第2話 Synopsis
俺は5年と1日前。
「放置対戦☆クロスラミナ」がリリースされた直後にこのゲームを始めた。
初回限定早期入会者ガチャがあり、そこで2回ガチャを引いた結果、"聖騎士エグバート"と"魔滅剣シャイリアル"が出た。
俺は喜びのあまり、携帯の充電が無いことを無視してプレイを続けた。
そして、そのまま俺はクロミナにログインした状態で充電が尽きて電源が切れ、充電ケーブルを刺した状態で次の日をクロミナと迎えようとしていた。
でも、俺は起きたら病院だった。
未知の病と言われ、五年間病院から出てはいけないというドクターストップがかかった。
薬の影響で記憶障害が起きて過去の記憶を少しずつ忘れていった。
それはクロミナのことすらも…。
そして、5年後。
俺はすっかり忘れたクロミナがこの世界で必要不可欠なSNSアプリになっていたことを知った。
学校でも周りの人の話はクロミナだらけ。
周りに流されるように俺はクロミナを始めた。
クラスの奴らとやっても俺は何もできなくて、除け者扱いもされた。
だから俺は新たな出会いを求めてこの「カイト2027」を作った。
そこで出会ったのは聖騎士が好きなリナだった。
リナの聖騎士の話を聞いているうちに俺は徐々に記憶を取り戻していった。
でも、まだその時は確証は持っていなかったんだ。
その時は五年前にクロミナをやっていたという事実だけ、思い出した。
そして俺はまた新たな仲間と出会った。
ミズキ、翼、ツカサだ。
「お花畑」のクエストに行く途中、俺らは一旦夕食のため、一時的にクロミナの世界から離脱した。
その時、現実世界で5年前に書いた5年前にログインしたデータのコードを親から渡される。
そのコードを見た俺は全てを思い出した。
自分は聖騎士エグバートだった。
でも、このことを仲間に話したら折角会えた仲間に軽蔑されてしまうと考えた俺は話すことをやめ、自分が聖騎士エグバートだということを隠すことにした。
そしてお花畑で遭遇してしまった悪魔を正体を隠しながら倒した。
今回の魔王迷宮のクエストもそうだ。
初めは全て隠し通そうと思っていた。
でも力があるのに仲間がさらわれた俺は俺を憎んだ。
俺は誰よりも弱かったのだ。
仲間を助けるために手段を選んだ俺はあの場にいた誰よりも弱かったのだ。
それを知った俺は魔王との戦いで仲間が倒れている姿を見て二度と同じ過ちを犯さないことを決め、正体を明かしたのだ。
そして今に至るわけだ。




