File No.33:トクサツ花火合戦!!
【前回のあらすじ】
ブレイドピアの納涼祭として、毎年花火大会が開かれることを知って大はしゃぎのヒロミ。
ところがその花火をジャックスが占領し、町やW.I.N.Dに打ち上げて火災を引き起こした!
さぁ夏の終わりにトクサツ戦士に変身だ、ヒロミ!!
「クルックル~♪シャキーン!!」
もう情景はあらすじで説明したから省略!急いで変身して、火災消火と花火の出所を探さないと!!
「――巻~き毛クルクル!
――わ~たあめクルクル~♪
――クルリと回って……トクサツ変身ッッ!!」
掛け声が終わったと同時にベルト中央のシャッターが開き、虹色の結晶『トクサツールコア』が現れた!!
「そ~~れッッ!!!!」
――ギュビビビビビビィィィィィン!!!!!
(ナレさん)トクサツ少女・石ケ谷ヒロミは、変身ポーズでベルトの『トクサツールコア』にエネルギーを溜めることによって、【トクサツ戦士・HIROMI】に変身するのだ!!
超久々の変身だけど、皆思い出したかな?
空中一回転からのシュタッと着地!!
「――そーいや2ヶ月も変身してなかったトクサツ戦士HIROMI、参上ッッ!!」
――クルンッ♡︎(バイザー越しのウィンク時に出る効果音)
梅雨時の洪水以来、全然変身してなかったあたし。長いこと百合やらで脱線して申し訳ありませんでした(謝罪)。
「ヒロミさん!その前にW.I.N.D基地の火を消さないと!!」
「おっ、そうだった先に消さなきゃ!クルクル~~!!」
腕を交互に回してエネルギーチャージ、からの――!
「HIROMIちゃん水流!!」
(ナレさん)『HIROMIちゃん水流』とは、両手を組み合わせて指先から高圧の水を放出する人間消火器技なのだ!!
――HIROMIちゃん汁、ブシャーーーー!!
「HIROMIちゃん汁って……え、これ水じゃないの!?」
(ナレさん)水流から放たれる水はHIROMIの体内の水分なのだ!
「ちょッッ!!?お前そんな事したら……」
あたしの体内水分によって放たれる高圧水流によってドデカイ基地をも鎮火させた……のだが。タケルの不安は的中した。
「み゛……み゛ずを゛ぐだぜぇ゛ぇ゛……」
「バカ!!何て命知らずな事を!まだ火事残ってるんだぞ!!」
人の水分は10%失っただけでも死に至るらしい。
トクサツ戦士とはいえ、高圧洗浄機のように大胆に水を消費した事であたしの美貌ナイスバディ(仮)があっという間にやつれてしまった。
「ヒロミしっかりしなさい!!ほらサースマリン産のスイカよ!!」
フィーリアはバカップル二人で事前に食べようとしていた地元で取れたスイカを拳でかち割ってあたしに食べさせてくれた。
異世界のスイカって、元居た世界よりもとてもみずみずしいのね!シャクシャクとした食感と共に乾いた身体に染み渡る。
「――っはぁ……死ぬかと思った……!」
瀕死寸前でどうにか水分を摂取したあたしに潤いが戻った。
暑いときはこまめに水分と塩分を取ること!あと良い子はあたしの真似しちゃダメよ。もう金輪際水流はやらん。
「取り敢えず基地はもう大丈夫だ。後は下の地域の火災を食い止めないと!」
そうだまだ火災が残っているんだった。とはいえ水流は使いたくないし、何か消火するものは……
「ヒロミ、W.I.N.Dの火災用救助キットを使って!私達は花火を打ち上げた場所を見つけ出すから、急いで!!」
おぉーこっちの組織もやるじゃん!私は大柄なアタッシュケースに入っている救助キットをフィーリアに渡される。
「キューティクル号!!」
直ぐ様急行すべく、あたしはベルトで愛車を呼び出し、ジェットモードで乗り込んで飛び立った!
「ヒロミさん、お気を付けて~!!」
ルリナちゃんも手を振ってあたしの消火活動を応援してくれている。よーし終わったら夜空の下でムギューするんだ!!
☆★☆★☆★
――さーて救助キットの中身は……?
(インパルス消火銃と、補給水のタンクと、カプセル?)
インパルス消火銃は水と圧縮空気のタンクをバックパックと放水銃で構成された少ない水で消化を果たす携帯用消化装備。スペアのタンクはその補給を果たす。
もう一方はカプセルというよりも『弾』。第二次世界大戦で使われていた消化弾は中に炭酸ナトリウムを含み、その成分で火を消したんだって。
「よし、早速使ってみよ!」
あたしは滑空するキューティクル号に乗りながらインパルス消火銃を装備する。
一旦高度を落として、火災の起きている場所で消火銃を放つ!
――ビシュアアアアアアア!!!!
高圧洗浄機なんか目じゃない!凄まじい衝撃と共に高圧水流の放射であっという間に鎮火していった。
「続いて消火弾!!」
HIROMIちゃん1球振りかぶって、消火弾を投げました!!
――ポンッ!!
これもまた凄い、炭酸ナトリウムの入った弾1個で瞬時に炎を鎮圧させていった。科学の力ってすげー!!……何て喜んでいたその時。
――ヒュルルルル……
打ち上げられた花火があたし目掛けて向かってくる!!
「ちょっ……ヤバい!!!」
慌ててキューティクル号を急旋回して危険満載花火を避ける!
ドォォォォォォォン!!
たーまやー♪……って言ってる場合じゃないこらー!!打ち上げ花火は人に向けないって教わってるでしょ!!!
早く打ち上げてる場所を見つけないと……
『~~♪♪』
はっ、これはあたしが作曲した『トクサツ少女ヒロミのうた』の着メロ!(どんな曲かは御想像にお任せします)
「もしもし――?」
『ヒロミ!暴発の花火の出所が分かった!
ブレイドピア都心部の4-1-3、第4倉庫から砲台が確認されたんだ直ぐに向かってくれ!!』
「オッケー!直ぐに向かうわ!!」
キューティクル号前進!目指すはブレイドピア都心部第4倉庫!!
☆★☆★☆★
――はい、着きました☆
暗がりの倉庫の中に怪しい影、倉の連なる棟の中にドーンとそびえ立つ煙突のようなものをあたしは見つけた。
「……あ、もしかしてこれかな?」
やっぱり、煙突みたいと思いきや調べてみたら花火を打ち上げるための大筒だった!
普通花火は舟の上で筒を立ててそこで打ち上げるんだけど、こんな狭いとこでやってくれちゃって!壊してやるわ!!
「クルクル~の、『HIROMIちゃん・煙突倒し』!!」
――チュドーーーン!!!!グラッ……
(ナレさん)『HIROMIちゃん・煙突倒し』とは、煙突砲台の土台を爆破させて、西◯警察ばりにド派手に爆破させようぜと考えた特撮好きにはたまらない技なのだ!!
そーら、崩れるまでもうちょいもうちょい!
「倒れるぞーーー!!!!」
ズドォォォォオオオオオオオオオン!!!!!
爆音、土煙、何故か置いてあった火薬の爆破の3拍子によって倒れて木っ端微塵になった煙突大筒!これで暴発も無いだろう。
「ニィイイ!!何をしてくれたんだ貴様!!!」
ありゃりゃ、警備していた戦闘員達がやってきましたよ性懲りも無く!……ってあら?
「こうなったらこいつで吹き飛ばしてくれるわ!!」
戦闘員が手にとって、火を付けてシューっと火花を散らしているのは……ダイナマイト!?
「ひぇぇぇえええ!!」
慌てて逃げるあたし、そして終いには……
――――字でも分かる爆破!!!!
間一髪爆破から逃れたけれど、もぉぉぉ!何でこうもジャックスの奴等はドンパチしたがるのかしら!!
そんなに花火したいのならこっちだって考えがあるわ!
「思い切り遊んできなさいヒロミニちゃん!それっ!!」
あたしは英雄印のカプセルを投げて、渦巻き状の光線が弾け出たと同時に出ました来ましたヒロミニちゃん!!
「どんがらったはなびがきれいだな☆ヒロミニちゃんさんじょー!」
――くるるんっ♡︎(バイザー越しのウィンク時に出る効果音ミニバージョン)
そーいやヒロミニちゃん、あたしよりももっと前に出たっきりで戦いたくてウズウズしてたみたい。
「ニィイイ!」
またしても戦闘員がダイナマイト投げて来たよ!
「むー、くるくる~~の『ヒロミニちゃん・あおばけつ』!!」
するとヒロミニちゃんはドデカイ水の入ったバケツを持って、投げて来たダイナマイトを入れてジュッと鎮火させた。
花火をやる時はちゃんとバケツの水を用意しないとね!偉いぞヒロミニちゃん!
「ヒロミニ、こんなはなびじゃやだー!もっとおおきいはなびした~い!!」
そうだよね、子供はより派手なものを好む。それを手伝うのが大人の勤めだ。
「よーし!じゃあたしがとびっきりの花火出してあげる!!一緒に、クルクル~~」
「くるくる~~」
ダブルでエネルギーチャージが来たという事は、お待ちかねの大技だぞ!!
「『Wヒロミちゃん・イマジネーションスターマイン2020』!!!」
スターマインとは速射連発花火の名称。あたしとヒロミニちゃんでロケットランチャーと見まごうような9連大筒と脚付きのランチャーを出した!!
「よーし発射5秒前……3,2,1……」
あたし達2人は耳を塞ぎながらカウントダウン、からの……
「発射ーーーーー!!!!」
パンパン、キューン!と怒濤のロケット花火、大型花火に理屈ガン無視の水中花火と花火尽くしのオンパレード、これには戦闘員も見惚れる前に魂打ち上げられちゃう!
するとその数発が倉庫の中に入っちゃった。それに過剰反応したのが戦闘員。
「ヤバい!!!!倉庫の中に花火が!!」
「彼処に我々のアジトと数万トンの火薬が入ってるんだった!!!」
「………………はい???」
★☆★☆★☆
――――その倉庫の地下に創設されたジャックスのアジト。
そこにはあのベクター大佐とプロフェッサー・ファントムが高みの見物をしていたのだが……?
「……ん?何か焦げ臭くないか?」
「ふぇ?わしゃ屁なんかこいて無いぞ?」
んなアホな事言ってる場合じゃない!だって3秒後にはあの花火が……
――――花火ドンドコ連射音!!!!
「「わ゛ーーーーーッッ!!!!!!!」」
ロケット花火達の大はしゃぎに大パニックの二人、更にアジト指令室の奥の部屋にも花火が突き抜けて入ってきた。
「イカン!!花火が火薬庫の中に――」
――――――ズドドドドドドドドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォンンンンッッッッ!!!!!!!!!!
壮大な爆発音と、花火よりも高く打ち上がったドクロマークの雲がブレイドピアの夜空に咲いた。
その上空では辛くも脱出しキューティクル号で見守るあたしとヒロミニちゃん、基地から見守るルリナちゃん達。
そして爆発の際に避難していた住民達が揃いも揃ってこの言葉を放ったのだった。
「「「――へっ、汚ねぇ花火だ☆」」」
ヒロミ「全国の良い子の皆!
市販の花火をやる時は周りの迷惑にならない所で、水のバケツを持って、必ずお父さんお母さんと一緒にやろうね!」――クルン♡︎
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皆さんの応援が作者だけでなく、ヒロミ達のファンレターになります!!!