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彼女の記憶
『一つ、君たちの思い出の場所に連れて行こう。』と言っていたが、君たちとは、俺と、俺以外の誰を指しているのかわからなかった。そのことに対して彼は、『それは行けばわかる。』と言った。
「着いたぞ」
外を見るとそこは遊園地だった。
「残念ながら今日は遊ぶ気はない、ただその思い出の場所に行くだけだ。ダメかな?」
なんだろう?と俺は疑問に思ったがそこは聞かなかった。
ここが思い出の場所…
「うぅ…い…た…い…」
いきなり頭痛が俺を襲った。
『奏!こっちおいで!』
と明るい女の子が言ってる。
「ふ…み…か…?」
その女の子は文香だった。
『写真撮るよ?はい、チーズ!』
2人で、写真を…
「文香!」
俺は思わず声に出してしまった。
大事なものを忘れていた。あの日から、大事なものを、文香は…あの人は俺の彼女だった。
「思い出したか…これで事件の真相に近づけたらいいが…」
犯人はなんとなく思い浮かんだ。思い出したんだ。
犯人はきっと、あの男だ。