【039話】幼馴染対策をしたかったのだが、どうして俺が関係してくる?
「はぁ? アレンの幼馴染?」
「ああ、だからしばらくの間、アレンの身の回りに誰か付いていてもらいたいんだ。それでやっぱりモナに頼みたくて……」
「そんな話をなんで私にするのよ!」
「モナは仲間思いで優しいからな。まずはモナに伝えたかったんだ」
「そ、そう……」
俺とアレンが幼馴染のスカーレットと出会ったその日の夜。
俺はモナに昼間にあった出来事をパーティハウスの裏庭で相談していた。
内容はもちろん、アレンの身辺警護的なことである。
アレンの幼馴染であるスカーレット。
彼女の執念は想像している以上に大きいものかもしれない。
その可能性を見極め、俺はモナに頭を下げていた。
モナは相談当初、嫌そうな顔をしていたが、「優しい」の一言によって態度が軟化した。
……チョロい。
「お願いできないか?」
「うーん。そうねぇ……」
しかし、良い反応は返ってこない。
相当頭を悩ませている。
まあ、期間が不明瞭な上にプライベートな時間もそれなりに制限されてしまう。
モナにだって予定があるのだ。
それに加えて、モナは異性関係のトラブルが苦手だ。
貴族であった当時。
モナが経験した悪い思い出が根深くその苦手意識に作用している。
──だからこそ、望んだ回答が返ってくる可能性が低いことも理解していた。
「もちろん、モナに任せっきりにするつもりはない。俺も時間が許す限りやるつもりだ」
「レオも?」
「ああ、モナがどうしても外せない用事とかがある時は、俺がアレンの横に立つ!」
モナは困り顔になる。
そして、戸惑ったように俯いた。
「いや、別に嫌ってことじゃないの……アレンのためになるなら、全然引き受けてあげたい」
「ただ」とモナは続ける。
「……えっと、その。レオも一緒にやってくれるのよね?」
「ん? ああ、モナと交代でアレンに付いておこうとは、思ってる」
「違うわ。そういう意味で言ったんじゃないの」
「え?」
モナは俺の言葉を否定する。
顔がほんのりと赤い。
どうしたのだろうか。
モナは、俺の服の裾を掴み、上目遣いでこちらを見上げる。
「レオが一緒に居てくれるなら──。
その、2人でアレンの護衛をやるとかであれば、その話を引き受けても……いいわよ」
──俺同伴なら了承するってことか?
なんで、俺が関係してきたんだ?
心細いとか?
いやいや、モナに限ってそんなことを考えるとは思えない。
モナがどういう意図でそんなことを言っていたのか、この時の俺は全く分からないでいた。
だから、この先モナと共にアレンの動向を秘密裏に見守ってあげることになるなんてことも、今はまだ分かっていないのである。
本日2本目となります。
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