ!チューハイお代わりですぅ!」
「リオン様♡このカルパッチョ美味しいです♡タコの旨味とバジルの風味が最高です♡」
「カルパッチョ美味しい♡・・・ズッキーニもタコも美味しい♡・・・ビールお代わり・・・。」
「リオン様!冷やしうどんと天ぷら全種類どんどんお代わりだ♡まだまだお腹の子供は満足しておりませぬぞぅ♡」
「リオン神様♡カルパッチョ美味しいです♡特にアボカドとキウイフルーツが秀逸です(*^^*)私とお付達に冷やしうどんと天ぷら全種類とチューハイお代わりです♡」
「わぁぁぁ♡カルパッチョだぁ〜♡何度かテレビで見た事あるよぅ♡まさか食べられる日がくるなんて夢みたいだよぅ♡冷たいうどんと天ぷらも美味しいよぅ〜♡」
「リオンちゃん♡うどん冷たくて美味しいの♡どんどんお代わりなの!カルパッチョも美味しいの♡ミオは精霊だから肥満とは無縁なの!今日も全部食べ尽くすの♡」
・・・因みに(予想通り)ルイーゼは、大量のカルパッチョと冷やしうどんと天ぷらを鮮やかにマジックバッグに収納して盗んで行きましたよ。
俺の耳には、『あ〜ばよ〜♡とっつァ〜ん♡』という幻聴が響いていた・・・。
おのれ〜またしてもル〇ンの奴め〜!
ん?俺の事は気にしないでくれ。
毎度おなじみ、何時ものデフォルトだよ(*^^*)
別に俺が塩むすび片手にビール飲みまくったのを見ていても面白くも何とも無いだろ?
午後、嫁達は恒例のお昼寝タイムだ。
俺も午前中に(珍しく)真面目に仕事したから、便乗してお昼寝しようとしたら、思わぬ邪魔がはいった。
俺の元にシルフィー(と愉快なお付達)が押しかけて来たのだ!
「リオン神様!ユーリさんから聞きました!何でも以前、創造神様やユーリさん達に、フルーツタルトという桃源郷の様な素晴らしいお菓子を振る舞われたそうですね(*^^*)後生でございます!何卒このシルフィーにフルーツタルトを下賜してくださいませ!」
ぐぬぬ!おのれ悠里め〜!余計な入れ知恵を・・・。
プーさんエルフ達にそんな情報を漏らしたら、そりゃー俺の元へ押しかけてくるわな。
どうするか思案していると・・・。
「話は聞かせてもらったの!」
いきなりミオが割り込んできた!
「リオンちゃん!ミオの耳は003の様なハイパーイヤーなの!少しでも美味しそうなワードはすぐさま聞き分ける事が出来るの!フルーツタルトなんて言葉、其れだけで物凄く甘くて美味しそうなの!ミオも是非食べたいの♡お供物として献上するなの!」
ヤバい!そう言えばミオもプーさん精霊だったよ><
しかし此奴らついさっきうどんや天ぷらを食いまくった筈何だが・・・。此奴らの体内はどうなってるんだ?
昭和のアメ車以上の燃費の悪さだな。リッター500mとか。
だがそうなるとこのパターンはもしや他の嫁達も・・・!?
「話はバッチリ聞かせてもらったのじゃ♡」
「あの時のフルーツタルト美味しかったですぅ〜♡」
「リオン様♡私もあの時のフルーツタルト食べたいです♡」
「・・・フルーツタルト・・・食べたい♡・・・。」
「リオン様♡お腹の子供の成長には甘いモノが欠かせませんぞぅ!」
「うわぁぁぁん!たしかにあの時のフルーツタルトは至高の味だったよぅ♡もう一度食べたいよぅ〜♡」
完敗だな。
嫁達の全会一致によるお強請りには逆らえない。
てかまさか嫁達全員が燃費アメ車かよ!
俺の心の中を読んだ様にダ女神が、(ドヤ顔で)
「リオンさん♡女性というモノはぁ〜、昔から甘いモノはぁ別腹なのですぅ♡なのでもれなくノープロブレムですぅ〜♡」
いやたしかに昔からそう言われてはいるけどさ!
・・・もういい。考えたら負けだ。たぶん・・・。
仕方ない(´・ω・`)ではフルーツタルトを地球より召喚・・・
ん!!?何やら背後より禍々しい気配が・・・。
嫌な予感がするぞぅ!はたして・・・
「オ〜ホッホッホ〜!!同じく!話は聞かせて頂きましたわよ〜♡何やら大変美味しそうな話をされていますわね?私も是非そのフルーツタルトというモノを吟味させていただきますわよ〜♡」
・・・何故ルイーゼママが此処にいるんだ!?
俺の顔を見たルイーゼママは、(ドヤ顔で)
「ウフフ♡いえね〜。何かこう、突然私の頭の中に、ズキューンと稲妻が走ったんですわ!今すぐリオン王の元へ行けと。今を逃すととても美味しいナニカを食べ損なうと!言うなれば皇妃としての勘ですわ♡」
エスパーかよ!?はたまたファンネルを操るニュータイプなのか!?
・・・皇妃が来たという事は当然・・・。
「リッリオン様♡先程ぶりですぅ〜。わっ私もフルーツタルト是非とも食べたいです♡」
え〜い!1人殺すも2人殺すも一緒じゃあ!
こうなったら全員まとめて餌付けしてやるわ〜!
時間的にちと早いが、アフタヌーンティータイムの開始じゃあ!
各種チョコレートにみたらし団子、三色団子、羊羹、きんつば等を用意した♡
メインは勿論フルーツタルト様だ!
存分に味わうがいい!
「やはりフルーツタルト美味いのじゃぁぁ!みたらし団子も美味いのじゃ♡」
「リオンさん♡相変わらずフルーツタルト美味しいですぅ♡きんつばも美味しいですぅ♡」
「リオン様♡フルーツタルトは定番の美味しさです♡羊羹お代わりです♡」
「・・・フルーツタルト美味しい♡・・・三色団子お代わり・・・。」
「リオン様♡フルーツタルトが全然足りませんぞぅ!コレではお腹の子供が栄養失調で死んでしまいますぞぅ♡フルーツタルトの追加を要求致す!」
・・・よくもまあここまで恥ずかしげも無くお腹の子供をダシに出来るな全く・・・。ある意味アッパレだよ(*^^*)
「うわあ〜♡やっぱりフルーツタルト美味しいよぅ♡この世界に来て初めて食べた至高の味だよぅ〜♡リオン様との愛の原点だよぅ〜♡悠里、立派に出産してみせるよぅ♡」
「リオンちゃん!これほど甘くて美味しすぎるモノを隠匿していたなんて!ギルティなの!罪深いの!罰としてミオにフルーツタルトを大量に供物として捧げるの!もう決定事項なの!異論は認めないの!」
「あらあらまあまあ♡これはこれは♡まさしくほっぺたが落ちそうですわね〜♡あの時自分自身の予感に従ってよかったですわ〜♡」
「リオン様♡フルーツタルトというモノは本当に美味しいです♡昔から母上の野生の勘はハズレた事がありませんでしたから。」
流石に甘いモノ尽くしだから、誰1人として酒を要求する者はいなかったよ。
唯例によって全て食べ尽くされたけどね・・・。
まぁ俺は胃袋に空きがなかったから、ちっとも悲しくはなかった。 まる。
ぐぬぬ!フルーツタルトの呪いの所為で、夜の宴までいかなかったでわ無いか!!無念なり。




