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ティア・イリュージョン  作者: おおまめ だいず
秘宝編
9/206

永遠の迷宮

「あの、すみません。」

「あ、どうも、いらっしゃいませ。今回はどのようなご用件で?」

「クエストのほうを。」

「それでしたら、この中から選んでください。」


洞窟の赤鬼 ★クリア★

永遠の迷宮・・・50セリア Lv1から

漆黒の花園・・・75セリア Lv3から

風に輝く魔物・・・90セリア Lv5から

氷河の虎・・・120セリア Lv7から


「じゃあ、永遠の迷宮でお願いします。」

「わかりました。ちなみに、今このクエストに出発しているパーティは3組です。」

「よし、報酬とられる前に行こうぜ、レオ。」

「では、行ってらっしゃいませ。」


 レオ達は、革の装備を身に付け、石の剣、竹の弓、木の杖を手に持ち、レオは、アクセ装備として、角の耳飾りを耳につけた。


「よし、じゃあ行こう。」


 レオ達は町の門を潜り、旅に出た。クエストの依頼の内容は、『村の近くの外に大きな穴があいたので、原因を調べてほしい。』とのことだ。




 レオ達は町を出発してから2時間ほど歩いた。


「確か、場所はチャナ地方付近だから、西の方だな。」

「ゴブリンの洞窟は町から北の方だったよね。」


 西にあるチャナ地方は、天に昇る緑色の龍などが有名な所だ。


「そう言えば、他の3組はもう目的地に着いたのかな?」

「なぁに心配ない。俺達は強いんだぜ?Lvなんて4、3、4、4だろ。」

「あの…、先ほどから魔物がこちらへ来てるようなのですが…。」

「ん?」


 レオ達は後ろを向くと、六匹ほどの蛇が四人の後を追っていた。


「お!見たことねえ魔物が来たぞ。」

「図鑑によると…。こいつは鱗蛇だ。綺麗な緑の鱗を纏っていて、毒の牙が特徴らしい。」

「んじぁ、もう俺達はチャナ地方付近に来てるってことか?」

「そうみたいだ。とりあえず攻撃だ!」


 レオは石の剣を取りだし、大きく横斬りをした。刃は、三匹の鱗蛇を斬った。


「そうか、【フィールドバトル】にしたからターンなんて無いんだ。」


 アランは、二匹の鱗蛇を殴ると、鱗蛇は血を吐いて倒れた。


「さぁ、どんどん来い!!」


 ドーマは、竹の弓で矢を放ち、三匹の鱗蛇に命中させた。そのうちの二匹の鱗蛇は倒れた。


「きゃあっ!!こっ、来ないでくださいっ!!」


 ネネカは、木の杖を振り回し、二匹の鱗蛇を倒した。すると、一匹の鱗蛇がドーマに噛みついた。


「うぐっ、あぁっ!!」


 ドーマは毒を受けた。


「ドーマ!大丈夫?」

「な、なんか、苦しい…うっ!」

「チィッ!!役に立たねぇ!」


 アランは鱗蛇を殴った。


「ふぅ、片付いたか…」

「みんな、早く毒消し草を!」


 レオが、横たわって苦しんでいるドーマのほうへ走り出した。


「んなもんリュックの中にねぇよ。」

「ここは草原ですから、生えているかもしれません。…探しましょう。」


 ネネカが言うと、レオは足を止めた。


「…そうだね。ドーマ、待ってて。すぐ見つけるから。」

「悪いね、アタシのために。…うぐっ!」

「おいおい、このままじゃ報酬持ってかれるぞ。」


 アランがあきれた顔で言った。


「でもこのままじゃドーマが死んじゃうよ。」

「ドーマなんて知ったことかよ。」

「なんだと!?アタシに死ねって言うのかい?」


 ドーマが立ち上がろうとした。


「やめて下さい。…私が探します。」


 そう言ってネネカは毒消し草を探し始めた。それに続いてレオも一緒に探し始めた。


「……ったく、どいつもこいつも。」

「ん〜無いなぁ。ネネカ、あった?」

「無いです。」

「これじゃあ毒消し草どころか薬草しかないな。」


 そして、5分が過ぎた。


「無いなぁ。………どうすれば。」


 すると、アランがレオの方に来た。手には何かを握っていた。


「あ、アラン…どうかしたの?」

「レオ、頼みがある。手を出してくれ。」

「え?う、うん。」


 アランがレオの手に何かをのせた。それはなんと毒消し草だった。


「アラン…どうして。」

「話はいい。これをアイツの口にでも放り投げてこい。あと、この事は言うなよ。」

「……わかった。ありがとう。」


 そう言ってレオは毒消し草を握った。


「ネネカ、あったよ!」

「本当ですか?…良かった。」


 レオはドーマに毒消し草を使った。


「ふーっ、すっかり元気になったよ。悪かったね、心配かけて。」

「いいよ。さぁ、行こう。」


 レオ達はまた歩き始めた。




 しばらく歩くと、大草原のなかに1つの村が見えてきた。


「ねぇ、あの村ってチャナ村じゃない?」

「多分そうだ。少し寄ってみよう。」


 レオ達は村へ歩いた。村の門に飾られている看板には、<緑龍の村 チャナ>と書いてある。


「おお、すっげぇー。まるで中国に来たみたいな気分だ。村の屋根のほとんどが綺麗な赤色に染まっている。」


 すると、一人の老人がこちらの方へ歩いてきた。


「ふむ…。ほお…。あなた達は何しにここへ?」

「あ、ええっと…依頼を受けてここへ…。」

「おお、そうかそうか。これは失礼した。いやぁ、しかし有難いことじゃわい。」

「あの、依頼にあった穴とは一体?」

「うぬ。この村の裏に大きな穴ができてのう。畑仕事もできないのじゃよ。夜には2人の小僧がいなくなったとか。」

「そうなのか。じゃあ早いところ行こうぜ、レオ。」

「おおっと、慌てるでない。コレを持って行け。」


 老人は袋から松明を取り出し、レオ達に言った。


「あの穴はとにかく暗い。そして、迷路のように道が多く、迷うこともある。持って行くのじゃ。」

「ありがとうございます。」


 レオは松明を受け取った。


「…頑張れよ若いの。ワシはあなた方が成功してくれるのを信じておる。」

「おう。じゃ、行ってくる。」


 アランが言うと、レオ達は村の裏へ行った。そこには、半径5mほどの穴が空いていた。


「ほぉ…。思ったよりデカいな。本当に行くのか?」

「…行こう。」


 レオ達は大きな穴へ飛び込んだ。




 穴は大きなうえに深く、冷たい空気が感じられる。周りは一瞬として暗黒の世界となった。四人は柔らかい地に腰をついた。


「……ぅ、んん……。みんな、無事か?」

「はい。結構高い所から落ちましたけど…、思ったより痛く無かったですね…。」

「それにしても暗いな。何も見えない。松明を使おう。」


 レオは松明を取り出し、火をつけた。すると、一瞬のうちに洞窟が明るくなった。


「よし、これで先へ進める。」

「ちょっと待てよ…。レオ、アラン、ネネカ。下を見てみな……。」

「なっ!?」

「キャッ!!」

「くっ!!!」


 足元には大量の抜け殻や鱗があった。高い所から落ちても、怪我1つ無かったのは、この抜け殻があったからだ。


「レオ…これ、何の抜け殻だと思う?」

「んー。鱗があるから虫ではないね。でも、獣でもなさそうだ。」

「あっ!!さっきの鱗蛇じゃないか?」

「そうか!可能性としては有り得る。この鋭い鱗、長くしなやかな皮。間違いない。」

「じゃあ、この穴はこの蛇の巣ってわけか。」

「さっき戦ったばかりだから、きっとうまくいくよ。行こう。」


 レオ達は先へ進んだ。

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