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最終試験

「それで、どうやってここを出る? あいにく俺たちグレイブディガーには探知魔法なんて使えないが」


「いらないわ。私、こういうのは得意なのよ」


 エルザが短くそう答えると、彼女は太ももから短いナイフを取り出す。その場の面々が不思議そうにそれを見つめると、エルザはナイフの先端を鍵穴に突っ込み、魔力を込めだす。


 あっというまにナイフの先端がドロドロに溶けだし、鍵穴を埋めた。


「これでカギはできたわ。あとはこれを回せば」


 かちゃん、という小気味良い音とともに錠が外れ、エルザが扉を開ける。真っ白い光の中に進むエルザの後にステインと、それからグレイブディガーの面々が続いた。


 数メートルほど歩き、そして瞬きをした瞬間、現れたのは石造りのアリーナである。観客の数はまばらだが、ざわざわとした声が空間を埋める。アリーナの反対側では、「エレクトリック・カフェ連合」が「ステイン・グレイブディガー連合」を見つめている。


アリーナの中央に立っているのは、ギルド本部で試験内容を説明したスーツの女性だ。


「……まさかどのギルドもカギを見つけずに、そして参加者全員が試験を突破するなんて前代未聞です」


 あきれたようにため息を吐き、女性は言葉を続ける。


「最終試験を行います。内容はギルド対抗の戦闘試験。各ギルド2人ずつ選出して、互いに戦闘不能かギブアップまで戦ってください。武器の使用以外、魔法の使用を含めてすべてを認めます」


 その言葉にジョシュアの口元が引き裂けんばかりに吊り上がる。目元の笑っていない口元だけの笑みにたまらずグレイブディガーの4人は少々驚いたようだが、彼が何を言わんとしているのかは分かったようだ。


「ここは俺が行くからな?」


「それじゃあ、グレイブディガーとして俺も出る」


 ジョシュアの隣に並んで、グレイブディガーのマスターもそう言った。

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