第11話 3階の悪魔
ようこそ。
2000人?!
俺は急激に減った残りプレイヤーの数に驚きを隠せなかった。
1階、2階で罠にかかったプレイヤーが多かったのか…。
俺ら5人は3階に到着。
最上階である4階まであと少しだ。
待ってろよ…リナ。
2000人もいれば助けられるはず…。
俺は3階の扉を開けた。
するとすぐに画面の上にボスのHPメーターが表示された。
砂埃とともにプレイヤーの叫び声や、掛け声が聞こえてくる。
俺らは何と戦っているのかを確認するために中へ歩いて行った。
砂埃がひどい。
俺の足音が聞こえる。
他の人の足音が…聞こえない。
「お、おーい!みんな!ついてこいよ!」
俺が聞いても返事がない。
と、砂埃に目を取られていたその時。
ボォォォォォ!
「うわっ!」
目の前には炎を噴射する悪魔が立っていた。
なんだこれは…。
どういうことだ?!
俺は混乱していた。
砂埃で周りが見えない。
そして、他のプレイヤーも見えない。
もちろんグループメンバーも。
そして、目の前には俺のために用意されたかのように俺を見て静かに立っている悪魔の姿が。
転送魔法を使われた…?
悪魔によって砂埃の中に転送魔法を入れられていて、俺が気づかないうちにどこかに飛ばされていたということか?
悪魔が魔法を使う。
[炎魔法=フレイムブレス]
俺は少し反応が遅れ、片腕に直撃してしまった。
2539→925
1614のダメージだ。
これでも装備ガチガチな方だぞ?
悪魔はやはり強い。
戦闘経験があまりない俺にとって今できることは何もない。
刻一刻と時間が過ぎていく。
残り20分。
「カイト」ならこの悪魔はゴミだ。
一振りで倒せる。
アカウント共有するか?
いや……。
すると白ピョンがまた飛び出した。
「お、おい白ピョン!!危ないって!」
しかし、白ピョンは跳ねながら進む。
悪魔と俺の真ん中に行くと、右に曲がり、また真っ直ぐ跳ねて行った。
俺は悪魔の攻撃を避けながらついていく。
「待てって!白ピョン?!」
白ピョンは相変わらず進む。
まるで俺に逃げ道を示しているかのようだった。
「白ピョン…うわっ!」
急に砂埃が晴れた場所に着いた。
後ろを振り返ると何重にも層になっている雲のようなものがあった。
これが悪魔の魔法か…。
中にいた悪魔は一体の悪魔の分身。
それがプレイヤーを1人ずつ転送によって隔離させ、その場所で倒すという作戦だったのだろう。
俺が白ピョンを探すと遠くにあった階段の方で跳ねているのを見つけた。
その階段は…。
最後の階段か!
俺はすぐさま階段を登り、4階に向かった。
その時、上の方から誰かの叫び声がした。
「誰の叫び声だ……?ツカサ?」
感想等お待ちしてます。




