なし
生まれた時から、この下水臭いスラムで育った。
もちろん幼い頃から貧乏だとか
そのようなことは感じたことはない。
周りをみれば盗み、強姦、殺人、さまざまな
犯罪、それが常識、日常であった。
いつしか生きるためには自分も周りと同じ
日常に溶け込み、命を繋ぐためならなんでもやった。
どうやら私はこの世界では一等悪党だった様子で
そうした経験から依頼をされるようになった。
依頼の内容は外の世界からが主で簡単に言ってしまうと敵対するものの殺害。
このようなスラムの人間に依頼するのは合理的というか、自分の手は汚さず世間からも発見されずらいように思えた。
好き好んでこのようは糞の掃き溜めの様な場所に
足を踏み入れるものはそれこそなにか尋常ならない
問題を持っている者だけであった。
さて今日はどの様な依頼だったか、、、
外のことはわからないがこの仕事だけには
自信があった。その証明に私は今日まで
この野生に近い場所で生きてそこそこの生活を
するまでになっている。
さっそく舞い込んだ仕事の依頼に目を通す。
「…まったく…こんなことでこの額か…」
内容はある人工人間のデータの奪取。
今まで請け負ってきた仕事に比べれば
楽なように思える。