目からビーム
やっと週末だ!!
CWOのコンセプトは、プレイヤーの想像力次第でどんな魔術でも作れるというものだ。先程のシールド実験でのマナジーの強度もはじめはゼリーのような柔らかさだったものから、ガラスのような質感の固いものへと変わった。俺はマナジーのシールドを発明する際に、せっせと面積を小さくして厚みを増して強度を上げようと工夫したが、本当にイメージ通りにできるのであれば……「薄いけれど壊れないシールド」も実現可能ではないのだろうか。
答えは……可能かもしれないが現段階では不可能。
《マナジードーム》は、そこまでMPを使わなかったこともあり、裏山道フィールドのモンスターに何度か攻撃されるとすぐに壊れてしまった。固くなれと何度念じてもこれ以上の固さにはならないようだ。レベルの問題なのだろうか……。
もうひとつ発見があった。今回出来上がった《マナジードーム》は、一か所でもヒビが入ったり突き破られたりすると、その瞬間にドーム全体が霧散して消滅した。マナジーで造形したのはあくまでも「完全な状態のドーム」であって一部が破損すると「完全な状態のドーム」とは認識されず、形を維持することができなくなったのではないだろうか。
ここで一つの疑問が生じる。イベントで使用した《シェルシールド》は、飛竜の岩弾が直撃した際に、シールドを突き破られていたけれどシールド自体の形は維持されていた。あれは何故だろう……。魔術の名称が《シェルシールド》と《マナジードーム》で異なっているが、単なる強度の問題だと思っていた。けれども、それだけではなくて構造自体が違うのかもしれない。
さて……
①原初属性以外の他属性魔術について……保留
②【無属性】の魔術について……少し検証した
③「魔法」「魔術」の同時使用はできるか
④魔術の多重発動はできるか
③に関してはある程度予想できていたが、やはり可能だった。
《パイライトハザード》というディスク魔法と《レイ》という魔術を同時に念じると問題なく発動した。ただ、「魔法」と「魔術」の同時使用が可能といっても、あくまでも「MMディスクの魔法」と「魔術」の同時使用ならば可能、ということではあるのだが……。
「魔法」と「魔術」の違いについて調べた際、原理が分かっていない状態で行使する魔術は厳密には「魔法」であると定義されていたが、初期魔術の《ファイアーボール》などは原理がわかっていなかったとしても、体内のマナジーを消費して発動していることには変わりない。それとは違い、ディスク魔法はインストールされた魔法を再現しているのでマナジーを消費しない。俺自身「魔法」に関してはほとんど知識が無いため、これ以上の考察はできない。
そして、③の考察から繋がるのが、「④魔術の多重発動はできるか」だ。③の検証のついでに簡単に試してみたのだが、《レイ》を複数発動するよう念じてみても、一発目が発動して、少しの時間を置いて二発目が発動して……と断続的に発射されるようになった。《ファイアレイ》のように【光】【火】の2種類のマナジーを混合させた魔術が発動できるのならば、魔術の同時発動も可能な気がするが……。
何度試しても同時に《レイ》を放つことはできず、断続的に手のひらから発射されていくだけの光線に目をやる。
今更だけど、魔術を発動する際に、何故だか無意識に利き手の右手を突き出して発動していたことに気づく。別に手のひらを突き出して攻撃を放つ必要はないんだよな。
魔術を発動するプロセスは、体内の純魔力を一か所に集めて、実魔力もしくは属性魔力に変換させて魔術として発動するというものだ。そもそも手のひらじゃなくてもマナジーを集中させることは可能だし、純魔力を空中に出現させて自由に操作できる今なら、空中からでも……。
もう慣れた手つきで空中に純魔力の塊を浮遊させる。先程まではここから実魔力へと変換していたが、今度は属性の変換を行う。
空中に漂っていた純魔力が次第に光を放ち、金色になっていく。やはり、空中でも同じように変換できるんだ。そして、空中で【光属性】へと変換されたマナジーをそのまま《レイ》として放つよう念じる。
光輝いていたマナジーが“ヒュン”と指向性をもってフィールドの岩へと飛んでいく……成功だ。
特に新しい魔術を習得したアナウンスも入らないし、《レイ》の説明文自体にも変化はない。そのため、これはもともと発動可能な魔術現象ということだろう。今まで気づかなかったが、任意の場所から魔術を発動できるだけでかなり戦術の幅は広がりそうだ。
しかも、空中はもちろん身体のどの場所からでも発動できるなら、憧れの「目からビーム」だってできる!!
両目からビームを発射する魔術を開発すれば……
「あ!!!!!!!」
このタイミングで衝撃の事実に気づいてしまった!!
「魔術を同時に発動すること」はできない。では、「複数の魔術を同時に飛ばす」というひとつの魔術ならばどうだろうか……。「目からビーム」といえば、両目からビームを出す姿をイメージする。でも、いちいち右目と左目それぞれで魔術を発動しようとは考えないだろう。「両目からビームが出る」というひとつの魔術と考えればいいんじゃないだろうか。
いつもは手のひらにマナジーを集めるところを眼球あたりに集める。集中すると、寄り目をしている時のように眼球の筋肉に力を入れている感覚がする。そして【光属性】に変換!!
目が!! 目がぁ!!!
くそっ! ええい! 放て!!
“ヒュン”
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魔術スキルを習得しました。
該当魔術が存在しません。
[博識の魔術師]の職業スキル【新魔発掘】が解放されました。
新魔術の名称を決定してください。
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ちょっとまってくれ……。
目から光線が放たれた感覚があるし、なんかアナウンスも入ったが、正直それどころじゃない。眼球あたりで【光属性】に変換したため、かなり眩しい。懐中電灯を両目で直視したような感覚だ……。
「どうやら研究を進めているようだな。」
突然後ろから声が……
いや、だから、ちょっと待てって!!!!
疲れてるのかな……
誤字脱字の指摘ありがとうございます!




