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【041話】個室での内緒話





「じゃあ、アイリス。アレンのことよろしくな!」


「はい、任せてください!」


 アレンの付き人役。

 それをアイリスに一任する形となった今回の密談。


 まあ、アイリスは後発の乱入者ではあったが……。


 とにかく、アレンの付き人は決まった。

 万事解決した。

 と、こんなことをぼんやりと考える。

 手を振り、パーティハウスに戻っていくアイリスを眺めていると、モナが手を握ってきた。


「じゃあ、少しいい?」


 ああ、そういえば時間が欲しいって言ってたな。

 俺は頷く。


「ああ、俺の部屋で話すか?」


「他の人に聞かれたくないわ。来て。いい場所を知っているの」


「えっ、あっ……」


「黙って付いてきて」


 そう告げるモナにぐいぐい引かれながら、俺はされるがままについていくのであった。




▼▼▼




 あまり繁盛してなさそうな酒場。



 店主以外に人がいない。

 店内は薄暗く、静かな雰囲気である。


「個室をお願い。防音魔法の効いてるやつね」


「かしこまりました。ご案内致します」


 モナは、慣れた感じに店主に話すと、そのまま個室へと足を進めた。

 いったい、どんな話をされるのやら……。


 ──俺、モナになんかしたっけ?


 一抹の不安はあるが、ここまで来ておいて「やっぱり帰りますなんて」言えるわけがない。

 俺もモナの後ろを同じペースで歩いていく。


「では、ごゆっくりどうぞ」


 店主が案内を終え、個室の扉を閉める。

 パタリと閉まる音。

 部屋には、俺とモナの2人きりとなった。



 ──気不味い。


 思えば、アレンの件を相談するまでモナとまともに会話が出来ていなかったという事実を思い出す。

 急にモナがこんな場所に呼び出してきたことも、彼女の気に障ったことをしてしまったのではないかと、ネガティブなことを考えてしまう。


「そこに座って」


「あ、ああ……」


 お2人様専用とばかりに椅子は2つ。

 俺はモナと向かい合うように席に着く。


 俺はモナの様子がどんなものか窺うが、モナは目を閉じたままその場を微動だにしない。


「……えっと、なんか頼むか?」


「そ、そうね……」


 話しかけると、モナはハッとしたようにそう受け答えをする。

 何か考え込んでいたみたいだが、空気が重くてかなわない。強引に飲み物を注文するという形で、状況の打開を図った。



▼▼▼



「お待たせしました。……ごゆっくりどうぞ」


 飲み物が俺とモナの前に届く。

 アルコール飲料は頼まなかった。

 モナが真剣な話だからと、釘を刺したからだ。


「……レオ」


「なんだ?」


「今日、レオを呼んだことの本題に入ってもいいかしら?」


 モナの凍てつくような鋭い眼差しが向けられる。


 ──ついにか。


 覚悟を決める。

 モナの問いかけに対して、俺は首を縦に振った。

 すうっと、モナが息を吸う音が聞こえる。


「……レオ、私たちもアレンとアイリスに同行しようと思うの」




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本当に嬉しいです。

読者の皆様には、本当に感謝でいっぱいです。

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