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heartache by the number

 たった数分ほどでルーキーハンター達を無力化したステインは、ギルド本部に報告するために陥没した地面から抜け出す。ジョシュアとエルザは自力で抜け出せたものの、エクスレイの顔はひどく青ざめていて、全身が小刻みに震えている。


「たった1回魔法を使っただけでそんなになるなんて、とてもじゃないけどあなた戦闘向きじゃないわよ」


 エルザが心配するでもなくそう言うと、エクスレイはひきつったような笑みを浮かべた。


「はは……それは重々承知しているよ……」


 エクスレイの魔法の代償は大きい。このように、たった1回魔法を使っただけで立っているのでさえやっとのようなありさまになるのだ。


「手を」


 ジョシュアが地面に腹ばいになりながらエクスレイに手を差し出しながら言う。エクスレイも震える手でジョシュアの手をつかむと、ジョシュアは歯を食いしばってエクスレイを力任せに地上に引きあげる。


「あぁ、ありがとう……」


 エクスレイはひどく体調が悪そうで、草地にそのままごろりと横になる。


「エルザ、本部に連絡してくれ」


「もうしてるわよ」


 エルザは携帯電話を耳に当ててそう応える。


 携帯電話。魔法工学の結晶だ。ほんの数十年前、科学ギルドと魔法ギルドの戦争から始まった「魔法科学」という分野は指数関数的な成長を遂げ、それ以前では考えられなかった通信端末や望み通りの規格の魔法触媒、はたまたキッチン用品にまで普及している。


 遠隔地でありながら音声での連絡ができる魔法なんて、おそらく今後も登場しないであろう。


 エルザがギルド本部に報告をしている間に、ジョシュアは地下の無力化したルーキーハンター達を見遣る。全員生きてはいるが、文字通り「生きているだけ」のものもいる。彼はセレブロを構えると、数名はびくりと肩をはねさせた。体内で炸裂する炎の銃弾なんて、絶対に食らいたくない。


「俺たちを殺せと命令されたのか?」


 ジョシュアが問うと、動けるものは一斉に首を横に振った。ジョシュアにとってはそれで十分だったようで、彼はセレブロを仕舞った。




 

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