【079話】勝ち続ける覚悟
クラッシュ王国武術大会の会場に到着した。
「運賃が小銀貨4枚です」
「はい」
「小銀貨4枚。ちょうどいただきました!」
馬車に乗せてもらった代金を支払い。
俺とモナは、会場の中へと進んだ。
大会開始時間はまだ先なのだが、俺たちと同じように会場の雰囲気に馴染んでおこうという考えなのか、それなりに多くの人が集まっていた。
「結構多いな」
武術大会は3部門ある。
最初は、個人戦の本戦組を決める乱戦が行われる。
タッグ戦は、乱戦が終わり、それぞれのトーナメント表が決定されてから行われる。
「大丈夫よ。全員と戦うわけじゃないもの」
──確かに、勝ち上がり形式だから、規模の割に対戦数は多くない。
総当たり戦なんていうことをすれば、それこそ何ヶ月も掛かりそうなくらいの人数がいそうだが、実際戦うのは、この多くの中でもほんのひと握りの者たちだけだろう。
もちろん、勝ち上がれば勝ち上がるほど、相手は強くなっていく。
当然だ。
その相手もまた、並み居る強者を倒して上がってくるのだから。
「最初の方はいいが、ヤバそうな相手と当たったら、しっかりと作戦考えないとな」
「その辺は、レオに任せるわ。私は、目の前の敵を粉砕するだけだもの」
「了解」
モナは自身の冒険者としての実力が絶対的であると考えている。
敗北を知らない。
いや、これまでに明確な敗北というものを経験していないからだ。
──まあ、アレンとの模擬戦とかは別としてだけどな。
けれども、敗北なんて知らなくていい。
モナに負けは似合わないし、この先もずっと勝ち続ければいい。
敗北を知って強くなる。なんてことをよく聞くが、敗北を知らなくても人は強くなれる。
逆に敗北できないという焦燥感と意地を持ち続ければ、どこまでも成長していけると俺は考えている。
──なにより、これは負けたら終わりの大会だ。どんな相手だろうと、勝てるように動くしかない。
「モナ、勝つぞ」
「ええ、当然のことね!」
ぶつかってくる強敵。
それらを全て薙ぎ払い、俺たちは勝ち進んでいく。
それが例え、Sランク冒険者相手であってもだ。
同格であれば、倒せない相手じゃない。
Sランク冒険者としての経歴が浅いのは確かだ。しかし、それが強さの指標になるかと言われれば、真っ向から否定できる。
──大会への参加は初。一方、他のSランクパーティの者たちは、幾度となく大会に参加し、上位の成績を独占している。
けれども、今回、そうはさせない。
少なくとも、タッグ戦において優勝するのは、俺たちなのだから。
34000pt超えました。
ブクマ8000も達成しました。
ありがとうございます!




