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第7話 過去の記憶


放課後。


俺はそそくさとこの場から退散しようとしていた。


今日の日程も簡単なもので、係り決めや席替え、委員会だけで終わった。


まぁ今日あった出来事とすれば席替えで隣の席があの厨二発言した黒川里奈になったって事くらいかな。


自分で言うのはなんだが、俺は人を省くことはしたことがないためよくわからないが、人の本質を理解した上で避けるのならいいと思うが(まぁあまりよろしくは無いが)理解していないうちにその人のことを理解したと思って省くのはどうかと思うな。


まぁたしかに黒川さんはちょっと変かもしれない。


今日も終始笑顔だった。


笑顔というよりニヤニヤしていた。



帰り際。


俺は帰ろうとしている黒川さんに今日のことを聞いた。


「黒川さん、今日なんかあった?」


すると黒川さんは笑顔でこちらに振り向いた。


「うふふ、最近クロミナが楽しいんですよ…」


そうなんだ。


まぁクロミナ楽しいのは知ってるけどそれは昔から知ってることなんじゃ無いのか?


もしかして初心者か?


いやまさかな。


自己紹介の時にあんなクロミナの発言しておいて初心者はないだろう。




帰宅後。


俺はすぐにクロミナの世界に入った。


4時から唯一のフレンドであるリナとクエストに行く約束をしているのだ。


俺は楽しみだった。


集合場所はクロミナ界の中心都市「ラミナ」のカフェである「ラミ=cafes」。


説明をしておくと、クロミナの中には5つの世界が広がっている。


1つはプレイヤーの身の安全が保障された主にチャットや電話、掲示板等を利用する人が多い中心都市「ラミナ」。


「ラミナ」ではクエストに行く人の集合場所としても利用されることが多い。


そのため年中人で溢れかえっているらしい。


2つ目以降はクエストが行われる俗に言うバトルフィールドである。


巨木に囲まれた巨大森林「ガイア」、草木一本も生えていない荒野地帯「カルム」、地平線の先まで広がる広大な海「アクア」、広大な山々が連なる山脈地帯「キルタイト」がある。


アップデートによる更なるフィールドの解放も宣言されている。


あぁ、そうそう忘れていた。


もう1つフィールドがあった。


1年前に追加された昨日ぼろ負けした魔王軍の領域がある。


この世界に名を連ねる勇者が主に行くらしいが、未だ成功した試しがない魔の領域である。


まぁそんな高レベルなところは一生経っても行けないんだろうな。


そんなことを考えていると約束の時間になった。


俺は急いで転送魔法で中心都市「ラミナ」へと向かった。


魔法はレベル10にならないと使えない。


昨日のうちにレベル10に上がったのは言うまでもない。



「ラミ=cafes」に着くとリナが座っていた。


すぐさまVC.をつなげる。


「よ、リナ。待ったか?」


俺が話しかけると驚いた様子で


「あっ、カイト!遅いよぉー」


と、少々怒り気味で、でも嬉しそうに答えた。


「カイト!今日は私の話を聞いてくれるんだったよね?」


ああ、そうだった。


俺は昨日の夜、明日リナの話を聞くことを約束していた。


その時はすごい嬉しそうにしてたから乗ったんだが。


まぁ楽しそうだからいいか。


「そうだったな。じゃあ聞くよ。」


そう言うとリナはやったー、と言って話を始めた。


「カイトはさぁー魔王軍倒したいとか思う?」


「え?」


急な問いかけに驚いた。


俺になんか無理だろ。


「現段階で魔王軍を倒すためには対抗するための武器が必要だって話はしたよね?」


俺は頷いた。


「その剣が前から言ってる"聖剣"なの」


そのままリナは興奮気味に続けた。


「でもその剣は未だ一度も姿、形を現したことはないの。それってとっても興奮しない?なんかゼ◯ダの伝説のマ◯ターソードみたいで!」


伝説系が好きなのは知っていたが、ここまでとは。


顔を赤らめながらまるで剣に恋してるかのような喋り口だ。


なんだ?


俺は剣との恋バナを聞かされてるのか?


まぁリナが楽しそうならいいか。


「それでねそれでね!私のお父さんがクロミナの制作会社の管理人なの!だから"聖剣"の持ち主を調べてもらったの!そしたらね、名前が分かって、名前が君と同じ"カイト"だったの!」


ふーん、なんか聞いたことのある話だな。


名前が一緒なのはそれはいるだろうな。


世界にはカイトという名前のやつはいっぱいいるだろうし。


「それが俺と繋がってくれた理由か?」


俺は意地悪ながら聞いてみた。


するとリナは少し困った顔で


「え、ううん。別にそういうわけじゃないよ。ただ初心者の人を探していただけなの。」


と言った。


「そうか」


いいやつじゃんか。


それにしても相槌打っているだけじゃ少し本当に聞いているのか不安がられてしまう可能性がある。


少し質問しよう。


「その剣の名前は知っているのか?」


俺の質問を聞いて嬉しそうに答えた。


「うん!えっとね、"魔滅剣シャイリアル"だよ。」



まめつけん、しゃいりある…?



その時。


俺は急激な頭痛に襲われた。


キーンという耳鳴りもしてきた。


なんだ?


何が起こった!?


「どうしたの?カイト?大丈夫?」


リナの心配を聞いている暇はなかった。


これは…なんだ?


ガンガンと頭の中で誰かに叩かれているみたいだ…!


俺はその時、脳に誰かの見ている視界が映し出された。


これは明らかに俺の部屋…。


じゃあ俺か。


これは…いつだ?


スマホを片手に時計をチラチラと見ている。


このスマホ…5年前か?


そしてカチッという時計の音とともにとあるスマホアプリを起動する俺。


そのアプリはー…。



「クロミナだ。」



間違いない。


俺は5年前からクロミナをやっていた!


はっきりとその事実を思い出した。


でも俺のクロミナのデータが入ったスマホは壊れた。


もうデータは残っていない。


そのことをリナに伝えようかと思ったが、今更話してもどうしようもないことだと理解した俺は話すことをやめた。


もしデータが残っていれば5年間も放置してたんだ、最強になっていたかもな。


でもデータが入った携帯が消えた今、どうすることもできない。


「悪い、リナ、急に親が入ってきてさ」


俺は話を戻した。


リナはそうなんだー、と言っていた。


少しだけど記憶が戻った。


でもその事実は凄いことだ。


まだ何か忘れてる気がするな…。


しかし、気のせいだと思った俺はリナとの話に集中した。


第7話見てくださりありがとうございます!

毎日投稿していきますのでブクマ登録していただけると嬉しいです!

感想、評価もお待ちしてます!


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