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かんな
今回は、次回の【星花女子プロジェクト】で嫁がせる側の予定の子、「湯足柑奈」のお話です。
「帰ってきた……!」
カモメとカラスが共鳴する空。
海に向かって、私は沸き上がる感情をこぼした。
「……三年ぶり、くらいかな」
ゆっくりと、砂浜を歩く。夕日の光を浴びて、海と砂がそれぞれ違った波長で宝石となる。
「……まさか、教育実習先の学校が星花女子になるなんて……これも、神様が引き寄せてくれたのかな」
そうだとしたら、神様に感謝しなきゃ。
「……よし」
たった二ヶ月だけの実習期間。
そのなかで、私は何を学べるのだろう。
不安とワクワクが共存する、不思議な感覚に、しばし酔う。
「……ただいま、空の宮」