マジック・メモリー・ディスク
誤字報告ありがとうございます。
感謝です。
《フレイムサークル》
「うわっ、なんだ!?」
軽装のプレイヤ-の周りに火柱が立ち、突如身動きが取れなくなる。プレイヤーは突然のことで慌てているようだ。
《ウィンドブレード》
風でできた複数の刃が身動き取れないプレイヤに直撃し、光の泡となった。
―――――
プレイヤーを倒しました。
トレジャーメダル10枚を奪取
MMディスク《ポイズンボム》を奪取
―――――
「10枚か……まぁ、開始してまだそんなに経ってないからこんなもんか。」
《ポイズンボム》
シルバーディスク
刺激を受けると爆発し、半径1mの範囲に毒が飛散する。
毒状態を付与することがある。
お、シルバーゲット。ゴールド、レジェンドは無いのかなぁ。
俺が参加するイベントが開始されて2時間程が経過したが、まだそこまで進んでいるプレイヤーはいないのかもしれない。
イベントが始まってから森の中を探索していた。……というより、森がけっこう広く、半ば迷っていた。
森の中ではそこまでプレイヤ-と遭遇しない。最初は何度か見かけたが、序盤だからかすぐに戦闘というわけではなく、逃げるプレイヤ-が多い。俺も、今のプレイヤ-が初めて倒したプレイヤーだ。
森の中では様々なモンスターがいて、倒すと稀にMMディスクを落とす。雑魚モンスターだからなのか、ここら辺のモンスターからは今のところブロンズディスクしか取れない。どんなモンスターでも確率でレアなディスクを落とすのか、モンスターによって落とすレア度が決まっているのか不明だ。
あとは、木のうろの中、鳥の巣の中でそれぞれシルバーディスクを見つけた。結構高いところにあったが頑張ったら登れた。モンスターだけじゃなくて、いろんなところでディスクはゲットできるみたいだから注意しとかないと見落としそうだ。
現在持っているディスクは
【シルバーディスク】3枚
《フレイムサークル》
《ウィンドカッター》
《ポイズンボム》
【ブロンズディスク】6枚
《ファイアボール》
《ウォーターボール》
《レイ》
《スパーク》
《ポイズンボール》
《ストーンスピア》
ブロンズとシルバーは結構ゲットできそうだな。
今まで入手したディスクの魔法を見てみると、ブロンズは初級の魔法が記録されているような感じだ。だが《ポイズンボール》、《ストーンスピア》など「毒」や「岩」といった適正魔術属性の8種類以外のカテゴリーと思われるモノも含まれている。アクアが持っていた【氷】のように、他の属性も取得する方法がありそうだな……。
これは色々と魔術創造のヒントになりそうだな。
少し余談だが、このゲームでは「魔法」と「魔術」が区別されている。
職業の選択項目を見たとき、「魔法使い」と「魔術師」という二つの選択肢があることに気づいた。その後、いつものように図書室で調べてみた。「魔術」はその現象の原理が分かった状態で行使するもの、魔法は原理が分からずとも発動するものを云う。今回のMMディスクは利用者が誰であっても問題なく発動できるため「魔法」だ。
重要なのはここからなのだが、この分類で行くと、ゲームを始めた当初から覚えている《レイ》《ウォーターボール》などの魔術は、厳密にいえば「魔法」に分類される。俺を含めてみんな原理が何もわからずとも使っていたからな。そして、マナジーの流れなどを理解して発動するようになって初めて「魔術」という分類になる。
なぜ今このタイミングでこんなことを語りだしたかって?
「魔法」と「魔術」は区別されているが、明確な境界線というものは存在しないということだ。つまり、MMディスクに記録されている「魔法」は現時点ではただの「魔法」でしかないが、原理さえわかれば「魔術」として再現可能ということだ。
だからこそ俺はウキウキしている。このイベントは魔術のアイデアの宝庫というわけだ。別にイベント報酬でMMディスクを貰えずとも、今魔法を観測できればかなりのアドバンテージとなる。
頭の中で持論を展開しながら森の中を進んでいると、目の前の大木の根本に穴が開いているのを見つけた。大きさは奈良の大仏で有名な、柱に開いている鼻の穴くらいの穴と同じサイズくらい。大人サイズの俺の身体で入るのは少し怖いが、お宝の匂いがプンプンするから入るしかない。
周囲を警戒して、周りに気配がないことを確認してから穴の中に身体を押し込んでいく。身体全体が穴の中に入ったようだが、まだ先が見えない。どうやら木から地面に穴が伸びているようで、思った以上に深いようだ。
視界が真っ暗になった状態で数分進むと、突然広くなったようでズルっと滑り落ちた。
真っ暗で何も見えない…。試しに《ファイアボール》を放つと、全体がぼうっと照らされて何やらドーム状の空間にいることが分かった。それと、壁際に何やら松明っぽいものが見えた気がする。
闇雲に何発か《ファイアボール》を撃つと、1発が松明に命中したようで火が燃え移った。ひとつの松明に火が付くと、そこから壁の溝を伝って炎が広がっていき、部屋にある松明全てに火が点っていく。すごい……。
「松明があるということは、人為的に造られた場所ってことかな?」
俺が滑り落ちた穴は天井付近にあるようで戻るのは難しそうだ。そのかわり、ドームの一か所に人ひとりが通れるくらいの通路が伸びている。ここを進んでいくしかなさそうだな。
ドームの松明から炎がどんどん燃え移っていく仕掛けのようで、通路の松明も明々と燃え視界は良好だ。
しかし、この通路長いな……。
地下空間がかなり広く使われているのか、進めど進めど先が見えない。この島の地下全体に張り巡らされていたりしてな……。
もうしばらく進んむと何やら横穴が伸びていて、その横穴の先には古びた道具などが積まれており、昔使われていた倉庫のような雰囲気だ。その他にも、ベッドがいくつか置いてある寝るためのスペースや、トイレのようなスペースの横穴もいくつか見つけた。少し気になるのはどれも子どもサイズだということだ。
なにやらおかしな所に入ってしまったな……と思っていたその時。
「おい!何者だ!?」
と突然暗闇の向こうから大きな声で呼びかけられた。
もう少ししたら、他のプレイヤーもどんどん登場してくると思います。




