【045話】眩しい笑顔を向けられて
「ほら、レオ。急いで!」
モナと俺は、全力で走っていた。
それも、昼食後にだ。
流石に横っ腹が痛くなってくるが、モナにそんな弱音を吐いた日には、「言い訳するな」と言われて終わり。
なにそれ、理不尽じゃね?
……なんて、口が裂けても言わないだろう。
俺は素直に追従する。
さて。
何故、こんなに走っているかと言われれば、モナがアレンとアイリスの姿を捉えたからである。
それもかなり遠く……。
アレンとアイリスを見失っていた俺たちは、一度高台から街を見渡そうという結論に至った。
その結果。
「いたわ! あそこよ!」
俺には米粒みたいに見えたが、モナにはしっかり認識できたようで、無事にアレンとアイリスの所在を把握することができたのだ。
──モナは、目がいいんだな。
視力がいいか悪いかで言えば、俺は普通である。
しかし、高所から街を一望した時に、ピンポイントで誰が何処にいるのかというのを探り当てるなんて芸当は到底出来ない。
「こっちか?」
「ええ、多分この辺りにまだいると思うわ」
「しかし、よく2人のこと追えたな。俺は、全く分からなかった」
「……魔法もちょっとだけ使ったから」
──ああ、そういうこと。
確か、一時的に視力を上げるような付与魔法をモナは使えたっけか。
それで、遠くにいたアレンとアイリスのことを視界に捉えることができたというわけだ。
実用的な魔法。
少し羨ましく思う。
「やっぱり、魔法って便利だな」
「レオも練習してみる?」
「いや、やめておくよ」
モナは、教えてやってもいいみたいな顔をしていたが、俺は即座にそれを断った。
俺みたいな完全物理受けの大盾持ちが、戦闘中に魔法を使えるとは思えない。
加えて、俺は魔法の教養もない。
習得するにも相当時間がかかることだろう。
……アイリスみたいな天才的に魔法が得意とかでない限り、魔法の習得はかなり大変なのだ。
モナは残念そうな顔になる。
申し訳ないが、俺にはハードルが高い。
──……ただ、暇な時間が確保できたら、モナに魔法を教えてもらうこともアリかもしれない。
「……まあ、モナさえ良ければだが、教えて欲しい時は、頼むかもしれない」
そう言うと、モナは嬉しさと自信に満ち溢れた笑みをこちらに向けてきた。
……そういう屈託のない笑みを不意に向けられると困るからやめてほしい。
──うっかり勘違いでもしてしまいそうになるから。
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