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The Creation of Witchcraft Online(魔術創造)-最強魔術師への道-  作者: える
プロローグ その身に宿るもの
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原初属性

ちょっと説明文が多いです。

漆黒のローブの男、ネスラさんに大学内をしばらく案内されてから、ようやく解放された。

魔術大学の内部は昔大流行した魔法使いの映画に出てくる魔法学校のような造りだった。


MMO ゲームだというのに、いまだにタリィズ君以外のプレイヤ-と関われていないのはどうなんだろう…と思いながらも特殊クエスト発生にドキドキしている自分もいる。


[ログアウトが可能になりました。]

[現在王都【ソフィリア】への入国が制限されています。]


魔術大学といっても、よく小説などであるような魔術学校のように毎回授業を受けて…というような堅苦しい物ではないらしく、基本的に行動は自由らしい。ただ、ログでも表示されたように、フィールド移動の制限もある。


・スキエンティア大学から出る際には、専用の転移装置を利用するしかない。

・【ウィズダム】の王都【ソフィリア】へ入ることができない。

・王都正門から出た山道フィールドへの移動ができない。


 意図的に他のプレイヤーと隔離されているような気がする…。一応外のフィールドへ出ることができるのだが、先程までレベリングしていた場所には行けそうにない。

 【ソフィリア】の左右には大きな山が座している。その2つの山の間、谷の部分に建てられた街が王都ソフィリアだ。【ソフィリア】の正面の門から出たところが、俺が初めにレベリングしていた「表山道」。現在俺はこちらへ行くことはできないらしい。そのかわり、【ソフィリア】の裏側から出たところにも同じように山道フィールドがあるらしく、そちらの「裏山道」へは行けるらしい。現状、「裏山道」へは、スキエンティア魔術大学から行くしかないようだ。(山を乗り越えて行くこともできるらしいが、今までそんな無謀な事をした人間はいないとのこと。)

 魔術大学の入学候補生がこの建物から出るには専用の転移装置を使わないといけないらしく、外出を申し出なければならない。


 【ソフィリア】へ入ることができないこともあってか、魔術大学では魔術協会とは別でクエストを設定しているらしく、魔術大学に入学した者(候補生も含む)は魔術協会ではクエストを現時点で受けることはできず、魔術大学のクエストを受けなければならないようだ。

 ネスラさんに解放される前に聞いた話では、入学候補生の「候補生」を抜け出すにはこの大学でのクエストをいくつか受けて実力を見せつけて信頼を勝ち取らないといけないらしい。



 今は、魔術大学の図書室にいる。【英知の樹】の大量の書物がある場所ではなく、大学の図書室だ。現実の大学図書館と同じくらいの広さだろうか。


 基本的には、「魔術書」と呼ばれる書物は街の図書館や魔術大学の図書館にすら存在しないらしい。それはアノラックさんが言っていたように、ふさわしくない者が魔術書を手にして悲劇が起きないようにするためらしい。

 そのため、図書館で読めるのは一般的な魔術に関する専門書であったり、この世界の歴史書などなど…。また、入学候補生は大学図書館の中のさらに限られた区画の本しか読めないようだ。それでも読めるだけましか…。


 本当なら早速クエストを受けまくって「候補生」の肩書きを卒業したかったのだが、受注しに行ってその内容に驚いた。


【魔獣討伐①】

山地エリアに生息するモンスターを10体討伐する。

※クエスト条件

・魔術のみを使った討伐


 見ての通り、「クエスト条件」というものが設定してあり、この条件に従わないとクエストを完遂したことにはならない。上の「魔術のみを使った討伐」というのは簡単な条件だ。


 他にも討伐クエストでは…

 ②「適性魔術属性以外の属性魔術のみを使っての討伐」

 ③「混合属性の魔術を使った討伐」

 ④「魔術のみを使った討伐(8属性魔術の使用禁止)」

 など初めて聞く言葉や、理解が難しい条件のクエストがほとんどだった。


 クエストはいくつでも同時に受けられるようなので、討伐の4個のクエストを受けることにした。今の時点で受けられるクエスト全てだ。ここに来る前に魔術協会でのクエストも確認しておけばよかった。難易度の比較ができたのに…。


 魔術の専門書らしきものをいくつか見てみたが、魔術師の自叙伝のような書きぶりのものが多くて俺が望んでいることは書いていなかった。そして、気分転換に歴史書をパラパラとめくっていたときだった…。


「お、この世界の始まりのことが書いてある…あれ?これって…。」


“創造神ゾーイがこの世界を創り、原初の魔女エレメアはこの世界の魔力に8種類の属性を付与した、【光 闇 火 水 風 草 雷 土】の8種類は「原初属性」とも呼ばれ、現在でも人間の身体の中に宿っている魔力だ。エレメアはそれぞれの人間を魔力の器とし、それぞれの身体によって親和性のある魔力が決まっている。”


 「原初の魔女エレメア」が付与したとされるマナジー、身体との親和性とは【適性魔術属性】のことだろう。

 専門書ではなく、歴史書の方に書いてあるのか…?それにしても本1冊1冊すべてぎっしりと文章が書いてあり、このゲームの作り込みに感動する。本を見ながら属性についてまとめる。


 8つの原初属性にはそれぞれにも親和性がある。


挿絵(By みてみん)


 【光-火-風-土-闇-水-草-雷-光】と1周しており、それぞれの属性の隣り合わせの属性が最も親和性が高いとされている。隣2つ以上離れている魔術属性を扱うのはかなり困難であるという。また、隣同士になっている属性は【共鳴魔力シンパシーマナジー】と呼ばれ、同じ力場での共存が可能とされているようだ。


 俺の場合でいうと【光】【水】が適性魔術属性なので、【光】が【火、雷】、【水】が【闇、草】、がそれぞれ最も親和性が高く【共鳴魔力】となることになる。2つ以上離れている属性魔術(俺の場合【土、風】の属性だ)を頑張って習得するよりも親和性が高い魔術を鍛えた方が何倍も効率がいいらしい。


 また属性が4つ離れている属性(円に並べた時に対面になる属性)のことを【疎属性アンチテーゼ】と呼ぶらしく、共存は不可能とされているらしい。


「ねぇ、ちょっといい?」


 夢中になって本を読んでいると、不意に後ろから声をかけられた。

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