第5話 ガチャタイム②
こんにちは。
さぁ、俺の2回目のガチャリザルトを見よう。
ドキドキしながら見ていると…
道具だった。
【薬草】
この道具は味方プレイヤーの体力(HP)を
200回復する。
「ぎゃははは!だっせぇー!カイトのやつ!薬草だってよ!」
翼は大声で笑い転げている。
ぐーで殴ってやろうか。
ちょっと高校生の力を見せてやるか。
などと考えているとすぐにリナがガチャを引くためにどいて、と言われる。
みんな冷たいな。
リナも緊張している様子だった。
画面に表示されたボタンを押すと結果が映し出されるー。
【薬草】
この道具は味方プレイヤーの体力(HP)を
200回復する。
「ぎゃははは!あー、お腹いてぇ!」
翼の正直な感想がリナを怒らせた。
緊張状態にあったリナの感情を一気に怒りの感情へと変化させた。
「あんたねぇ!」
「ま、まぁまぁ…」
俺は仲裁に入り、2回目のガチャリザルトを見ろよと催促した。
ガチャの結果を見るリナ。
リナは少し嬉しそうな顔をしてこちらに向いた。
「こんなの出たよ!」
それは防具でもなければ武器でもなく、道具でも無かった。
装飾品だった。
【幸運の指輪】
これを身につけると幸運に恵まれるかも?
なんとも曖昧な説明である。
装飾品とは、自分に1つだけ身につけることができる防具とはまた違う物で、ステータスや、それ以外の能力を付与される物である。
中には装飾品だけでステータスを何千と上げているプレイヤーもいるらしい。
獲得した指輪をリナはすぐに身につけたようだ。
「さぁ!次は俺様だな!」
翼の番だ。
散々俺らを罵ってきたんだ。
ここで薬草でも出したもんならどうなるかは知ってるんだろうな?
俺は伝わらない威嚇を心の中で叫んでいた。
翼が結果を見るとうおー!、という声を上げた。
うそ。
まさかめっちゃいいのでちゃった?
「見ろよ皆んな!カッコいいぜ!」
自慢げに獲得した物を見せてくる。
武器だ。
【龍装剣=ドラグニティ】LV.1
自身のレベルアップと共にこの武器のレベルも上昇していく。
黒龍の皮で作られたその刃は高い能力を持っている。
攻撃力2050/防御力1520/耐久値500
まじかよ…。
一番得てはいけない武器を一番得てはいけない人にあたった。
また厨二会話が広がるな。
「よっしゃぁ!俺の愛剣にしよっ!」
翼は2回目のガチャリザルトを見る前に武器の変更を行う。
「おい、翼。お前愛剣の"白夜刀"はどうするんだよ?」
俺が聞く。
「あー、なに?世代交代ってやつ?」
あいつ絶対武器屋に売り行くぞ。
まぁ、強くなって良かったな。
ハイテンションな翼は2回目のガチャリザルトを見る。
しかし、急にハイテンションじゃなくなった。
どうしたんだろうと思った俺らは翼に何が出たか聞いてみる。
しかし応答がない。
仕方なく少し強引に翼の方に寄って行って出た物を確認する。
と、そこには。
【薬草】
この道具は味方プレイヤーの体力(HP)を
200回復する。
「………」
「………」
「………」
[………(⌒▽⌒)]
「なんか言えよっ!」
翼が恥ずかしながらこちらにツッコミを入れてくる。
いいんだ、翼。
照れ隠しにツッコミなんてしなくて。
俺らは優しいからな。
生暖かい目で見るだけで勘弁してやるよ。
くっそー!という翼の声を聞き流し、ツカサのガチャを待つ。
2回連続で結果を見たようだ。
【天使の怒り】
この道具は悪魔族の敵に10万のダメージを与える。
【リフレクター】
この道具はいかなる敵の魔法も10回まで跳ね返すことができる。
2つとも道具だ。
それも中々使いどころによっては強い。
1つ目の水晶玉の形をした道具は悪魔に効果抜群らしい。
というか悪魔しか効かないみたいだ。
でも10万ってすごいぞ?
俺の魔滅剣一振りと同じ攻撃力だ。
ツカサがもしも悪魔に遭遇したら使えばワンチャン勝てそうだ。
2つ目の武器は手鏡型の魔法攻撃の完全反射道具。
10回だけだが、敵が魔法メインのクエストならとても活躍するだろう。
しかし、俺としては一番今のところレベルが低いツカサには防具が出て欲しかった。
今となってはしかたないが、少しでも気絶する可能性を減らしたい。
それは皆んな思っていることだろう。
まぁ、武器屋で多少揃えるだけでも充分だろう。
クロミナ界のお金であるGもかなり手に入ったからな。
俺らはガチャ施設を出て、すぐそこにある武器屋に向かった。
最後まで読んで下さりありがとうございます!
今回で準備回は終わり。
次話から話がやっと展開します。
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