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カレー美味しい!

念願のカレーを食べたぞ!


この世界では辺境伯は侯爵の下の爵位って事でお願いします。

上の方が多いらしいのですが、下もありますので。

 湖のほとりでカレーキャンプ!


 侯爵家のモーリス様を誘ってカレーを食べる事になった。

 と、その前に正式に私からも挨拶をしなければ。


「セレスティアナ・ライリーです。お会いできて光栄です」


 侯爵と言えば、辺境伯より家格は上だ。しかし、侯爵本人ではなく、子息で次男。

 本人が爵位を賜っているお父様の方が確か身分的に上だけど、私よりは上の方だ。

 なるべく、失礼が無いように……。


「やはり君があの、大地の浄化を成した奇跡の令嬢か」

「たまたま女神様に御慈悲をいただきました」

「またまた、ご謙遜を」


 いや、別に謙遜じゃない。 てか、話を逸らそう。


「ともかく、食事の準備を致しますね」



 小型エアリアルステッキの稼働はやめておこう。

 来る途中にきちんと機能しているのは確認出来た。


 それと、ちょっと寒いけど、カレーの有り難みを最大限に味わう為に。


 ご飯とナン系、一応両方とも用意する。ご飯とナンはあらかじめ作って来て、亜空間収納に入ってる。

 なので、後はカレーを作れば良いのだ。


 肉と野菜を炒めて、水を入れ、沸騰したら灰汁を取る。

 にんじんに串がスッと通るくらいまで煮込んで、一旦火を止めて、沸騰が収まった時にキューブのカレールーを少し粗く刻んで入れ……弱火でかき混ぜながら煮込む。


 うーん、カレーの良い香りがする!

 このとろみ感、すごい私好みな日本のカレー感が有る。

 完成! ご飯と言うか、ファイバスとナン、両方とも出して、

 「お好きな方でどうぞ」と、言ってみた。


 とりあえず、侯爵令息のモーリス君に味を見てもらって知ってる香辛料を感じるか聞いて見ないと!


 彼はファイバスよりもナンを選んで、味をみた。


「確かに、この味、うちの領地で食されるカリーと同じ香辛料が入っているようです。

かなりとろみがあって、だいぶ味は違いますけれど」


 やった! やっぱりカレー食べてる人だ!


「その、香辛料、当方でも購入させていただきたいのです。 悪い話では無いと思います」



 なるべく上品に話さないと……でもやり過ぎると子供らしくないかな。



「そのように愛らしい瞳で懇願されると断われませんね。父と輸出について交渉してみます」

「ありがとうございます!」


「皆も食べてみて」ライリーもイケメン勢を見ると、

 お父様まで何故か固唾を呑んで見守っていて、まだ口にしていなかった。


「そうだな、せっかくティアが作ってくれたんだ。しかし、独特な香りがするな」


 私はファイバスにカレーをかけて食べる。


「美味しい……」



 久しぶりにカレーが食べられた……っ! 超嬉しい!


 お父様も私と同じようにしたせいか、騎士達もファイバスを選んだ。



「やや辛みのある料理なのだな。うん、美味しい」

「私は辛い料理も好きなので、とても美味しいです」



 なるほど、お父様とローウェは辛い料理も好き。



「お嬢様のお料理はいつも最高です!」


 正直で大変結構。

 ナリオも、もりもり食べてるから、これは真実だと思う。


「セレスティアナ嬢は料理もお上手なのですね、とても良いお味でした。

ところで……こちらの調味料はどこから入手したのですか?」



 そう来たか。

 確かに既に持ってるならそっちに頼めばいいのにって話だよね。

 まさか神様相手にまたくださいとか言えないのよ!


「いただき物なのですが、おいそれと頼める相手では無いのです」

「王族の方でしょうか?」



 残念! もっと上だ!

 むしろ我が国の王族なら殿下におねだりも出来たかもしれない。


「とにかく、我が国の内部で経済を回せるなら、それにこした事はありませんよね?」



 私は微笑みを崩さず、軽く首を傾げて手を合わせ、お願いしますのポーズをする。

 カレーの為なら媚びてみせる!


「確かに」


 モーリス様は華やかに笑った。


「モーリス殿、侯爵家の方に何かあってはいけない、ライリーの城に泊まってはいかがかな?」


「ありがとうございます、辺境伯。

ではお言葉に甘えたいのですが、実は侍従があそこに、二人ほど同行しております」


 視線の先にはカップルに見えた人が二人、少し離れた所にいた。

 ん? カップルに擬態していたのだろうか?


「もちろん、侍従も一緒にどうぞ」


 やっとモーリス様に近寄って来た二人を良く見ると、女性の方は褐色黒髪美女じゃないの!

 羨ましい! 素敵! 褐色ってセクシーだよね!


 男性の方は普通に白肌だけど、彼の領地の地元民では無いのかな。

 まあ、いいか。


 それより、デザートはどうしよう。

 一応プリンを用意しているんだけど。


 神様からいただいたバニラエッセンスの入ったものを、この人の前で出しても大丈夫かわからない……。

 とりあえず、保留。


 リナルドはいつの間にポシェットから出て、騎士からナッツを貰っていた。

 モーリス様も気になっているのか、じっとリナルドを見てる。

 は、はたから見ると可愛いペットのはず……。


 そんな訳で侯爵家の子息様をライリー城にお招きする事に。


 なるべく、神様から頂いた食材抜きの料理でおもてなしするべきかな。

 こちらが調味料買わせてって言うのに、あちらからこれ美味しいからうちも欲しいとか交渉された時に、神様に頼んで下さいとは言えないし、悩むな。



 * *


 ライリーの城に帰城。


 執事とメイドが慌ててお客様の部屋を用意する。

 その間、お母様に客の対応をお願いする。 

 なるはやで部屋を用意して貰うので、お茶でも飲んで待ってて下さいませ。


 

 その隙にお風呂に入って、温まる。

 ゆっくりバスタイムは、色々考えるのにちょうどいい。


 彼、モーリス様達は教会の転移陣でこちら、ライリーに来たみたい。

 一部の教会には転移陣があるそうだ。

 

 教会から知らせが届いた。

 知らせを持って来たのは伝書鳩だった。 え〜可愛い。

 レトロ可愛い。


 だけど、遅い。 連絡遅いよ、教会の人。 

 貴族とか高貴な身分の人が来てるなら、なるはやで教えて欲しい。

 でも、電話やメールが無いから仕方ないのかな。


 髪を洗うとシャンプーとリンスからお花の香りがする。

 モーリス様が言っていた良い香りってこれでは?


 騎士もほぼ同じ物使っているから、彼らからも良い香りがすると思うな。


 侯爵家では入手して無かったのかな。

 遠くで南の方には販路が無かった?


 ……花で思い出したけど、そう言えば、菜の花って前世ではよく河川敷にあった気がするし、そのあたりが良いのかな。


 観光だけならそこでも良いだろうけど。


 ……別に一箇所じゃなくてもいいかな。

 菜の花って溢れ種でも増えるよね。


 まず、観光目当てで温泉に行った時に河川敷でも菜の花とか見れたら嬉しいだろうし、あ、水車が使える所が良いか。


 ではやはり川の近くかな。


 お父様にやっぱり「水車が使える所」って候補地の条件を言っておこう。


 * *


 お風呂から上がって、エアリアルステッキをドライヤーの代わりで髪を乾かして、晩餐の為に準備をする。

 今晩料理を作るのは料理長達だ。


 神様から貰った物以外で美味しいものを作ってもらう。

 今夜は牛肉のステーキだ! これなら素材の味で勝てる!

 調味料は私の調合していたのを使っても良いとしている。

 こっちで見つけた物を混ぜて作ってあるので。


 着膨れもこもこをやめて、グリーンのドレスを着て食堂に行った。


「おや、ほっそりとされていますね、とても綺麗だ」



 ちょっとモーリス氏!



「あれは怪我防止に着膨れしていただけですので」

「もこもこも愛らしくて素敵でしたよ」



 そう言ってニッコリと笑う姿が様になっている。


 からかうように軽くいじった後に、ナチュラルに褒めて来る。 

 この方、やはり、アレでしょうか、モテナンパ系キャラ。

 まあ、顔が良いので似合ってはいますね。 悪く無いと思います。

 むしろ乙女ゲーにいたら、早めに攻略に行くレベルです。


 凄く女性にモテる人が、一人の女の子に本気になる様が良いよね? って思うので。


殿下のライバルが現れました。


この世界では辺境伯は侯爵の下の爵位って事でお願いします。

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― 新着の感想 ―
[一言] グイグイ行ってもさして抵抗せず手料理まで振舞ってくれるって、普通に考えたら自分に気があると取られてもしょうがないと思うの
[一言]  はいここにカレーを毎週食べる人が通りますよー。  ちなみに我が家はジャワカレーの中辛使用で、野菜はごろっと大きめチキンカレーです。豚も牛も旦那的にはナシらしい。
[一言] 爵位についてたしかに場合によっては同格扱いですからね〜 私の認識では 男爵<子爵<伯爵<辺境伯≦侯爵<公爵 であり、強い自治権と侯爵に準ずる権限、緊急時の備えの為に上納金(国への税金)の軽減…
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