File No.31:ヒロミ、百合パーティ始めました。
トクサツ少女・石ケ谷ヒロミは、異世界へ転生された(自称)花の美少女である!
彼女が転生してきた世界は、悪の組織に支配された英雄都市【ブレイドピア】である。
神より授けられたチートツール【トクサツールベルト】で『トクサツ戦士HIROMI』に変身しながら、いつかは巨乳になるために……な訳じゃ全然なくて!!
英雄異世界の平和を守るために戦うのだ!!
――あたし、石ケ谷ヒロミ!
前回のあたしの住んでいたマウンペアの町が洪水にあってから、約二週間が経った。
洪水での街並み整備の後始末も終えて、ようやく町が落ち着きを取り戻した頃……
「ルリナちゃん、アイラブユー♡︎」
「ヒロミさん、ユーラブミー♡︎♡︎」
今日も今日とであたしとルリナちゃんはむぎゅ~のイチャイチャタイム。
これがあってこその真の平和と言える一時なのかもしれない。
……でも、そろそろ二人でイチャイチャも飽きてきちゃった。
だってあの洪水事件から一向にジャックスの輩は姿を現さないし、W.I.N.Dのタケルとフィーリアもあたし達と同じようにイチャイチャして飽きてる頃だろう。
んー、何か変化が欲しい。あたしとルリナちゃんのラブラブに革命を起こせるような何かを…………あ!そうだ!!
「ふぁあ!?ヒロミさんどうしたんですか急に……」
突然のイチャイチャキャンセルに驚いたルリナちゃん。
「ルリナちゃんに会わせたい子が居たんだった!『ローヤルゼリー』で!!」
「『ローヤルゼリー』……?あのサウザンリーフ地方にあるナイトクラブですか?」
その通り。かつてジャックスの怪人だったビークイーンこと『マリー・B・クイン』が経営している大人のバー、それが【ローヤルゼリー】である。
「こないだの洪水を引き起こした小公女、ローヤルゼリーのコンパニオンになったって話」
「えぇッ!?ちょっと気になりますね……」
「でしょでしょ!?だからあたしと一緒に今夜行ってみようよ!!」
「んー、そうですね。たまにはあの人達と顔を会わせてみましょう!」
ルリナちゃんも物好きというか、何というか……知り合いで託つけていても断らない所を見ると、彼女もイチャイチャにマンネリを感じていたと見た。うんきっとそう。
☆★☆★☆★
――サウザンリーフ地方・ナイトクラブ【ローヤルゼリー】。
「――いらっしゃ……あらヒロミちゃん!お久しぶりぃ!!」
ボンキュッボンなナイスバディな女王蜂コスチュームをしているのが、経営主の『マリー・B・クイン』さんだ。
怪人の頃は肩こりそうな程の巨乳が淫らに感じるほど妖々しいオーラを放っていたが、今やそのイメージも脱却。
梅にウグイス、マリーさんにハチミツとばかりにハニーな甘い香りが漂っていた。
「マリーさんお久~♪今日はルリナちゃんも誘いに来たよ!」
「あらルリナちゃん!!来てくれてありがとう~♡︎」
「お久し振りです!」
挨拶がわりにルリナちゃんとマリーちゃんが熱々のむぎゅ~を交わす。
ダイヤモンドセクシーのルリナちゃんと、ハニーセクシーなマリーさんのたわわに実った巨乳ダイナマイトが押し合って最強に見えた。目の癒しですわ☆
「今日はどうしたの?二人揃って」
「いやね、ここ最近家で二人イチャイチャも飽きちゃって……」
「それと久々に戦闘ちゃんや、小公女ちゃんに会いたいなって来ちゃいました!」
あ、そーいや戦闘ちゃんもいたんだっけ!あの3人組も元気してるかな~?
「成る程ね……だったら、たまには私達の御奉仕受けてみない?ローヤルゼリーの百合パーティー!!」
「「百合パーティー!?」」
なんだその聞いただけでもLOVEアイランド気分なパーチーは!!?
「さぁさ、早速始める前に……二人にオーダーしておかないと、ハチミツのカクテル『エル・ドラード』を!」
『エル・ドラード』とは、テキーラとレモンジュースにハチミツを加えてシェイクしたものを、オールド・ファッションド・グラスに入れた実際にあるカクテルなのだ。
あたしもルリナちゃんも二十歳越えてるとして……強いかどうかと聞かれると、微妙である。
「そんじゃ……乾杯!」
「「乾杯!」」
3人はグラスをカチンと鳴らしてカクテルを口に運ぶ。
「~~~~!!!」
……くぁあ、きっつー!!カクテルと言えば聞こえは良いけどアルコール度数が高いテキーラがメインだもの喉に来るわねこれ!!
ルリナちゃんはどうかしら?
「もう一杯良いですか?とても美味しいですぅ♡︎」
「あら嬉しいわ!」
……マジか。強い方だったとは。
「それじゃほろ酔いの所で呼んじゃいましょうか、皆来てちょうだい!!」
「「「は~い♡︎」」」
久々のお酒に酔いと気持ちがハイになりかけてるあたしの目の前に現れた、やっと出ましたコンパニオンちゃん!
「「「ヒロミさん、お久しぶりですぅ♡︎」」」
「あー戦闘ちゃんら~☆」
……やっべ、あたしカクテルに押されて呂律が回らなくなってきてる。
ふわ~っとなりながらも例の黒レオタードとフェイスペイントは良く目立った。
「それと、貴方がセレナちゃんですね」
「は、始めまして……セレナ・ブルーレインです……」
ルリナちゃんと初対面するは、改心した小公女のセレナ・ブルーレインちゃん。プリンセスのキラキラなドレスとは裏腹に緊張してカチンコチンだ。
「私達の御奉仕はね、この中から3つのコースでお客様をもてなすの。
一つ目は戦闘ちゃんのドSチックハーレムな受け身のコース。二つ目はセレナちゃんの悲しみでメランコリーに慰めていく責めのコース。
そして私自らおもてなしするローヤルゼリーコースの3つ!!掛け持ちも可よ」
何か妙に如何わしい店っぽい雰囲気になってきたわよ!?
「じゃ、私はセレナちゃんのコースで!」
「あ、ありがとうございます!」
ちょーい、少しは抵抗とかちょっと待ってくらい言いなさいよルリナちゃん!!
「え、えっと……あたしは……」
幾ら彼女らが改心したとはいえ、こーゆー雰囲気にはまだまだ弱い私はしどろもどろになる。するとそんなあたしを催促してきたのは、残りのメンバー全員だった。
「あらぁそんな恥ずかしがること無いじゃない!いっそのこと私と戦闘ちゃん皆纏めて指名しちゃいなさいよ~♡︎」
「「「そうですわ~♡︎」」」
結局強制じゃないのよ!!!!…………あ、あれ?
何だか身体中がポカポカと火照って来たみたい……?
「うふふっ、やっと効いてきたわね。私の特性ハチミツ『ミルキィハニー』の効果♡︎」
……え?ハチミツ??
「さっきのカクテルに入れたこのハチミツはね、貴方達二人のフェロモンを刺激させて、より熱い女の子同士のイチャイチャが出来るようにさせる薬を調合させたものなのよん♡︎」
――――ちょっと待て、それって……
媚薬ぅぅぅぅぅぅ!!!!?
ハチミツに媚薬入れてカクテルにシェイクしたのこの人!?
…………んぁ、ダメだ、そーしてる間にも酔いと媚薬効果で今にも戦闘ちゃん達に抱きつきたくなっちゃう……♡︎☆
「さぁ、いらっしゃい。私の胸の中へ……一輪の薔薇よりも美しい百合の世界へ誘ってあげるわ…………♡︎♡︎♡︎」
☆★☆★☆★
「……ここが例の『ローヤルゼリー』なの?」
「そうだ。本当はフィーリアを連れていきたくはなかったが……」
あたし達の修羅場が起きる寸前であるのも知らず、ローヤルゼリーにやってきたのはW.I.N.Dのタケル達。
ここ最近誤解が招いてフィーリアに浮気と勘違いしては殴られているタケルは、痺れを切らしてローヤルゼリーに通い詰めて無いことと、フィーリアにもこのバーの事を知って欲しいために呼び寄せたのだ。
「……ほら、入れよ」
「何で私が先に入るのよ!利用していたタケルきゅん♡︎が入りなさいよ」
「仕方ないな……」
タケルは渋々と店の入り口のドアを開いた。
……でもタイミングが悪かったわね。だって店の中では――――
「「ウフフフフ……」」
「ほらぁ!私のレオタード触ってごらんなさい!」
「私ずっと辛かったんですぅ……院長先生とラビニアがしつこく文句言われる気持ちが貴方に分かって?アーメンガード!?」
「可哀想に……あとアーメンガードって誰??」
「私のおっぱい気持ちいいでしょ♡︎」
「ふぁぁぁあああ…………♡︎♡︎♡︎」
――――バタン!!
「…………どうしたの?タケルきゅん」
「――――――今日は帰るか」
「えぇ!?貴方さっきまで桃源郷みたいだとか言ってたじゃないの!?」
「桃源郷じゃない……魔境だありゃ!!」
その後ルリナちゃんはすっかり小公女トークで満足したのと、あたしは天昇しすぎて天国への扉を開きそうになったのは、正直どうでもいい話なのであった。
ヒロミ「全国の良い子の皆!
今日7月16日はこの小説の作者のkazuの誕生日なんだよ!!……と言っても特に何もしないので気にしないでねw」――クルン♡︎
そしてブックマーク、感想、評価等でこれまで以上にヒロミ達を応援しよう!!
皆さんの応援が作者だけでなく、ヒロミ達のファンレターになります!!!