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リオンの政経済民論

果たしてリオンは馬車を買えるのか!

散々食い散らかした嫁達は、満腹になるや意気揚々とルイーゼの部屋からフォーチュンへと帰還した。

俺は現在帝国三人衆と食後のティータイムならぬ食後の飲み会に付き合わされている。

落ち着いた所でルイーゼが皇帝夫妻に先程の話を伝えた。

聞いた皇帝夫妻は(無理も無いが)驚愕していたよ。

「・・・リオン王!今の話は誠なのか!?もし本当ならばまさしく輸送と流通の概念が覆る案件だぞ!?」

「・・・にわかには信じがたい話ですわね・・・。宙に浮く馬車なんて・・・。正直リオン王からの話でなければ荒唐無稽だと判断しましてよ?」

まぁ無理も無いよね。だから俺としては腹案を開陳する訳だ。

「私としては、実際に御三方に見て頂くのが話が早いと思いまして。ただ残念ながら試作した馬車はエルフの所有している物でして、帝都で馬車を調達して改造すればすぐにでも見て頂けるのですが・・・。」

遠回しに是非とも協力して欲しいと匂わせる。

皇帝夫妻も流石に帝国のトップ、俺の意図を察したのか、

「リオン王。ならば態々此方から帝都へ赴かなくとも、木工ギルドを通じて帝都の余剰分の馬車をこの城へと運ばせる方が手間がかからぬ。」

「そうですわね。どのみち帝都内では余り速度を出せませんから、カラの馬車なら馬1頭で移動できますわ。早速木工ギルドに余剰分の馬車が何台あるか問い合わせますわね。」

正直助かったよ。俺としては何件かハシゴする事を覚悟していたからね。

「ありがとうございます。是非ともお言葉に甘えさせて頂きます。」

因みに俺含め4人とも俺の出したポテチとフライドポテトをアテにビール呑みまくっています(*^^*)

そして木工ギルドからの返答を待つ間に、公務を放ったらかしていた皇帝は、哀れやって来た宰相達に身柄を確保され、執務室へと連行されて行った・・・...(lll-ω-)チーン

今日一杯皇帝は解放される事は無いであろう・・。(合掌)


1時間後、酒盛りを続けていた俺達の前に、例の優秀な執事であるセバスチャン(仮)が現れた。

いや俺未だにこの人の名前知らないんだもん。

「皇妃様。只今木工ギルドより報せが届きました。」

セバスチャン(仮)が皇妃へと紙片を渡す。

「ご苦労様セバスチャン。すぐに指示を出す事になるから、暫く此処で待機していなさい。」

「畏まりました。」

(仮)がとれた!まさか本当にこの人セバスチャンって名前だったのか!!

「リオン王。木工ギルドに照会した所、現在帝都内では、受注生産と売約済みを除く馬車の余剰分は、凡そ50台強程だと回答がありました。リオン王は如何程調達なさるおつもりでしょうか?」

勿論全部・・・とはいかなくても、買えるだけ買いたい。

そう伝えると、

「・・・問題無いかと。ならば万一を考えて、キリの良い所で50台では如何でしょうか?数台残しておけば、火急の需要にも応えられるでしょうから。」

皇妃から何ともナイスな提案をして貰った。

「ありがとうございます。是非とも其の方向で話を進めて下さい。因みに資金はコレで賄って下さい。」

俺は予め用意していた袋を2つ皇妃の前に置いた。

「2つで合計フォーチュン金貨2000枚有ります。今回かなり無理を言って譲って貰う以上、相場よりもかなり多めに支払ってあげて下さい。あと、あくまでも名目上は皇帝陛下が購入したという形にしたいので、どうか良しなに。」

言うと、皇妃とルイーゼ、あと(仮)がとれたばかりのセバスチャンまで全員揃って顔がハニワになったよ。

「・・・リオン王!貴方正気なの!?夫である皇帝が馬車を大量に、しかも相場よりも遥かに高く購入して!?お金はリオン王が出す!?私でなくても相手の正気を疑うわよ!」

「・・・母上の申す通りですリオン様!失礼ながらリオン様のお言葉でなければ、発狂したのかと疑うレベルの話です。」

・・・やはりと言うか、分かっていない様だ。

「・・・俺は正気を無くした訳でもなければ、発狂した訳でも無い。俺の狙いはこの帝国の景気を良くする事だ。考えてもみろ。皇帝からしたら、馬車を大量にお高く買い上げたという名声が得られる。木工ギルドは今回の売却によって懐が潤う。すると木工の材料の木材の仕入れが増える。木材の需要が増えれば当然木材を生み出す木こりも潤うし、木材を運ぶ商人も潤う。運ぶ木材の量が増えると、商人達も新たに荷馬車を新調するかもしれん。結果巡り巡って木工ギルドに対して馬車の発注が増える。」

そう、この世界は地球の中世、12〜13世紀の文明レベルなんだよ。所謂『十字軍』辺りの技術や文化をイメージすれば良いかな。

何が言いたいかと言うと、この世界ではまだまだ経済概念が未発達だと言う事だ。

お金という物はまわしてナンボ!回せば回す程景気が良くなるんだよ。

馬車の調達というモノを奇貨として、俺は帝国の経済を発展させようと思い立ったんだ。

何故なら、経済が発展すればそれだけ帝国の税収が増えるからだ。

・・・なんて事を、俺は3人にコンコンと説いた。

3人ともハニワの顔をしながらも、俺の言わんとしてる事は理解したのか、小さく何度も頷いてるよ。

「・・・一応、納得致しましたわ。致しましたけど・・・。バラマキにしても、此処までやるとは・・・・。相変わらずリオン王は規格外ですわね。」

「リオン様の深謀遠慮も知らずに申し訳ありませんでした!」

「・・・このセバスチャン、感服仕りました。リオン王の思惑通りに事が運べば、まさしくこの帝国は更に発展する事でしょう。」

やれやれ漸く皆さん納得してくれたよ。

馬車は明日にも全て納入されるらしいし、1度ルイーゼを連れてフォーチュンに帰還しますか。

そろそろ嫁達が空腹を訴える時間帯だからね( ̄▽ ̄;)


案の定帰るなり嫁達にメシを強請られた!

よしよし、ならば今回は、

前菜にトコロテン。三杯酢でどうぞ。

お次はゴーヤチャンプルーだ。

俺特製のゴーヤに各種野菜、豆腐と豚肉を炒めて味を付ける。

メインは鶏の山賊焼きだ。甘辛いタレを塗った鶏肉を炭火でじっくりと焼き上げた。

主食はクレープにした。ハムやベーコン、トマトにチーズ、各種野菜をくるくると巻いて食べる。

組み合わせは各自お好みで。

スープはけんちん汁にしてみた。

因みに豚汁との違いは、味噌仕立てか醤油仕立てかの違いだ。

酒と共に宴開始!

「リオン♡鶏の山賊焼き美味いのじゃぁぁぁ♡松尾純米大吟醸お代わりなのじゃあ!」

「リオンさん♡ゴーヤチャンプルー美味しいですぅ♡けんちん汁も美味しいですぅ♡松尾純米大吟醸お代わりですぅ!」

「リオン様♡トコロテン美味しいです♡三杯酢が良く合います!松尾純米大吟醸お代わりです♡」

「・・・クレープ美味しい♡・・・けんちん汁も美味しい♡・・・。松尾純米大吟醸お代わり・・・・。」

「リオン様!私はクレープに野菜なんぞ入れませぬぞぅ♡うぉぉぉぉぉ!ハムよ!ベーコンよ!我が元へ集え!全て食べ尽くしてくれるわ!」

「リオン神様♡トコロテンもゴーヤチャンプルーも美味しいです♡私とお付達に野菜オンリーのクレープお代わりです♡松尾純米大吟醸もお代わりです♡」

「美味しいよぉ♡学生時代屋台のクレープどんなに食べたかった事か!夢にまで見たクレープだよぅ♡鶏の山賊焼きも美味しいよぅ♡ズズッ♡けんちん汁も美味しいよぅ♡」

「やるなの♡相変わらずどれも美味しいの♡ミオますます餌付けされたの!ミオの胸も身体もリオンちゃんのモノなの♡触っても揉んでも許すの!てか早くミオに手を出してなの♡」

・・・この後の事を語る必要があるだろうか・・・?

大半は嫁達の胃袋へ・・・。

残りは帝国の通い妻のとある袋の中へと・・・。

俺の手元には松尾純米大吟醸の一升瓶と具の無いクレープ1枚・・・。

毎度おなじみの、ぴえん。



ぐぬぬ・・・。今回も馬車が買えず。次こそは!

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