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ティア・イリュージョン  作者: おおまめ だいず
幻想の星編
90/206

瞳の奥の殺意

「テメェが…………ドーマを…………!!!ドーマをぉぉっ!!!」


 アランは強く握りしめた拳を女に向けて飛び掛かった。女はアランの殺意に満ちた顔を見ると、唇を音を立てて舐め、左手をポイズングロリアスの尾のような刃に変えた。


「元気で何よりだぁっ!!」

「“ウォールファントム”」


 女が刃を振り掛かったその時、リュオンによって2人の間に厚く透明な壁ができた。2人は壁に弾かれ、同時に着地した。


「おいリュオンさんっ!!なんでっ!!」

「無茶はするなと言ったはずだ。あと、今思い出した事を全て吐いてもらう。ここでお前が死んでは困る。」

「……っ!!」


 レオとネネカは、歯を食いしばるアランに寄り添うように立った。


「…………あの人が……ドーマさんを……?」

「………あぁ、そうだネネカ。……尖った耳、奇妙に変形する腕、唇を舐める癖………間違いねぇ…………」


 すると女は、左手を元に戻して、リュオンの顔を見て口を開いた。


「なんだ?殺す気は無いのかい?」

「お前からも聞きたい。なぜライトニングに?」

「フンっ……探し物さ。邪魔をするなら容赦はしないよぉ?」


 女は唇を舐め、尖った耳をピクピクと動かした。紫色の瞳からは、殺意と興奮が混じったものが見える。


「フッ……変わらねぇな。……育ちが悪い。……もう一度、親の顔を見てみたいなぁ。……グレイス・カーリー。」

「……っ!!」


 リュオンが余裕の笑みで言うと、その言葉を聞いたグレイスは、歯を食いしばって瞳を殺意一色に変え、両腕を刃にして怒った。


「…ぉ…親の顔を……だと……っ!!……アンタが殺したんだろうがぁぁぁぁっ!!!オルクスっ!!!」

「リュオンさんっ!!」


 グレイスがリュオンに飛び掛かると、レオは立ったままのリュオンに叫んだ。するとリュオンは、黄金銃を一瞬でリロードし、グレイスに銃口を向けてニヤけた。


「お前には弾は2つで十分だ。……1〜つ。」


 リュオンはトリガーを引いた。大きな銃声とともに弾丸が飛ぶと、グレイスはその弾丸を両腕の刃で斬り払おうとした。しかし。


「っ…!!重いっ!!…なっ!?」


 グレイスは気配に気付き、上を向いた瞬間に、頭上からリュオンに頸を踏み落とされ、左頬を地面に叩き付けられた。


「っぐぅっ!!…チィッ!!」


 グレイスは鋭い右目で、ニヤけながら銃口を向けるリュオンを見た。刃にした両腕を動かそうとしても、先ほどの弾丸の重みのせいか、なかなか動かない。その光景に、レオとアランとネネカは瞬きもせず、立ち止まっていた。


「残念、俺が使ってんのは銀の弾だ。どうした?黄泉の親父はもう目の前だぞ?」

「コロす……っ……殺すっ……オルクスゥッ!!」

「おっと、追加ルールだ。もう一回その名を言ったら、そいつを最期の言葉にするぞ?」


 すると、少し遠くで見ていたアランは膝をつき、殺意で瞳を震わせながら、笑みを浮かべた。


「……そうだ…やっぱ……ドーマを殺したヤツには……死がお似合いだよなぁ………っ…?」

「……アラン…………」


 恨みに狂い過ぎたアランを見て、レオの表情は曇った。すると、リュオンは銃口をグレイスの額に近づけて口を開いた。


「質問の続きをしよう。俺の予想では、お前は今、2つの物を探してる。1つ目は神器。2つ目はなんだ?」


 生温い銃口がグレイスの額に当たった時、動きが弱まったグレイスは小さい声でリュオンに喋りかけた。レオとアランとネネカにはその声は聞こえない。


「…………なるほど。面白い。」


 リュオンはそう言って、グレイスの頸から足を離した。グレイスが立ち上がると、3人は驚き、再び脚に力を入れた。


「ちょっ…おいっ!!リュオンさんっ!!殺してくれよっ!!何をっ…」

「アラン。人生ってのはゲームだ。今俺は、コイツのゲームに乗った。コイツを殺すのはまた後だ。」

「なっ!?」


 3人はリュオンの言葉に驚いた。1番動揺していたのはアランだった。グレイスは口の左側から血を流しながらリュオンを見て、口を開いた。


「ここでアタシを殺さなかった事、アンタ以外の奴らも後悔する事になるぞ?例えばあそこの3人の人間。」

「脅しのつもりか?そういうの、お前の親とそっくりだ。1つ言うが、人間やライトニングが何人死のうが俺には関係ねぇ。他人の運命なんざ気にしてたら楽しくねぇからなぁ。」


 リュオンはポケットに手を入れて、余裕の笑みを浮かべながらグレイスに言うと、グレイスもそれにつられて笑みを浮かべた。すると、グレイスの足元に禍々しい魔法陣が現れた。


「フン…そうか。次会う時には、後に手に入れる神器でアンタを殺す。アタシの父の前で存分に頭下げてもらうよ。オルクス。“モーメント”ッ!」


 その時、リュオンはグレイスに銃口を向け、銃声とともに銀の弾丸を放った。しかし、弾丸はグレイスの額を通り抜け、グレイスは魔法陣とともに消えた。


「…………ガキが…………」


 リュオンは小さく言葉を吐くと、アランに近寄り、口を開いた。


「さぁ話してもらおうかアラン。異空間で起こった、デルガド・カーリーを殺した後の話を。」

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