表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
50/54

第1話 反応

全面的に改装しようかしら。

4月17日日曜日。

全世界20億ダウンロードを超える人気SNSアプリケーション「放置対戦☆クロスラミナ(Neglected battle=Cross Lamina)」は壊滅した。


この事実は世間ではほとんど知られていなかったが、明らかおかしい状況を見て察する人も少なからずいたと思われる。

第1にSNS(ソーシャル-ネットワーキング-サービス)の停止が挙げられる。

このアプリケーションの要とも言える掲示板やチャット、通話等のサービスが使用できなくなった。


第2にログイン停止。

そもそもこのアプリケーション自体にログインすることができなくなった。

この事実はこのアプリケーションの壊滅を示唆する根幹となっている。


そして最後にまたもやこのアプリケーションの要である放置システムの中断。

壊滅前のデータは全て運営のサーバーに保存してあるためセーブ内容等が異なる、もしくは消えることはないが、それを認めることは壊滅もしくはその他のなんらかの要因を少なくとも認めることになるため運営の口から保存データについての話が出ることはまだ後になることだろう。

だが、このアプリケーションの要である"放置"というシステムがなくなった以上このアプリケーションの存在意義すらも揺らぎ始めていた。

そもそもアプリケーション自体にログインができない以上アプリケーションとしても成り立ってはいなかった。

ただ開くと"coming soon"と書かれ、円状の何かがずっと回っている状態になっており、スマホ等のストレージを圧迫するだけの存在に成り下がろうとしていた。


世間ではこの状況を「新しいアップデートの準備だ」と考える人や「新しいハードへの対応の準備をしているんだ」と期待に胸を膨らませる言葉がある一方、SNSはおろかログインすらできない状態を不審に思い、辞めてしまう人もいた。

その間に他のSNSアプリケーションが普及したが、やはりクロミナを望む人は多く存在した。

一時期"クロミナ・ロス"という言葉が流行った程だ。

世界はクロミナを待っていた。




「今だ!」

管理オペレーション室にプレイヤーの声が響く。

ついにこの時が来たか。

私、いや我々はこの方法だけは取りたくなかった。

私がこのボタンを押すと「放置対戦☆クロスラミナ」というアプリケーション自体が消えるようなものだ。

自ら生み出した最高の作品を自ら消す。

それは他の誰かによってそうせざるを得ない状況になってしまったのだが、もっといい方法はあったのではないかと少し考えてしまう。

しかし、私にはそんな考えている時間すらも惜しい。


わかってる。

一番に運営として避けなければならないことはプレイヤーの個人情報の漏洩だ。

このまま放っておくとクロミナの世界及びクロミナに登録している何十億ものアカウントの情報に関する権限が奴の手に渡ってしまう。

それはなんとしてでも避けなければならなかった。

だから私は押した。

クロミナの世界は幾らでも作れる。

幾らでも再生できる。

だが、プレイヤーの情報が漏洩し、拡散された時は元の形への再生はできない。

そしてそれとともにこのアプリケーションの信頼の再生も不可能だろう。

これによりクロミナとしての運転は一定期間できなくなった。

なにも機能しないアプリケーションになってしまうだろう。

でも、それでいても我々は変わらない。

信じてくれるプレイヤーの為にも、再生へと事を進める。


我々の第1のモットーは「全てのクロミナプレイヤーを楽しませる」だからだ。


久しぶりの投稿になってしまい、申し訳ないです。

気長に待ってくださるとありがたいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ